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コメント
1件
ああ、第3話で完結だったんですね…。読了後、しばらく余韻に浸ってしまいました。戦時下の淡い恋が、特攻という形で終わってしまう切なさが胸に沁みます。特に「来世、絶対幸せになりましょうね」という本田さんの言葉と、それに呼応するように舞い散る桜の描写が印象的でした。最後に彼が人形をちらっと見て飛び立つところ、想像しただけで涙が…。短いエピソードながら、感情の機微が丁寧に描かれていて、とても心に残る作品でした。素敵な物語をありがとうございます。
桜なびく季節に約束を 。
⚠本作は戦時パロディです。ですが、戦争を支援したい訳でもありません。早く平和になって欲しいという思いを込めて、この小説を書いております。そこをご了承ください。本田菊さんは人間の兵士設定にしております。
ここは極東の島国日本。
平和で、四季が綺麗な国だ。だけど、最近はそれを感じさせなくなっている。連合国と、枢軸国が対立して、争っている。
毎日爆弾の音が鳴り止まない。
私たちの住む町に落とされた時、私は倒れた家に足を挟んでしまった。でもそんなとき、手を差し伸べてきた顔の整った青年がいた。
名前を聞くと、「本田菊」と名乗った。
もう会えないのかもしれないが、どうにかして恩を返したかった。その人は軍服を着ていた。だから行ってしまうのかもしれない。その前には。必ず伝えたかった。
その翌日、私はよく通っているご飯屋さんへ行った。そうすると兵士の人達が机を囲んでご飯を食べている。そこにふと目を向けると、本田菊さんがいた。目が合った。ただそれだけなのに、私の心は惚れ惚れしてしまった。
本田「貴方はこの前の…。まだ無事でいらっしゃったんですね。幸いです。」
そう私の元へきて笑う本田さんの笑顔は、とても国のために命をかけた若者だとは思えなかった。
「は、はいっ。」
そうすると少し頭を下げて、 本田さんは食卓へ戻った。
耐えられなくなって外に出て木造の椅子に座り込む。かっこいい。そう感じてしまうのだ。
兵士の人達に恋心なんて芽生えさせても、枯れるだけだとわかっていたのに。
それから数日、そのお店に通うと毎日本田さんに会えた。その店のおばあちゃんが出してくれた冷や水を、二人で話しながら食べた時は楽しかった。そんな生活を1週間ぐらい変わらず過ごしていただろうか。ある日を境に来なくなってしまった。私はもしかしたらを考え、足が震える。もう会えないのかもしれない。それがどうしてもどうしても怖くて、お店のおばあちゃんと二人きりになった時、聞いてみた。
「本田さんって。もうこれないんですか、、?」
少し震える声だが、言えた。そうするとおばあちゃんは、こう言った。
店主のおばあちゃん「本田…菊か。あの子は…選ばれたよ。祝わなきゃな。」
それを聞いて頭が真っ白になる感覚がした。
「も、もう、会えないんですか。 」
店主のおばあちゃん「明日だけ会えるよ。最後に来るって言ってたからの。」
店主のおばあちゃん「私だってそんな感が鈍くない。お前の気持ち。わかった。」
店主のおばあちゃん「特攻人形でも作って渡したらどうだ。」
「はい、渡したいです。」
それから私は夢中で人形を作った。明日、本田さんと会える最後の日に渡せるように。
作り終わって、もう寝る時間だ。やだ。明日が来て欲しくない。そう思うが、その思いも虚しく、睡魔には勝てなかった。
翌日起きると、いつもより早く起きてしまった。
そう考えていると、窓の外にある桜の木が目に入った。人形に桜をつけよう。
桜をつけると、よりいっそう可愛い人形になった。いつもの店に行くと、おばあちゃんはもう起きていた。
「これ、つくりました。」
店主のおばあちゃん「よくできとるの。……しっかり渡すんだよ。」
「はい。」
それから数時間後。本当に本田さんが来た。
……どうしよう、足が震える。
なにか話しているが、あと一歩が踏み出せなかった。でも、店主のおばあちゃんに一押しされ、なんとか行けた。
「……本田さん、、これ。」
「もっていってください。 」
本田「ありがとうございます。……」
そうすると少しへにゃっと笑って。
本田「私は貴方のこと、忘れませんよ。」
……想い。伝えた方がいいのかも。
「本田さん 。 」
「その 。」
「助けてもらった時から……貴方の事が好きでした 。」
本田「ええ 。貴方。とっても分かりやすいので……分かっちゃいましたよ 。」
本田「今言われると。……少し寂しいですね。」
本田「お見送り。してくれますか?」
目線を合わせて聞く。
「もちろん、 」
本田「行きましょうか 。」
涙が溢れそうだ。でも最後の最後に本田さんに悲しい思いをしてほしくない。そんな思いもあり、泣けなかった。
出発地へ行くと、地域の方たちが集まっていた。
それぞれ日本の日章旗を持って。凄く嬉しそうに。本田さんが乗り込むのを、私は見てられなかった。その飛行機の窓を閉める前、私の方を見て微笑み、口パクでこう言った。
「来世、絶対幸せになりましょうね。ふたりで。」
それを言った瞬間、風が吹き桜が舞い散る。
それを見て泣けない人はいない。悲しくて、悲しくて。泣いてしまう。
でもそんな涙も遠く、飛行機は飛ぶ準備をする。
みんなが叫んでいるなか、私も負けじと名前を叫んだ。
「本田さん!!!!」
その声は届いていた。少し笑ながら、私の上げた特攻人形をちらっと見て、飛び立って行った。
その姿は立派で、とてもかっこいいものだった。
私は本田さんのことがずーっと、ずーっと好きだ。これからも。今も。
桜なびくこの季節に 、忘れられない約束をした。
END