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岩本side


照「よし…、行くか。」


仕事も終わり、ふっかの家に着いた。

そっとチャイムの音を鳴らしてみたけど無反応で心配が募っていく。

少しだけの期待を込めてドアノブに手をかけると、案外すんなりとドアは開いた。


照「……不用心すぎ。ふっか〜入るよ〜。」


靴を脱いで廊下を渡る。

ふっかの事だからリビングのソファで突っ伏して寝てたりするだろうと、リビングを一周見渡してみても姿は見当たらない。


照「あれ、…寝室…?」


寝室に続くドアに手をかけて軽く押した。

その時、少しの違和感を感じてドアを支える手に力を込める。

向こうから押し返されてるような、開かないようになっているような、そんな感覚。


照「…ふっか〜…?」


返事はない。


もう一度ドアを軽く押してみると、バサッと何かが床に落ちるような音がした。

今考えうる1番嫌な予感がよぎった。


照「ふっか!!!」


ドアを開けて中を覗き込むと、そこには床に倒れ込む元恋人の姿があった。


照「ふっか、ふっか!」焦


駆け寄り体を少し起こすと「ん…。」と、ふっかから小さな声がもれた。


照「ごめん、ちょっと痛いかもだけど。」


ふっかの背中と脚にそっと両手を回してゆっくりと持ち上げる。相変わらず体が軽くて心配になる。


照「よい…しょっ…と。」


ベッドに寝かせて布団を被せる。

幸い呼吸も安定しているし、体もそこまで熱くない。

何かゼリーでも買いに行こうと立ち上がろうとした時、枕の横に放り投げられたスマホの画面が目に入った。

持ち上げて見てみると、開かれていたのは俺とふっかのトーク画面。


照「見ててくれたのかな…。」


スマホを戻そうと持ち替えたとき、指が画面に触れてしまった。


照「やっ…べ。」


何か変なことを送っていたらどうしようと画面を確認する。見てみると、打ちかけのメッセージ欄とキーボードが出ていた。


照「『あ』…?」


1文字だけ打たれていて何を送ろうとしたのかよく分からなかったけれど、キーボードの上に出てくる予測変換を見てみるとすぐにわかった。


『会いたい』


付き合っていた時、よく送られてきていた言葉。


今になって気づく。


ふっかは何度も俺に会いたいって伝えてくれて居たのに、忙しいだとか疲れてるからだとかを理由にほとんどをスルーしていたのは俺の方だ。


照「こんなの…振られて当然だ。」


ふっかの俺に対する愛情はそんなものだったのか。とか、好きじゃなかったのか。とか、そんなことを考えていた自分が一瞬にして馬鹿になる。


ふっかは俺のことを愛してくれていた、何回も何回も好きだ好きだと伝えてくれて、俺もその度に嬉しくって、それを求めた。

実際どうだろう、ふっかに愛情を求めていた俺は、ふっかに対して愛を伝えていただろうか。

いや、変に理由をつけて軽く受け流して自分は受け取るだけ受け取って何も返していない。


照「ごめん…ふっか……。」泣


別れたいと思って当然だということに気づいて涙が止まらない。

どれだけ愛を伝えても、両思いのはずなのに帰ってくるのは受け流す言葉とほんの少しの愛だけ。

どんなに辛かっただろうと、考えれば考えるほど反省と後悔が雪のように降り積もる。


眠るふっかの手を力強く握りしめて布団に顔を埋めて、俺はそのまま眠りについた。




to be continued…

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コメント

4

ユーザー

続きがもっと読みたいです🥺

ユーザー

やばこれガチすき、続き楽しみにしてます。無理しないでください♪

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