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別れさせ屋について調べている間に、天魔についてAIに調べさせた結果が出た。
AI回答:
調査の結果、「別れさせ屋『天魔』」という名称の“公式サイト/会社情報”に直結する信頼できる公開情報は、こちらの環境だと特定できませんでした。
(「天魔」で検索するとゲーム・アニメ・地名(天満)・ドラマ等が大量に混ざってしまい、別れさせ屋としての固有情報が出てこない状態です)
……だめか。
仕方ないので、つぶやきXやインフォトグラムのようなSNSを覗いてみた。伝説に尾ひれがついているからなのか、投稿は無作為で、画像はなにもヒットしない。顔や年齢など、なにもわからなかった。
(名前がこれだけ有名なんだから、なにかヒントはあるはず)
そうだ。裏垢界隈ならもっと情報があるかもしれない。SNSはAIリサーチには不向きだから、自分で検索してみよう。
現在、私がフォローしているのは浮気や不倫を匂わせる愚痴や自虐を吐くアカウントばかり。その中に理咲のアカウントも含まれている。だからこそ彼女と相互フォローをすることができた。AIに自虐不倫ネタを書かせて、自動でつぶやかせているから。
私がフォローしている人たちは、自分がいかに不倫し、それを愉しんでいるか、という内容を披露し合うのが目的のアカウントが多い。だから理咲もあんなスクショを投稿したんだ。いくら24時間で消えるとはいえ、一度ネットにあげた情報は永久的に残るというのに。
私なら、ぜったい証拠は残さない。
胸の内は明かさず、水面下で少しずつ背後に回り込み、気が付かないように喉元にナイフを突きつける。その方が恐怖もダメージも大きいでしょ。
『#天魔』『#別れさせ屋』――ハッシュタグを打ち込み、検索をかけてみると、次々とヒットする俗悪なつぶやきや噂話。
裏垢女子たちの赤裸々な投稿に混じって、目的の単語が含まれる断片や投稿を必死に拾い上げる。想像以上に天魔のキーワードが入った投稿記事が多かった。
ざっとコピーしてAIで洗い出してみる。でも、なかなかうまく拾えない。
仕方がないので、スクロールしながら無数の文章を流し読みする。
「彼、マジで天魔だったわw」
「やば、まじでメン地下より闇」
断片的すぎて、ネタとも愚痴ともつかない投稿ばかり。諦めずに投稿を見ていると、どこかに天魔に繋がる手がかりが見つかるかもしれないという淡い期待が胸をかすめる。
何度もスクロールしては読み直し、あらゆる文脈を読み取ろうと必死に脳を働かせる。気づけば2時間ほど経っていた。
「はあ……」
思わずため息が出た。
部屋も散らかり放題だし、こんな状態で放置できないから、頑張って自分で片づけなきゃいけない。つまらない投稿を読み漁って、なんでこんなことしてんだろ……。
さっきのスクショを弁護士のところに持っていくだけでいいかな。その方が楽だし早い。もう涼二とはやっていけないから、それで別れられたらいいかもね。
現在、午後十時。時計を見てどうしようかな、と思っていたらスマートフォンにメッセージが届いた。涼二からだ。『会社に泊まるから今日は帰らない』とひとことメッセージ。
どうせ今から、理咲と生セックスするんでしょ!!
なにが今日は会社に泊まる、よ。大ウソつき!!
ほんと気持ち悪い!!!!
怒りが再燃した。
やっぱり簡単な離婚じゃ終わらせられない。破滅させないと気が済まない!!
諦めちゃだめ。
ここで手を止めたら、涼二はのうのうと生きていく。もしかしたら理咲と再婚するために、私を捨てるための相談をセックスしながらするんだろう。
これは、単純な浮気と財産分与ですまされる話じゃない!
ふと、床に落ちていたひっくり返った脚本を書くためのバイブルが目についた。
そうだ!
この悲しいサレ妻物語を脚本に起こして、自分で書きあげてどこかに応募したらどうかな?
これで賞獲ったら、ぜったい涼二は悔しがるよね。自分が実現できなかった脚本家としての夢を、私が叶えたら――
大学の頃、私は涼二が誘ってくれた脚本サークルに入って基本を学んだけれども、そこまでの情熱がなくてシナリオは殆ど書かなかった。涼二に付き合って脚本を書くための映画見たり、彼の出来上がったシナリオのいいところや悪い所のアドバイスを入れたり、その程度だったけど。
ちょうど家には、涼二が使わなくなった脚本を書くための参考書、指南書がたくさんある。
タイトルも決まったわ。
『別れさせ屋(男)が夫を破滅させました』
著者名:サレ妻沙耶
書こう。どんなに大変でも、やってやる。
各テレビ局からは毎年、大きなシナリオ賞を募集している。それに涼二が毎年応募して、落選を続けていたことを思い出した。
私が書いたノンフィクションドラマでシナリオ大賞獲って、死ぬほど悔しがらせた上で涼二に復讐よ!!
そのためには、ぜったい天魔を見つけなきゃ。なんとしても私が先に彼を見つけ、シナリオのネタにするの!
コメント
1件
わあ〜第2話もめっちゃアツかった!!😭💕 沙耶さんの怒りが再燃して「生♡♡♡するんでしょ!!」って叫ぶとこ、こっちまでムカついてきちゃったよ〜!!でもそこから「脚本で復讐」って発想に切り替えるの、クリエイティブすぎる…!タイトル『別れさせ屋(男)が夫を破滅させました』著者名「サレ妻沙耶」もナイスセンスすぎて草🌱✨ 天魔探しはまだ謎だけど、沙耶さんの執念がすごく伝わってきた!次話も楽しみすぎる⋆♡