私が死ねば、私の最愛の人が生き返る。神から教わった。最愛の人は昨晩、死んだ。

家に帰った。ご飯を食べた。昨晩見た死体。血の匂い。飯の味がしなかった。君が昨日、明日食べてねって作ったご飯。寂しくて泣きながら食べた。

そんな時、私は精神科医に行った。医者は言った。

「大切な物を失っても、まだ、希望はある。楽しいことがある。」

私はその言葉に惚れた。そう、「希望はある。」

これが、新しい出会いのきっかけになったのだ。毎日精神科医にいった。

ある日、医者に告白された。医者の名前は佐藤悟さん。私という、存在のことを誇りに思えた。そして医者は言った。

「実は、僕、君の彼氏、そう、君の最愛の人の弟なんだぁ」

通りで顔も似ているわけだ。

佐藤悟の心情の中には裏がある。悟は、兄の邪魔がしたいんだ。兄を生き返らせないために。

けれど、女性のことは愛している。悟が告白した女性の名前は平野美香。そう、悟は美香に、自分だけの女王になってほしいんだ。

美香は、本当に悟のことを愛していた。一緒にいると幸せな存在だった。相談にものってくれる。美香は本気で悟のことを信用していた。信用？していた。

第一話　神の言葉　裏切り