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「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?グレンさん!私ガス欠なんで頼みますよぉ!?」
「MP無しでも何とかするって息巻いてたやつはどこのどいつだ?」
「だってまさかこんなにいるとは思わないじゃないですか!?」
私ことプリンセス、愛称プリンは森林エリアにスポーンしたのだがそこは変な遺跡の上で初狩りをいなしてたら化け物クラスのプレイヤーの一人『グレン』さんと勝負をするも収縮に追われるはめになり一時休戦してその範囲内に向かってる最中なのだが、派手に戦闘したせいで漁夫の利を狙う奴らが手負いの私らを狙って来ているのが現状である。ちなみにまだみんな10ポイントのはずだから私らを狙う理由が全くもって思いつかないのだが…
「…私らが狙われる理由が気になるのか?」
「ふぇ!?な、なんでそれがわかったの!?」
「私もなんで自分が狙われてるのか考えてたからだ。」
「そ、それで?狙われる理由は?」
「まずひとつはあれだけドンパチやっていたから居場所がバレていること。そしてそれ故に手負いだと判断されたから。」
「まぁ、その説が濃厚だろうなぁ。」
「他の理由も考えられる。」
「他の理由?」
「自惚れるなと言われても仕方ないが私はとあるギルドの長をやらせてもらっていてな?そこの長をどんな手段でアレ倒したとしたら話題になるだろ?」
「まぁ、そうだろうねぇ。テレビとか新聞みたいに『報道しない自由』を使えばグレンを倒したという結果だけを切り取って大々的に言えるもんね。」
「あんたも大概話題になるぞ?」
「ふぇ?」
「名前を聞いて思い出したがお前例の東門のクマを素手でなぶり殺したイカレ初心者だろ?」
「…ッス〜。ま、まぁ……そう…ですね?」
「そんな狂人を倒したっていうのもまた話題になるからな。」
「つまるところ有名人をボコして注目を集めようとしてる陰キャがいっぱい居て、そのターゲットに私らはめでたく選ばれたってわけね。」
「少し…いや、だいぶ口が悪いがそういう事だ。」
「じゃあなおのことこんなヤツらに負けたくはないんだけど。 」
「そう思うならあんたしっかり活躍してくれよ?」
「MPがカツカツだから無理。ポーションとか持ってない?」
「先程までやり合ってた相手によくもまぁそんなことを頼めるな?」
「今は仲間じゃん?」
「あったとしてもこの状況で飲めるわけはないけどね。」
そんな会話をしながら向かい来る参加者を吹き飛ばしながら進軍するグレンと魔力が無くなり試作品達を振るえずひたすら攻撃を避けたり何故か…”何故か”【剣術】よりも【拳術】の方が高いので拳で相手をし人を盾として扱いながら何とか逃げていた。
「……あんた意外と非道なことするのね。」
「やられる結果は変わらないから良し!」
「…これ以上あんたによる被害を出さないために早くこの場を抜けるか。」
「残機無制限バトロワなんだから変わらないって別に…。」
「第一収縮に飲まれたら多分復活できないからそれを逆手にとって彼らを楽にしてあげるよ。 」
「それって私よりも酷いことでは?」
「いいから私の背に捕まって!」
「アッハイ。 」
言われるがままグレンの背中に捕まりそれを確認したグレンが持っていた大剣に一気に炎を纏わせて地面を叩き切る。瞬間纏った炎だ辺り一面に広がり森が大火事に変わる。その結果木の上に潜んでいた狩人や盗賊に火が燃え移りてんやわんやな地獄みたいな空間が出来上がった。
「意図的な火災は罪が重いですよぉ?」
「ゲームとリアルを混同するな。」
そう言いながら再び大剣に炎を纏わせ今度は進行方向とは逆を向いたかと思えば、再びその大剣を振るう。そこで発生した爆風を利用して一気に加速し初狩りや有名人キラー達を躱してセーフゾーンまで飛んでいく。速度をあげるためかある程度勢いづいてきたら進行方向を向いて大剣を消して風の抵抗を最小限に抑えるために気をつけの姿勢で飛んでいく。速度も十分出てるため背中に捕まる私は顔をあげれずずっと下を向いていた。
