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古流斬
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87
チタコロ
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第四章 地獄編
第六話「読み違え」
間の世界。
古流斬は無数の鬼に囲まれていた。
酒呑童子は金棒を肩に担ぎ、笑う。
「どうした。」
「もう終わりか?」
古流斬は鬼たちを見回し、小さく息を吐いた。
「……降参だ。」
その一言に、鬼たちはざわつく。
「本当か?」
「古流斬が降参?」
酒呑童子も少し驚く。
「意外だな。」
古流斬は刀を納めた。
「現世への扉。」
「開けるよ。」
酒呑童子は満足そうに笑う。
「最初からそうしていればよかった。」
古流斬は何も言わず、現世へ続く扉の前へ歩く。
ゆっくりと手をかざす。
「曖昧。」
世界の境界がわずかに揺らぐ。
重く閉ざされていた扉が、少しずつ開き始めた。
ゴゴゴゴ……。
鬼たちは歓声を上げる。
「開いた!」
「酒呑童子様!」
酒呑童子は勝利を確信する。
「これで現世は俺のものだ。」
しかし――。
古流斬は小さく笑っていた。
「……かかったな。」
その瞬間。
扉の足元に刻まれていた紋様が輝く。
バチィッ!!
無数の鎖が地面から飛び出し、酒呑童子と鬼たちを包み込んだ。
「なっ!?」
酒呑童子は動こうとする。
しかし。
体がまったく動かない。
「これは……!」
古流斬は静かに振り返る。
「罠だ。」
「現世の扉を開いた瞬間に発動するよう、あらかじめ仕掛けておいた。」
酒呑童子は歯を食いしばる。
「貴様……!」
古流斬は冷静に続ける。
「命を奪う罠じゃない。」
「一時的に動きを止めるだけ。」
「目的は時間稼ぎ。」
「閻魔が目を覚ますまでの時間を作るためだ。」
酒呑童子は初めて悔しそうな表情を浮かべた。
「……最初から降参する気など。」
古流斬は頷く。
「ああ。」
「一度もない。」
「お前は強い。」
「だから真正面から勝つんじゃなく、読み合いで勝負した。」
酒呑童子は苦笑する。
「俺は……。」
「読み違えたか。」
古流斬は静かに笑った。
「そういうこと。」
「戦いは力だけじゃない。」
遠くでは、倒れていた閻魔の気配が少しずつ戻り始めていた。
古流斬の狙い通り、戦局は再び動き始める。
――第七話へ続く。
コメント
1件
うわっ、第80話めっちゃおもしろかった!!😭💕 古流斬が降参したふりして罠を仕掛けるなんて、性格悪くて最高すぎる(褒めてる)!酒呑童子の「読み違えたか」ってセリフ、悔しさがにじんでてグッときたよ…。力だけじゃない、読み合いの勝負に痺れた!閻魔が目覚めるまでの時間稼ぎ、この後の展開が気になりすぎる〜!!続き待ってるよ古流斬先生🔥