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(佐久間視点)
「………」
このまんま、なんとか隠れきれそうだな!
1回康二たちがきた時は焦ったけど、流石に屋根裏には気づかなくて、帰ってくれたし!
まだ怪盗Wも怪盗Fも見つかってないし、これ俺らの完全勝利じゃない!?
いや〜、文化祭楽しかったな〜
クラス企画の男女逆転メイドカフェも怪盗探しかくれんぼも、全部楽しい!
去年は阿部ちゃんと一緒に回ってたけからなぁ。
今年生徒会長になっちゃって一緒に回る時間少なくなるって思った時はちょっと寂しかったけど…
ふっかも学校に来てくれたし、翔太とも一緒にいろんな企画ができて、ほんとに楽しかった!
後夜祭ライブだって残ってるしね!!
でも、今日が終わったらまたいつも通りか…
やっぱりちょっと寂しいんだよな。
この学校は学年で棟が分かれてるし、そのせいで阿部ちゃんにはほとんど会えないし…
阿部ちゃんだけじゃないな。
ふっかだってまたサボり魔に戻るんだ。
おんなじ校舎にいるのに、会えないなんて寂しいじゃん。
「怪盗S、はっけーん」
「………?え…ええええ!!!?」
あ、阿部ちゃん!!?
なんで!?
俺今、文化祭が終わっちゃう寂しさに浸ってたとこなんだけど!!?
「やっぱりここにいたんだね」
「なんでわかったの!?最高の隠れ場所だと思ったのに!?」
「最高の隠れ場所なら尚更でしょ?」
笑顔で俺との距離を詰めてくる阿部ちゃん…
怪盗が警察とか名探偵に追い詰められる時って、こんな気分だったんだ…
もし俺が怪盗キ◯ドだったら逃げられんのかな?
「怪盗S捕獲っと。じゃあ、先生のとこ行こっか」
「え〜!!!!!無理無理無理無理!!」
先生はだめ!!先生はまずいって!!
赤崎先生とかだったら絶対後夜祭出させてくんないもん!!!
「その前に、ご褒美もらっとこっかな。1番に見つけたご褒美」
「そう!!そうだよね!?ご褒美大事だよね!!」
ナイス阿部ちゃん!!
よし、それで時間潰そう!!
「ご褒美は、俺が1つだけ阿部ちゃんのお願いを聞く!どう?なんでもこい!」
翔太とふっかにもご褒美はこれねって話したけど、あの2人はすんごい嫌そうな顔してたな〜、笑
翔太には『嫌に決まってんだろ』って即答されて、ふっかには『俺、そんな都合いい男じゃないからね〜、わら』って拒否られちゃったんだよな〜
まぁ、見つからない自信があるってことでよしとしたけど!
「う〜ん……お願い、ねぇ…」
阿部ちゃん、珍しく悩んでる…!?
俺は阿部ちゃんが相手だし、ほんとになんでもいいんだけどな。
猫になれって言われたらなるし、犬になれって言われたらなるのに。
阿部ちゃんの宿題は……手伝えないけど、応援だっていっぱいするもん!!
しばらく阿部ちゃんは悩んで、やっと結論が出たみたい。
「じゃあさ、一緒にゲームしない?」
「え?」
「後夜祭終わった後、佐久間の家に遊びに行かせてよ。それで、一緒に夜通しゲームしよ」
柔らかく微笑みながら、阿部ちゃんは俺へのお願いを口にした。
そ、そんなの……
「いいに決まってるじゃん!!!」
思わず阿部ちゃんに抱きついた。
最近、全然一緒にゲームできてなかったもんね!!
嬉しい!
阿部ちゃんと久しぶりに一緒に遊べるんだ!
やっぱり、俺は阿部ちゃんのこう言うとこが大好き。
いつだって俺のことを喜ばせてくれるんだもん!!
