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ゆうクロ。
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#雑談!
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「はぁ………」 朝倉君は、今日も来ない。
前に、わたしが図書館に居る時、たまたま本を借りにきた朝倉君と、少しお喋りをした。朝倉君はとても優しくて、話しやすい人だった。
それからというもの、私は図書館に居る時ずっと、朝倉君がまた来るんじゃないかって期待していた。
端的に言うと、わたしは朝倉君に恋をしてしまったのだ。
誰にでも、こんなわたしにでも優しい、朝倉君の優しさに惹かれてしまった。
けれど、朝倉君は今日も来ない。
運動部で、スポーツ万能の朝倉君は、外で運動してる事が多いから、図書館に来る事は少ないのかもしれない。
普段は来ない朝倉君が来てくれたら……、と思っていたら、昨日は普段来ない女の子が来た。
わたしをしばらく見つめて、何を借りるでもなく帰っていった。何をしにきたんだろう、見つめてくれるのが朝倉君だったら良かったのに。
そんな事を思っていると、ドアが開く音がした。誰だろう? またあの女の子かな? と思って、ドアの方を見ると、そこに居たのは想い続けていた朝倉君だった。
(会いに来てくれた!)と一瞬だけ思って、慌てて考えを振り切った。
朝倉君に対する気持ちは、こっちが一方的に持っているだけだし、誰にでも優しいから、わたしにも優しいだけだ。期待したら後で辛い。
案の定、朝倉君は司書さんの方へ向かっている。図書館を利用する用事があって来ただけらしい。
期待しないで良かった。そう心の中で呟いて、読書に戻ろうとしたら、司書さんがなぜかこっちを指さして、朝倉君がこっちにやって来る。
「あの……、隣、いいかな」
「は、はい!」
話かけられるとは思ってなくて、それどころか、隣に座っていいかとまで聞かれて、思わず、素っ頓狂な声が出しながら、本をバタンと閉じた。
図書館で出していい音量じゃない。他に利用者の居ないタイミングで、本当に良かった。
「もしかして、隣は迷惑だった……?」
「いえっ、そんなことはっ!!」
少し申し訳なさそうに言った朝倉君に、突き出した両手をバタバタさせながら、全力で否定する。
わたしがびっくりして、大きな声を出したから、嫌がってるのかと思われたのかもしれないけど、むしろ嬉しいから、ずっと隣に居てほしい。
「小鳥遊さん……だよね?」
「はっ……はい!」
私の名前を知ってくれていた嬉しさと、急に話しかけられた恥ずかしさで、思わず顔が熱くなる。
クラスも違うし、こっちから、名前を言ったことは無いのに。
「知ってくれてたんですね……名前」
顔も耳も熱くて、心臓の鼓動も早くなり、背中には汗が流れるのが分かった。
なんでもない言葉を出すだけでも、半ばやぶれかぶれの状態だ。
私は必死だが、朝倉君は、ちょっと照れたような、困ったような顔をして、頭を掻いたりしている。
「実は……、この前まで、小鳥遊さんの名前は知らなかったんだ」
歯を見せてはにかむ朝倉君。その顔が可愛らしくて、私まで笑顔になる。
「友達に教えて貰ったんだ。その友達に、小鳥遊このみさんって人が、俺と仲良くなりたいみたいだって」
「そうなんですね……。ふふっ」
さっきまで、あんなに緊張していたのに、
彼が笑うから、私も笑顔になってしまった。
でも、そのお友達は、どうして私が朝倉君を好きな事を知ってるんだろう。誰にも言ったこと無いんだけど。私って、そんなに分かりやすいのかな?
「あの、朝倉君って_____
***********
「あっ! もうこんな時間!」
楽しい時間は、あっという間。気付けば、辺りは夕暮れ。オレンジ色に染まった空と、合唱を始めたカラスを見て、現実が戻ってきた。
「本当だ。小鳥遊さん、良かったら、またお喋りしない?」
「はい、是非」
朝倉君からのお誘いに、肯定を返す。
ちゃんとお喋りしたのは今日だけだけど、私が一方的想ってるだけじゃなくて、お友達くらいにはなれたはず。
朝倉君が、『また』と誘ってくれたって事は、きっと向こうも友達だと認識してくれてるはず。
「それじゃあまた、明日」
手を振りながら、先に去っていく朝倉君。明日また会えるのか、明日も会えるのかな、明日も会いたい。というより、明日も図書館に行けばいいのか。
お喋りするだけでも嬉しいけど、『またここで』って言うのは、デートの約束のようで、余計に嬉しい。
「あ、ちょっと待って、朝倉君」
「ん? どうしたの」
朝倉君とお喋り出来て、とっても楽しかった。そのお膳立てをしてくれたっていう、その人に感謝を伝えたい。
「私の事を、朝倉君に教えてくれたお友達って、誰ですか? お礼が言いたいんです」
朝倉君は、親切だし、友達も多いから、きっと仲の良い男子が教えてくれたんだと思う。
教室の隅で、男子が集まってワイワイと話している中で、わたしの話題が出て『翔太、会いに行ってやれよ』なんて話している場面が、ありありと想像できてしまう。
「ああ、それなら俺と同じクラスの佐伯佳奈さんが教えてくれたんだ。ちょっと変わった人だけど、すごく親切なんだよ」
(えっ、女の子?)
てっきり、男の子同士の話なのかと思っていたのに、女の子の名前が出てきたから、驚いて、声が詰まってしまった。まさか、カナって名前の男の子? 朝倉君が『さん』付けしてたから女の子だよね?
「そ、そうなんですね……。ありがとうございました」
「うん、それじゃあ、またね」
困惑した私を見て、朝倉君も首を傾げながら、改めて去っていく。
朝倉君とお喋り出来るなら、自分のアピールをするものだと思っていたけど、他の娘との仲を取り持ってくれるなんて、どんな人なんだろう。
あ、ちょっと変わった人って言ってたのは、そういう事なのかな?
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