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コメント
1件
!?そんな…😭😭 大変だったね…
家の中は、いつもよりずっと静かだった。
テレビの音もラジオの声もない。
足音も、呼吸も、全部が大きく響くように感じられた。
パパの笑い声も、温かい手も、もうここにはない。
でも、目に見えない何かがまだ残っている気がして、私はじっとしていた。
ママは泣いていた。
声を押さえながらも、嗚咽が止まらない。
長男も次男も、静かに涙をこらえているようだった。
私も泣きたかったけど、涙は出ない。
泣きすぎて出ないのか、心が固まったのか、分からなかった。
葬式の日。
知らない人たちが家に来て、優しい顔をしてくれた。
でも、家の中は静かで、空気は重かった。
私はそっと、窓の外の景色を見た。
空は青く、風が揺れていた。
何も変わらない世界の中で、家だけが違っていた。
その夜、家の中はさらに静かになった。
パパの匂いも、声も、もう届かない。
でも心の中でつぶやいた。
「パパ、ありがとう」
悲しいけど、少しだけ安心した。
ヒーローは、もう目の前にはいない。
でも、心の中で生き続ける。
そして私たち家族は、少しずつでも前に進むんだ。