テラーノベル
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抵抗するのは、口だけ。その体はすでに、宮舘の全てを受け入れる準備ができていた。
ゆっくりと重なった唇はどちらからともなく、深く求め合う。
楽屋の静寂の中に二人の甘い吐息と、衣擦れの音だけが小さく響く。
世界に二人だけしかいないかのような、濃密な時間。
その甘い空気が、最高潮に達したまさにその瞬間だった。
ガチャリ。
🧡あ、俺ちょっと忘れ物してさー?って、うわっ!?
勢いよく楽屋のドアを開けて入ってきたのは、他でもない向井康二だった。
そしてその後ろからひょっこりと、佐久間と、深澤が顔を覗かせている。
三人が見たもの。
それは、楽屋の真ん中で熱い口づけを交わす、渡辺翔太と宮舘涼太の姿だった。
ピタッ。
部屋の全ての時間が止まった。
キスをしていた二人は、まるで彫刻のように固まり。
ドアを開けた三人も、まるで石になったかのようにその場でフリーズする。
楽屋に今まで経験したことのないほどの、気まずい沈黙が、流れた。
その沈黙を最初に破ったのは佐久間だった。
🩷…み、見た…?
小声で隣の深澤に尋ねる。
深澤は、こくこくと、音が聞こえそうなほど激しく頷いた。
💜…見た
そして康二が、恐る恐る口を開く。
🧡…え、俺らさ…なんかすんごい、邪魔した感じ…?
その言葉でようやく、当事者二人の時が動き出した。
ばっと、音がするほどの勢いで二人は唇を離す。
そして顔を真っ赤にして、先に叫んだのは渡辺だった。
💙ち、ちげーよ!!これはあの…ゴミが!目に入ったから涼太に取ってもらってただけ!
そのあまりにも苦しい、そして古典的すぎる言い訳。
それに深澤が、ニヤニヤしながらツッコむ。
💜へぇー?ゴミ取るのに、そんな唇まで使うんだ?
💙うるせぇ!!!
渡辺が耳まで真っ赤にして怒鳴るその隣で。
国王・宮舘涼太は、さすがだった。
彼は少しも動じることなく、乱れた自分の髪を優雅にかきあげると、にっこり微笑んだ。
❤️やあ、みんな。おかえり
🩷…いや、おかえりじゃねぇよ!
🧡今何してたの、国王!?
康二と佐久間がここぞとばかりに、囃し立てる。
そのわちゃわちゃとした喧騒の中で、渡辺は、もう羞恥心で死にそうだった。
💙(…もう、最悪だ…)
穴があったら入りたい。
いや今すぐ、地球の裏側まで逃げ出したい。
そんな渡辺の心を見透かしたかのように、宮舘がそっと、その耳元で囁いた。
❤️…大丈夫だよ?翔太。 今日のパーティーも、最高に盛り上がってきたろ?
そのどこまでもポジティブで、ロイヤルな囁きに、渡辺はもう、怒る気力も失ってしまう。
💙…お前のせいだろ…バーカ…
と誰にも聞こえない声で、悪態をつくのが精一杯だった。
コメント
6件
初コメです! ちょ待ってくれーーー!ゆり組尊過ぎやないかーーいっ❤💙
初めまして。 ゆり組ニヤニヤしながら読みました よかったです🫶