テラーノベル
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、、、振り返りたくない、、、ッ
夜のユラシーア。灰色のビルの谷間を抜けて帰路を歩く。仕事帰り、重力でブーツの足音を殺しても、心臓の鼓動だけは誤魔化せない。
……また、後ろに気配がある。氷のように冷たく、肌を刺すような殺意と冷気。間違いない、ロシアだ。やつはいつもこうして後ろからついてくる。気配だけで肺が凍るような感覚になる。振り返りたくない。振り返ったら、目が合ったら、何かが終わりそうで。
角を曲がると、酔っ払い二人に声をかけられた。
「ねぇお兄さん、かわいいねぇ。ちょっと遊んでかない?」
鬱陶しい。俺は死んだ魚の目で視線を逸らす。腕に触れられた瞬間、背筋に冷たいものが走った。酔っ払いのせいじゃない。俺の後ろから、さらに濃く重く、氷点下の気配が押し寄せたからだ。
空気が、白くなる。吐息が勝手に凍る。俺は笑いそうになる――いや、笑えない。完全にやばい。ロシアが、笑ってる。あの、氷の怪物が。
「……何してんだ」
低く抑えた声。酔っ払いは硬直した。次の瞬間、脚が震えて一目散に逃げていった。いい判断だ。ここに残ったら、確実に氷漬けになって粉々に砕かれていただろう。
俺は無言で歩き出す。背中に刺さる視線と冷気。振り返らない。絶対に振り返らない。心臓がやかましい。俺の超重力じゃどうにもならない重さが胸に沈んでいく。
――頼むから、黙ってついてくるだけにしてくれ。
そう心の中で悪態をつきながら、俺は夜の街を歩き続けた。
コメント
1件
いやー、これめっちゃ怖いし面白いっすね。ロシアさんの「気配だけで肺が凍る」って表現、すごくリアルで震えました。酔っ払いナンパよりセコムより、あの静かな殺意が一番怖いってのが伝わってくる。振り返らない主人公の心理描写も丁寧で、続きが気になる展開でした!
しなもん ここあ たん .ᐟ
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