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Eliminator～ｴﾘﾐﾈ-ﾀ-

第106話 - 第106話　七の罪状　～前編23　ネット中継

2025年06月14日

#復讐

#殺人

#SF

#グロテスク

#長編

七雪

――恐らく誰もが固唾を呑んで見守る中、予定の時刻が訪れた。

一分、二分が経過。しかし何も起こらない。配信も始まらない。

“ガセ情報だったのか？”

そう気が緩んだ瞬間だった。

局内の特設コーナーに設けられた卓上画面。これに配信を放映する手筈だったろう。

だが違った。映し出されたのは、画面内ではなく画面外。

彼等――『ネオ･ジェネシス』は局内にて、その姿を現していたのだ。

『…………は？』

その姿に唖然――ただ唖然。

突然“人が現れた”のだから無理もない。

「奴等……分子配列相移転で来やがった」

画面を見ていた時雨が、驚愕の呟きを漏らす。

つまりは全国に“裏”の力が披露された事になる。

現れたのは素顔が伺えぬ、純白のフードを纏った三人。

「エンペラー……」

それは紛れもなくネオ･ジェネシス――『三柱神』。コード『エンペラー』、『チャリオット』、『ハイエロファント』の三名に違いなかった。

「これ、ちょっとまずいかも～」

『凄まじい炎上振りだな……』

携帯で巨大掲示板をチェックしている悠莉が、ジュウベエと共に今の現状に難色を示す。

如何ともし難い表情で見詰める、そのディスプレイの先は――

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932:名無しさん 05/24(土) 09:03

えっ？

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933:名無しさん 05/24(土) 09:03

トリック？

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934:名無しさん 05/24(土) 09:03

ちょっwww

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935:名無しさん 05/24(土) 09:03

マジすかwww

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936:名無しさん 05/24(土) 09:03

やらせじゃねーのこれ？

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937:名無しさん 05/24(土) 09:03

白っＷ

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938:名無しさん 05/24(土) 09:03

パネェwww

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939:名無しさん 05/24(土) 09:03

マトリックスwww

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940:名無しさん 05/24(土) 09:03

白いアル〇イダかＷＷＷ

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941:名無しさん 05/24(土) 09:03

壮大な釣り臭がＷ

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942:名無しさん 05/24(土) 09:03

やべぇよこれwww

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＊

「――こりゃあ、もう引っ込みが付かねえな。奴等の場所は分かったんだ。乗り込むか？」

炎上を横目に時雨が提案。それは『ネオ･ジェネシス』の面々が現れた局内に、此方も出向く事。

「馬鹿言わないでください！　私達まで公にしてどうするんですか？　何故彼等が公共の場に出向いたのか、それを考えてください」

だが琉月は即座にそれを否定。

「じょ、冗談だって！　とはいえ、ここで黙って見てるのも癪だなぁ……」

それもそうだろう。時雨も分かっていて言った筈。

これ以上、裏の存在が表の場に出る事は許されない。『ネオ･ジェネシス』は彼等が手出し出来ないと分かって、敢えて公共の場に姿を現しているのだ。勿論、目的は他にあるだろうが、今彼等に出来る事は『黙って見届ける』――これ以外に無い。上からの指示が無い限り。

『突然の事で驚かせて済まないね、国民の皆さん。折角なので、この場をお借りする事にした』

液晶からは白いフードの人物が口を開く。声帯から『エンペラー』だ。

「野郎……」

動けない立場からか、テレビの前では歯軋りが聞こえる。

『既に周知の事だとは思うが、ワシントンD･Cを襲った災害。表しか知らない君達には信じられないだろうが、あれは私達『ネオ･ジェネシス』の手に依るもの』

エンペラーは公共の場でそう、明言していた。

“何故このようなテロ行為を？　目的は？”

『勘違いしている者も多いが、これはテロでもクーデターでも無い。浄化だよ。君達は不思議に思った事はないかい？　世の不条理をね。生まれながらにある貧困の差。内戦、略奪。人の世はその愚かな繰り返し。これまでも……そしてこれからもね。なら救いようのない、人の世に残された道は何だろう。そう――人は、世の中は根本から変わる必要があるのだよ。私達『ネオ･ジェネシス』はその道標。私達は世界を変える為、此所に来た』

“いっ……言ってる意味が。それに破壊行為とそれらに何の関係が？”

『良い質問だね。そもそも平等で在るべき世に、国家なんて物は必要無いんだよ。法によって秩序が保たれる――と、本当にそう思っているのかい？　今の世は欠陥だらけだよ。それはこれから起こる“未来”が証明している……。だが私は諦めない。必ずや誰もが安心して暮らし、貧困も争いも無い真の理想郷を築いてみせる。その為には古き柵は必要無い。これは新たな世の為の、意味の有る破壊なのだよ。まあ君達には私の言ってる事が理解出来ないだろうとは思う。だがきっとこの意味が分かる時が来る――』

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「どうかしてんぜコイツ……。質の悪い教祖みてえだ。つまり何だ、新しい世に不要なものは――」

“排除及び、破壊”

テレビ前の時雨が吐き捨てたのも当然。一見、理は叶ってそうにも思えるが、とどのつまり不要な物は要らないとエンペラーは公に宣言しているのだ。

「つまり――洗脳か。それも世界的規模のな」

「そんな事は絶対に許せません。力によって真の理想郷など有り得ない」

薊と琉月もそう。賛同する筈が無い。

「でも……ネットでの評判、悪くないみたい」

巨大掲示板の動向をチェックしている悠莉が口を挟んだ。皆が釣られるように液晶を覗き込む。

現在、動向では評判は悪くない処か――

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745:名無しさん 05/24(土) 09:21