そして速度が落ちてきて前を見れるようになった頃には【森林エリア】を抜けて【海岸エリア】まで来ていたようだった。
「ほら、私の背中から離れてくれ。」
「人間ミサイルみたいにぶっ飛ぶんすね。」
「アレはその場の思いつきでやってみた技だ。上手くいくもんだな。」
「初めてやる技を他の人の命もかかってる場面で試さないで貰えます?」
「やられる瞬間がその時かあとかの違いだから関係ない、だろ?」
「いやまぁ…そうですけど。」
「今無事からとりあえずそれでいいだろ。」
「納得いかねぇ……。」
「それじゃあさっきの続きをやりたいところだが、完全じゃないんだもんなお前?」
「ステ振り的に魔力強化してないんですぐ底尽きるんですよね。ていう訳で完全な私とやりたい場合は待ってもらうか一旦私を倒してください。そうすれば体力とかも回復してるでしょうし…。」
「はぁ…。今回はもうお前とはやらん。一旦イベントを楽しむ方にシフトチェンジする。が、今度サシでやり合ってもらう約束だけはさせてもらうがそれでいいか?」
「それで納得してくださるのならそれで。」
「それじゃあイベント中はフレンド交換はできないから終わったらフレ交換してそこでサシバトルな。」
「分かりました。それでは頑張ってくださいグレンさ〜ん。」
「お前も変なのに負けるなよ?」
イベント終了後にまさかのタイマンをやる事になったがとりあえず初狩りの危機からは逃れられたので良しとしよう。
んで、この後現時点でのTOP10が発表されるはずだからそれを狙いに行く形が手っ取り早く上位に食い込める戦法だよな。
『第一収縮が終わったのでここで現在の順位を発表するのだ!』
ちょうど良くドランがアナウンスを始めたのでメニューからランキングボードを確認する。
『一位は【閃光】と言う名を持つにふさわしい戦績のヒカル選手なのだ!この時点で既に100人近くを倒してポイントがウマウマだぞぉぉ!?
二位は平原で巨大イノシシに乗って大暴れしていた**ベルノ選手!**彼女も70人程引いて倒しているから子供みたいな見た目だからって侮れないのだ!
三位は海岸エリアでただ釣りしてただけに見えた**ゴザル選手!**以外にも60人程倒してるみたいだが一体いつ倒したのだ!?
四位は……』
やっぱりまともにやってる人はそこそこ倒してるよなぁ。私は追われてたし武器も使えてないからほとんどいなして倒してないんだよなぁ。
『………八位は狙われていたにも関わらず襲う人々をなぎ倒して進んできた**グレン選手!**40人ほど倒して見事ランクインです!
九位は手堅い動きで安定した戦闘をするマキト選手!その大盾は相手の攻撃を受け付けず、その大盾の重みは並大抵の鎧を砕いで潰す!30人ほど倒して見事ランクインなのだ!
そしてラストの第十位は、初心者とは思えないその動きで相手を瞬殺!更にグレン選手と対等に渡り合い、挙句の果てには自身を狙う参加者を殴る蹴る盾にするなどをしてスコアを稼いだダークホースプリンセス選手!こんなにも名前は可愛らしいのにやることは姫から離れた蛮族なのだ!ちなみに20人ほど倒してのランクインなのだ!
以上が現時点のTOP10で、これからこの先のラウンドはTOP10にいる人達を倒すとその人が持ってるポイント分点数になるのだ!一発逆転を狙うなら早めの方がいいかもしれないのだ!?それでは第二収縮完了まで楽しむのだ!』
…………えぇ?私TOP10に入ったんだ。あー、そっかぁ…。うん。そっかー……。
「グレンさぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!平和条約結んで私を助けてくださぁぁい!」
グレンとは既に別れているため彼女の悲痛な叫びが【海岸エリア】に木霊する。波乱の予感がするラウンド2が今始まるのだ…。