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#人間ドラマ
雨宮寧々
#恋愛
桜咲かな
1,037
1プラトンがボコされて 数時間後。
天界の果樹園。
渡辺は、ソクラテスとプラトンに連れられて、広大な果樹園へやって来ていた。
「ここは……?」
渡辺が辺りを見回す。
そこには見たこともない巨大な樹木が何本も立ち並んでいた。
その枝には、様々な色の光を放つ果実が実っている。
プラトンが口を開いた。
「ここが天界の果樹園だ」
「果樹園……?」
「そうだ。この樹に実る果実を食べることで、能力を得ることができる」
渡辺は目を輝かせる。
「じゃあ、俺も食えば――」
「待て」
ソクラテスが止めた。
「誰でも能力を得られるわけではない」
「え?」
プラトンが腕を組む。
「能力を受け入れるには、それに耐えられる肉体が必要だ」
渡辺は自分の身体を見る。
「どれくらい必要なんだ?」
ソクラテスが淡々と答える。
「基準がある」
「腹筋――6LDK」
「……6LDK?」
「そして腕の太さ、35センチ以上」
渡辺は自分の腕を見る。
「…………」
沈黙。
「全然足りねぇ……」
プラトンが頷く。
「だから修行する」
渡辺がプラトンを見る。
「お前が教えてくれるのか?」
「もちろんだ」
渡辺はプラトンの身体を見る。
「……その身体で?」
プラトンの顔が引きつる。
「…………」
渡辺がソクラテスを見る。
「こいつ、さっき被爆してなかった?」
「していたな」
「治療は?」
「していない」
「なんでだよ!!」
プラトンが叫ぶ。
「お前たち!! 私を何だと思っている!!」
ソクラテスは平然としていた。
「君なら耐えられる」
「根拠がない!!」
こうして――
渡辺の修行が始まった。
「腕立て伏せ!」
「うおおおおお!!」
「まだだ!」
「まだやるのか!?」
「腹筋!」
「ぐあああああ!!」
「次は走れ!」
「休ませろ!!」
その横では、プラトンが渡辺の動きを確認している。
「もっと身体を使え!」
「分かってる!」
そしてソクラテスは、少し離れた場所から渡辺を見つめていた。
果樹園の木々が風で揺れる。
その先には――
渡辺がまだ知らない、新たな能力を宿した果実が静かに輝いていた。
そしてこの日から、
渡辺と二人の哲人による――
能力獲得のための修行が始まった。
コメント
5件
「腹筋6LDK」の基準の意味不明さに笑いました(笑)プラトンが被爆したまま放置で修行を始める流れ、ソクラテスが平然と「君なら耐えられる」って言い切るところ、めちゃくちゃツボです。プラトンの「根拠がない!」に全部持っていかれました。渡辺の修行シーンも息つく間もなくて、次話でどんな能力を手に入れるのかすごく気になります!