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ダメ男、アメリカに行く

第2話 - プロローグ

2025年07月22日

#第5回テノコン

#ハッピーエンド

#ボイストレーナー

#アメリカ

#勝負

十色

　風が心地良い。

　気温は決して低くないのだが、全くと言っていい程、蒸し暑さを感じない。

　生まれて初めて降り立った海外の地。その事実に心を震わせながら、俺――平良一徳（たいらいっと）は肺いっぱいに空気を送り込んだ。異国の地の空気を。夢にまで見た憧れの地の空気を。

　目の前に広がる光景。それは、イメージしていた通りの、あの憧れたロサンゼルスだ。濃い青の大きな空には、ヤシの木がよく似合う。

　しかし、まさか本当にロサンゼルスまで来られることになるなんて。ほとんど無一文の俺がだぜ？自分でも未だに信じられない。

　だからこそ思う。

　人間に不可能なことなんかないということを。

ダメ男、アメリカに行く

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十色

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