テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
最近、僕には夢ができた。
そう、とっても素敵な夢さ。
まぁ、僕は待つのなんて慣れっこだから、その夢が叶うのをいつまでも待つさ。
ただ…僕は気に食わないよ。
君たちは待つのが嫌いだろ?
だから我先へと進んでいく。
僕の夢である君のそのうちの一人だ。
僕だけの“檻の中の蛇”でいて欲しかったのに。
アカマタ「ん、あ……いっ……〜っ…」
目を覚ますと頭がずきずきとする。
なにか固いものに頭をぶつけた後のようだ。
やっと視界が安定したと思えばそこはどこかも知らないところ。
困惑しているように目を見開くと同時に口が少し開く。
その衝動でか長い舌がちょろり、と出る。
焦りながら辺りを見渡し、出れるところはないかと探してみる。
しかしいつもなら素早く動けるはずなのに少し重みを感じる。
しっぽの方へと目をやると、重りが着いていた。
それと”同時に逃げるのは難しい”、そう確信した。
白澤「ん、あ、起きたんだ、おはよ」
光の差し込む方からそう聞こえる。
カチャカチャと何かを開けるような音がしては、キィ、と錆びた鉄格子の扉が開く。
コツコツ、と硬い床を歩く音がだんだんと近づいてくる。
白澤「そんな顔しないで…ん、」
口元が震える彼の頬を優しく撫でては顔を近付ける。
アカマタ「どう…っ、どうしてっ……」
そんな声を出すのも精一杯なのか息が段々と荒くなっていく。
白澤「…アカマタくんが誰にでも優しくするから…アカマタくんのせいだよ、」
コメント
89件
えーーすき