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未亜さんが、何か言いかけたのを、取り敢えず手で止める。
ここは僕が説明した方が、美洋さんに対して説得力があるだろう。
未亜さんには答え合わせをやってもらえばいい。
「何故わかるか。その答えは簡単なんだ。まず美洋さんのお父さんの立場から考えれば、未亜さんに美洋さんの安全をお願いするところまでは、わかると思う。そこまではいいよね」
美洋さんは頷く。
「そして未亜さんはきっと、自分がいる場所が物足りなかった。こことは違う場所で、もっと今と違う事がしたかった。
小学1年だって、それくらいの事を考えている子は珍しくないと思うよ。なまじ頭でっかちだと、周りが全部バカに見えたりするしさ。何を隠そう僕がそうだった。だから自分の事のようにわかるんだ。未亜さんは厨二病という表現を前に使っていたけれどね。
多分その辺まで含めて、未亜さんのお父さんは調べて知っていた。だからこそ、未亜さん自身が絶対に頷くだろう条件を持っていったんだ。
それが、さっき言った契約、そしてお願いなんだ。未亜さん、契約とお願いの違いを一言で」
「義務と任意なのですよ」
キレのいい答えが返ってきた。
「そう。未亜さんにとって、美洋さんの身体警護は義務なんだ。
さて。ここからは、未亜さんの行動から、僕が推理した部分になる。
まず今の未亜さんなら、術で遠隔から監視も護衛も出来る。未亜さん自身の行動に支障なく出来るはずだ。現に野遊び部にまだ未亜さんが入っていなかった頃、狐火を飛ばして美洋さんに支障がないかを確認していたし」
「あの時は、悠を驚かせてしまったのです。その点は申し訳なかったのです」
「そして美洋さんの友達でいるというのは、お願いで任意なんだ。だから断ってもかまわない。別行動を取ったって、術で護衛できていれば、問題ないんだ。
現に今、未亜さんと美洋さんは別のクラスだろ。常に一緒にいて護衛していなければならないなら、美洋さんの学力に合わせてテストの点数を調整すればいい。未亜さんなら、それくらいは簡単に出来るはずだ。
この野遊び部に入ったのもそう。美洋さんと同時に入らなかったのは、自分がこの部に合っているか、色々考えてから、決めようとしたからだ。
つまり未亜さんは、身体警護だけなら離れていても問題なく出来る自信がある。それでも未亜さんが美洋さんと一緒にいるならば。答えは簡単。未亜さん自身が、そうしたいからだ。そう思わないかな、美洋さん」
「そう、なのですか。未亜」
未亜さんは頷く。
「立場とかは別としても私は、美洋という女の子は好きなのですよ。基本的に自分がしたい事に忠実で、直情径行っぽく見えるけれど、実は思いやりが強くて、そのくせ実に素直だったりするところなんて、非常に好みなのです」
「という事を、僕はさっき確認したんだ。『未亜さんは少なくとも今は、自分の意志でこの場所にいるんだね』って」
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