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第一収縮を終えドランからの中間発表を確認する。そしてそこで今土に埋めて犬神家をやらせてるクソガキがまさかの二位であることに衝撃を受けつつ、それ以上にプリンがまたトラブルに巻き込まれつつこれもまたTOP10に入ってることに衝撃を覚える。
『うぉぉぉぉぉ!!?私TOP10に入ってるぞぉ!』
「でも今土に埋まってるから何も出来ずにやられるだろうけどな」
『じゃあ出せよ!クソ魔法使い!! 』
「なんなら今私がぶっ飛ばせばポイントウハウハじゃん。」
『うぉい!?やっぱり汚い!魔法使いってやつはやっぱりクソ野郎なんだァ!!』
「まぁ、もうお前にそんな価値ないから助けてやるけどな。」
ジタバタする足をしっかりつかみ上に引っこ抜く。口に土が入ったのか唾をコチラに吐いてくるので容赦なくそのまま地面に叩きつけてやった。
「ふぐぅぁ!!?」
「反撃方法がガキなんだよバカが。」
「いいだろこれくらいやり返したって!」
「もっかい土に埋まるか?」
「本当にスンマセンでした。」
「はぁ…。で?あんたこれからどうするの?この後あんたを狙うやついっぱい来るぞ?」
「でも私最強だよ?」
「私に負けてる時点でそれはダウト。」
「なんだとぉ?」
「それに私とやりあったから魔力スカスカだろ?」
「うぐっ…そ、それは……。」
「もっといえばこの後お友達を探しに行く予定なんだろ?」
「そ、それはそう…だけど……。」
「てことで、私から一つ提案。あんたのお友達を探す手伝いする代わりにアンタの特技を使って私の『足』になってくれ。」
「お前の足になんてなれないぞ私?それにお前足あるじゃん。」
容赦なく頭を引っぱたくミーシャと、叩かれてうずくまり涙目になりながら上目遣いでこちらを見るベルノ。
「私の足というのは比喩だ比喩。要はお前の魔物使いとしてのスキルでイノシシ出して移動を楽させろって話だ。」
「なんで私が……。」
「もっかい埋まるか?」
「喜んでやらせてもらいます!」
「よし!それじゃあその契約で行こう。私の目的のひとつ、プリンを倒すっていうことをやるためにもね。」
(この人怖い………。)
TOP10入りしてしまったプリンセスことプリンという名を持つ私は追われる身になったので同じ境遇にいるグレンさんを探して海岸エリアを探索することになってるのだが…。
「魔力は事前に買ってたマナポーションで回復できるとは言えそれ自体が金欠な私からすれば大きい出費。故に、使わないに越したことはないんだけど、試作品達は魔力使うからなぁ……。」
「んぁ?アンタこんなとこでなにしてんの?」
「うぉぁ!?いきなり背後から話しかけないで貰えます!?びっくりしちゃうから!」
「あー、悪いねぇ。とはいえアンタも独り言が大きいからいやでも聞こえるし気になっちゃうからさ。」
「それはまぁ…すんません。」
「アンタTOP10入りした人か?」
「そうですねぇ…。出来ればこのタイミングでは入りたくなかったんですけど…。」
「俺も気が付いたらTOP10に入ってたんだが、そのせいで狙われるようになったじゃん?」
「まぁポイントが美味しいですからね」
「でも、俺はまだ戦闘をしたくなくて釣りしてたんだけどアンタも狙われたくないんだろ?」
「可能であれば平穏に暮らしたいんだよね」
「んじゃ一旦俺と組もうや。」
「え?」
「自分で言うのもあれだけど、俺気が付かぬ間にかなりの数を倒してる実力者だし心配ねぇだろ?」
「無意識下で倒してるとか心配超えて恐怖でしかないんですけどね?」
「ま、とにかくお互い今はゆる〜く生きたい訳だし悪くねぇ案だろ?」
「まぁ……そうね。」
「んじゃそれで決まりだな。俺はゴザルって言うんだ。アンタは?」
「フルネームはプリンセス。周りからはプリンって愛称で呼ばれてるわ。」
「なら俺もプリンと呼ぼう。それじゃあ立ち話もなんだし俺の見つけた釣り場で釣りしながら少し話そうや。」
「は、はい…。」
(この人三位の人だよね?にしては覇気とかは感じられないんだけど…。でも三位に登り詰めてるんだから確実に実力者よな?世の中変な人もいるもんだなぁ……。)
言われるがままゴザルという人物の後ろを着いて歩く。名前的に語尾にござるとか付けるもんだと思ったら別にそうでもなくただかったるい感じで喋る気のいい兄ちゃんって感じが第一印象ではある。
背丈は私よりも少し大きいくらいだから多分170なんぼって感じで装備は深緑とか黒とかとにかく暗めのカラーリングにこだわってるみたいだけど布製品で防御力はそんなに高くなさそうな雰囲気がある。武器は腰にたずさえてる短剣と左腕についてる小さなクロスボウみたいな武器のみ。『暗殺者』とかいう職業でもあったのかな?にしても真正面からやり合ったら射程で負けそうな武器使ってるよなぁ…。そんな人なのにスコアで言えば三位に立ててるんだから何かしら秀でたものがあるのかもしれない。素人の私にはわからんわ。
「…この辺が釣り場にピッタリなんだ。」
「思ってたより波が静かなんすねぇ。てっきり収縮円のアレでもっと荒い波だと思ってたんだけど…。」
「あれは単純に島の外側が崩れてるだけだから天候には左右されないよ。」
「収縮円ってそんな感じなんだ…。」
「それじゃあ釣りでもしながら時間を潰そうか。」
「一応私らTOP10に入ってるんですけど、危機感無さすぎじゃないです?」
「襲われた時に考えればいいんよそんなの」
「えぇ……。」