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夢を蝕む蜘蛛の糸。

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夢を蝕む蜘蛛の糸。

1 - 第1話 檻の中で。

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2025年01月12日

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最近、僕には夢ができた。

そう、とっても素敵な夢さ。

まぁ、僕は待つのなんて慣れっこだから、その夢が叶うのをいつまでも待つさ。

ただ…僕は気に食わないよ。

君たちは待つのが嫌いだろ?

だから我先へと進んでいく。

僕の夢である君のそのうちの一人だ。

僕だけの“檻の中の蛇”でいて欲しかったのに。


アカマタ「ん、あ……いっ……〜っ…」

目を覚ますと頭がずきずきとする。

なにか固いものに頭をぶつけた後のようだ。

やっと視界が安定したと思えばそこはどこかも知らないところ。

困惑しているように目を見開くと同時に口が少し開く。

その衝動でか長い舌がちょろり、と出る。

焦りながら辺りを見渡し、出れるところはないかと探してみる。

しかしいつもなら素早く動けるはずなのに少し重みを感じる。

しっぽの方へと目をやると、重りが着いていた。

それと”同時に逃げるのは難しい”、そう確信した。

白澤「ん、あ、起きたんだ、おはよ」

光の差し込む方からそう聞こえる。

カチャカチャと何かを開けるような音がしては、キィ、と錆びた鉄格子の扉が開く。

コツコツ、と硬い床を歩く音がだんだんと近づいてくる。

白澤「そんな顔しないで…ん、」

口元が震える彼の頬を優しく撫でては顔を近付ける。

アカマタ「どう…っ、どうしてっ……」

そんな声を出すのも精一杯なのか息が段々と荒くなっていく。

白澤「…アカマタくんが誰にでも優しくするから…アカマタくんのせいだよ、」


僕だけの蜘蛛の糸でいて欲しかったのに。

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