部屋の時計は、もうすぐ日付が変わる頃。
めめから「熱っぽい」ってLINEがきて、 俺はすぐに電話をかけた。
🧡「めめ!大丈夫か?」
🖤『……しんど…頭、ガンガンする』
スマホ越しに聞こえた枯れた声。
普段どれだけ無敵なのかってくらい健康体のめめが、まさかの発熱。
🧡「めめぇ…死なんといてぇ」
🖤『…勝手に殺さないで…』
🧡「ごめんやん。ほんま大丈夫?」
🖤『うん、寝たら治るよ』
🧡「はいはい。黙って待っててな。すぐ行くから」
そう言って、俺はスウェット姿で玄関を出た。
近所の24時間営業のドラッグストアで薬やスポドリ、冷えピタを買い込んで、合鍵でめめの家に入る。
🧡「……勝手にきてごめんな」
袋を手にリビングに入り、めめの寝室に行った。
コンコン。
🧡「めめ、薬とか持ってきたで、起きてる?」
そう言いながら部屋に入ると、ぐったりとしてるめめはうっすら目を開けた。
🖤「……康二」
🧡「あ、起きた。よかった〜。顔、真っ赤やん……。熱測った?」
🖤「…38.9……」
🧡「うわ、高っ!それはしんどいわ……。ほら、薬飲んで冷えピタ貼ろ」
俺は急いで、薬と冷えピタの箱を開けて用意した。
🧡「今日は遅いし、明日ちゃんと病院行こな」
そう言いながら俺はめめに薬を飲ませ、額に冷えピタを貼ろうとすると、めめはぼんやり見つめたまま、呟いた。
🖤「……ねぇ、名前で呼んで」
🧡「え?」
🖤「…いつも、めめだけど、たまには”蓮”って……呼んでよ」
熱のせいなんか、普段のめめからは想像できないくらい弱々しくて甘えた声だった。
🧡「……なにそれ、可愛ええな。」
🖤「呼んで」
🧡「ははっ……ええよ。蓮 」
俺は、蓮の額に冷えピタを貼りながら、そっと頬に触れた。
🧡「蓮、早く元気なってや」
俺がそう言って、優しく頬を撫でたその手を、蓮がふいに掴んだ。
🖤「……康二」
🧡「ん?」
🖤「……来て。こっち」
🧡「どしたん?」
俺の手をぐいっと引いて、蓮は自分の胸元に抱き寄せた。
🧡「ちょ、びっくりするわ!どしたん?」
🖤「今……康二に触れたい」
🧡「あかんよ!熱あるねんで」
🖤「でも……我慢できないかも。康二、かわいすぎ」
俺が抵抗しようとした瞬間、蓮の手が首筋に添えられ、唇が触れそうな距離まで迫る。
でもその寸前で蓮はふっと力を抜いて、微笑んだ。
🖤「……冗談。今日は我慢しとく」
🧡「……っ、このアホ……っ」
俺は軽く蓮をしばき、熱くなっている頬を隠した。
🖤「これで、うつっちゃたらいやだし……」
蓮はぼそっと、また呟く。
🖤「……元気になったら覚悟しといて…」
その言葉に俺は小さく笑って、顔を覗き込んだ。
🧡「…うん。ちゃんと元気になってから、な」
🖤「ほんと、ずるいな……」
🧡「はいはい。元気になるにはちゃんと寝るんが大事やで蓮くん♡子守唄歌ってあげるよ」
🖤「…あ、大丈夫です。ちゃんと寝るので…… 」
🧡「えぇ、遠慮しなくてええよ〜」
🖤「ほんと、大丈夫……静かに寝かせてください…」
普段は自分から甘えるばかりだったけど、甘えられるのも良いなって思えた。
コメント
7件
かわいかったー
「めめ、死なんといてぇ」と「勝手に○さないで」のやり取りかわいすぎん?