『え〜…みなさん!!お疲れ様でしたー!!!!』
かくれんぼが始まった時と同じように、校内に怪盗Sの声が響く。
『私、怪盗Sこと佐久間はですね、優秀な名探偵である生徒会長阿部ちゃんに捕まっちゃったわけですけど…』
佐久間の言葉を聞き、その場にいる全員が“納得“した。
さすが生徒会長、と。
『で、もう1人、怪盗Fさんもね』
佐久間は怪盗Fに放送用マイクを渡す。
『はいは〜い、怪盗Fこと深澤で〜す。残念ながら、俺も捕まっちゃった〜、わら』
続いて聞こえてきた深澤の言葉に、その場にいる全員(主に女子生徒)が驚愕する。
誰が見つけたのかと言う論争が始まる中、深澤は悠長に続ける。
『みんなで俺のこと見つけられた風紀委員長褒め称えてあげてくださ〜い』
その言葉に、一斉に岩本へ視線が注がれる。
その視線を受けながら、岩本は余計なこと言うなと言わんばかりに放送が流れているスピーカーを睨みつける。
『まぁ、俺とふっかは見つかっちゃったわけだけど、怪盗Wは隠れきってくれたみたいでね』
佐久間は楽しそうに、怪盗Wに話を振る。
『あー……怪盗Wこと渡辺でーす。お前ら、残念だったな』
唯一逃げ切った渡辺は、余裕そうに呟く。
渡辺がこっそり宮舘と一緒にいたことは誰にもバレていないようだ。
『みんな、文化祭楽しかったね〜!一般のお客様もご来場ありがとうございました〜!』
最後の文化祭終了の挨拶も、佐久間が続ける。
ここまでやるんだったら、最後も締めろと先生から言われていたのだった。
『俺、みんなと一緒に遊べて、ほんっとうに楽しかった!最高の高校生活最後の文化祭だったよ!』
佐久間の心の底から楽しかったと言う感情が、スピーカー越しに響いている。
『一般のお客様は気をつけてお帰りくださ〜い!』
佐久間の文化祭終了のアナウンスを聞き、一般客は帰り始める。
一方で生徒たちは…
『でもでも!生徒、先生はまだ終わりじゃないよなぁ!?』
佐久間の大きな声がスピーカーを壊すくらいの勢いで響く。
『後夜祭!!!まだまだ盛り上がるぞー!!!!』
文化祭は終わっても、後夜祭が残っているのだ。
『ちなみに〜、俺らもライブするから見てってね〜』
自分たちの宣伝もして、
『あと!阿部ちゃんたちの運営する生徒会、風紀委員の企画も残ってるみたいだから寄ってった方がいいよ!!阿部ちゃ〜ん!!俺は後で行くから待っててねー!!!』
ついでに、生徒会、風紀委員共同の企画も宣伝する。
『以上を持ちまして文化祭、終了でーす!!!』
そして、文化祭は終了したのだった。
(深澤視点)
「いや〜、ほんと楽しかったね!」
佐久間が放送器具の電源を切った後に、俺らに笑いかける。
「うん、楽しかった」
「俺は最後まで隠れ切ったしな」
俺も翔太も、文化祭はすごく楽しかったな。
「翔太はどこ隠れてたんだよ?まじですげーじゃん!」
佐久間の言う通り。
俺も気になるなぁ。
「………女装…」
「「女装!!?」」
翔太が女装したの!?まじで言ってる!?わら
「……で、涼太と一緒にいた」
「「………ええええ!!!?」」
佐久間と一緒に声をあげる。
翔太、涼太と一緒に回るなんて……
「女装してたから、誰にも気づかれなかったよ」
「あー……なるほどね…ってか、それ見つかってんじゃねーかよ!?」
佐久間が思いっきりツッコむ。
確かに、それ見つかってるってことだよね?わら
でも…そっかぁ……
翔太、涼太と一緒に過ごせたんだぁ……
「後夜祭終わった後も、涼太の手料理」
「うわっ!ずりぃ!!!」
俺も、久しぶりに涼太のご飯食べたいかもなぁ…
……まぁ、無理だけど。
「俺だってこの後、阿部ちゃんとお泊まりデートするも〜ん!」
張り合うように佐久間もドヤる。
お泊まりデート、ねぇ…
翔太は涼太と、佐久間は阿部ちゃんと一緒に過ごせるんだ…
いいな…2人にはこの後があって…
俺にはないものを2人は持ってる。
ずっとわかってたことなのに、なんだろう、この気持ち……
佐久間も翔太も、何も変わってない。
2年前と、何も変わってないのに…
「………」
俺だけ、置いてかれてる気分だ。
気分が悪い……って言うよりも、居心地が悪いの方が正しいのかな。
「俺、康二に連絡入れとくね〜」
そんなこと言って、俺は2人と距離を置く。
「ん、そうだな!よろしく!!」
「そういや、俺らは康二の連絡先知らないな」
「確かに!ライブ終わったら交換しよ〜」
佐久間と翔太は先に行く。
俺はここで立ち止まる。
いつだってそうだ。
どんなに親しくても、この距離感だけは縮まない。
………俺が、これ以上は近くに行かない。
「………」
もし、家に帰ったときに父さんがいたらどうしよう。
この楽しい時間が、全部泡みたいに消えるんだ。
夢は所詮夢で終わり。
この時間が終わったら、戻るだけ。
いつも通りっていう現実に、戻るだけ。
コメント
4件
そんなイヤなことは、今は忘れとけっ!ふかざぁ先輩💜

お疲れさまです、夢花さん。 第14話、読み終わりました…。 文化祭の楽しさと、深澤くんの静かな孤独がすごく対比的で、胸がぎゅっとなりました。佐久間くんたちの嬉しそうな会話の裏で、ふっかだけが感じている“置いてかれる感”…あの描写がリアルで、ずしんと来ました。 「家に帰ったときに父さんがいたらどうしよう」という一文に、彼の日常が透けて見えて、切なかったです。最後の文化祭の余韻と、この後どうなるんだろうという不安が混ざり合って、次の話が気になります…!
#Snow Man
桃紫 さく🌸
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#Snow Man
fura
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