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第三章 父と娘の確執
エピソード10
あれから、7年後。
未来は、保育士になっていた。昔からの夢だったらしい。俺は、知り合いのつてでインテリアデザインの仕事をしている。仕事といってもまだ雑用だが。
それぞれ社会人になり、お互い会うことも少なくなっていた。
そんな時、未来から一通のLINEが届く。
紹介したい人がいるから実家に来て欲しいとのこと。
その日、帰省すると母はいつもとは違う装いで食事の準備をしていた。
「あら、帰ってたの?」と母はいう。
「今日は、やけに張り切ってるな」と俺はいう。
「だって、今日は未来が初めて紹介したい人がいるって言うから」と母は嬉しそうにいう。
「遂に、結婚か。」と俺はつぶやく。
「だたいま。未来は?」と父は聞く。
「これからよ。」と母は応える。
「さ、これで準備はできたと。」と母は未来とその人を向かい入れる準備を済ませた。
そこで、ピンポーンとインターホンが鳴る。
「ただいまー」と未来が帰ってくる。
家族が揃う居間に全員揃ったところで、未来はその人を紹介する。
「この人が今付き合っている。直人さん。」
「初めまして、桜井直人です。未来さんと同じ保育士をしています。」と桜井はいう。歳は未来と同じ、23歳。見た目は色白で、塩顔のイケメン風の青年だった。
「同じ保育園で知り合って。」と照れながら未来はいう。
「付き合ってどのくらいなの?」と母は聞く。
「半年くらい。」と未来はいう。
「あと、今お腹の中に赤ちゃんがいます。」と嬉しそうに未来は続けていう。
家族は騒然とする。
「俺は認めないぞ!付き合ってます?お腹に赤ちゃんがいます?ふざけるな!」と父は怒り心頭でいうと、立ち上がり自室へと向かう。
「すいませんっ!」と桜井はいうが、父は振り返ることなく去っていく。
「私たち、結婚するから!」と未来は冷静な口調でいう。
一体、うちら家族はどうなっちまうんだ。と俺は目線を少しずつ下げ思った。