テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
今は午前の3時ごろ。
パソコンの前に座ったまつりはヘッドフォンをつけてアプリを起動させる。
「SHUT DOWNへようこそ。チャットへ記入しますか?」
と現れた選択肢に「YES」をクリック。
そこには、深夜にしかない秘密の場所があった。
「お待たせー。宿題終わらんくてさ。」まつりはしゃべった。
SHUT DOWNはごく普通のチャット機能と言うわけではない。
アメリカへ留学してプログラミングを勉強した咲苗が作った専用のソフトであり、チャットと音声でのビデオ通話が同時にできる便利なアプリ。
現在右下に描いてあるアカウントは全部で四つ。
その全てがオンラインと書かれて光っている。
「今日そこまで苦戦する宿題なんてあった?」咲苗の声が聞こえた。
咲苗のアカウント「SAKIYU」のアイコンにマイクのマークが付いてた。
だが、音が検出された後はすぐに消えた。
「あったよー、数学の。期末試験も近いし、ちょっとハードル上げてきたんでしょ。」別のアカウントに「SUZU」と書かれたアカウントのアイコンにもマイクがついてしゃべった。
「お前ら2人とも数学くらい克服しろよ?受験が遠い未来になるぜ?」最後にもう一つのアカウント「MAO」のアイコンにマイクがついた。
「というか、なんでこんな深夜に集まるの?」まつりは咲苗に聞いた。
「私と真央は親が厳しいからねー。よる遅くにしか時間取れないのよ。」咲苗はため息をついた。
「お前自身のことはともかく、なんで俺のことも知ってるんだ?」真央は聞いた。
「自分から説明したのに何言ってるの?」咲苗は吐いた。
「そーでしたっけねー?」真央は棒で答えた。
「ああんもう学校だけじゃなくてここでも喧嘩しないでよ!」鈴之助は叫んで場は静まった。
このパターンが普通の毎日。真央と咲苗が喧嘩しては、まつりと鈴之助が落ち着けようとする。
「ねえちょっと話変わるんだけどさ。」まつりはしゃべった。
「明日転校生くるの知ってる?」
3人は少し声を漏らした。
「聞いてない。」と、咲苗。
「聞いてないけど。」と、鈴之助。
「聞いてねぇよ。」と、真央。
「それどこから?」鈴之助はまつりに聞いた。
「律。」まつりは答える。
「なんであいつは知ってるんだよ。」真央は嫌味を吐いた。
「何もかもネガティブに言い過ぎなのよ。思春期に出るあの男女での決闘のばちばちに私らが参加してないからでしょ?」咲苗は言う。
「そう言う真央も鈴之助が来るまでは男子らと一緒にいたでしょ?」まつりは促す。
「あぁ?」真央が怒りで声を出すとすぐにまつりがオフラインになってアカウントの色が薄れた。
「何やってんのよ。」咲苗に聞かれる。
「あいつの勝手だろ。」真央は答えた。
「ねえもうこれ作業全然できてないじゃん。」鈴之助は本題に戻そうと思いチャットに音声ファイルを送った。
「あ、D3のところテンポ早くなってる。じゃあここは歌詞も早口にしてリズム合わせよう。元々ある歌詞を0.5倍速にしてどれくらいの隙間ができそう?」咲苗は別のサイトの文書ファイルを見る。
「0.5倍速だったら3、4くらいだね。」
「じゃあそこは『他人に揺られず走り出せ』で入れといて。」咲苗は書き込んでそういった。
「わかった。真央の方はMV終わりそう?」鈴之助は話を振った。
「そこ合わせるんなら文字ごと回転させればいいと思うんだが、やり方どうすんだ?」真央は聞いた。
「じゃあ文字回転しながら四角を作るように歌詞入れればいいじゃん。大小でフォント分けて。」咲苗は提案する。
「お前に聞いてねぇよ。」真央は短く切った。
「じゃあ誰に聞いてんのよ。」咲苗は聞き返す。
「まつり。」真央は答える。
「もうでてったわよ!あんたのせいでね!」咲苗はカッとした。
コメント
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第3話、読み終えました。深夜のチャットルーム「SHUT DOWN」、いいですね。4人の声がそれぞれ違ってて、特に真央のツンデレ感と咲苗の真っ向からの反応に思わず笑いました。転校生の話題で一気に空気が変わったのも気になるし、音楽制作のやりとりからは普段の仲良しさが伝わってきてほっこりします。まつりがオフラインになった場面、ちょっと切なかったけど、そこも含めてリアルな友だち関係だなと。続きがすごく気になります!
煙
108
284
はるねこ
733