昔、私は大きな過ちを犯してしまいました。
犯罪行為で捕まりはしませんでしたが、私は永遠に許されることのない大きな罪をこの手で確かに犯してしまったのです。この手でいくつもの灯火を消してしまったのです。
猩々緋に染まった少しベトベトとした手と臙脂色に輝く銃口は、今でも私の脳内に鮮やかに焼き付いています。
絶望と困惑、そして諦めと怒りや悔しさの入り乱れた街道を歩いたあの日、私は妙に気分が高揚していました。 踊るような軽やかな足取りで街を巡り、丘の上にある寂れた展望台から混沌とした様を糧に煙管を燻らせ、宵の空の下ただ1人佇んでいました。
そんな時、後ろから何者かの声がしたので振り返ってみました。するとそこには白色の布に身を隠した1人の女性が立っていて・・・この辺だけ何故か記憶が飛んでいるので何があったのかは私もよく分かっていませんが、恐らく気を失っていたのだと思います。それで、気づいたらこの廃校にいました。
廃校に来てからは不思議なことに、前よりも理性的に行動するようになりました。あの日犯した大きすぎる罪を背負った状態で、様々な事情を抱えた仲間の内面に触れたからでしょうか。
どこか鎖で繋がれたかのような束縛感を感じることも時々ありますが、しばらくは再び悲劇を繰り返すことがないのだと考えると安堵も感じます。
コメント
2件
これっていきなりタガが外れて暴走するタイプじゃない?大丈夫??