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第一話 「転生したら攻略させる側でした」
私は俗にいう、ボーイッシュガールだ。
短く切り揃えた髪、服はだいたい半袖短パン。ガサツな言葉使いで彼氏なんているはずもなく、男はみんな友達だった。
唯一ハマった女の子らしいモノといえば、乙女ゲームだった。
恋に無関心なわけではない。無関心なわけではないけど、他人の「らしくない」が怖くて、家でこっそりやっていた乙女ゲーム。
私はその攻略対象の1人、王子のレオンが推しだった。
レオンとヒロインが結ばれるのは、ゲームのハッピーエンドだ。
現実でもレオンみたいな人と恋がしたい。そう思っていた。
私は部活帰り、いつものように自転車で家路を急いでいた。
早く帰って、乙女ゲーム二周目の続きをやりたい。
その一心で、私は自転車を漕いでいた。
ストーリーに出てくるあのチャレンジ、今日こそ攻略できるかな・・・まだ出会っていないキャラが1人いる。
早く、早く。
乙女ゲームで頭をいっぱいにしていて、周りをちゃんと見ていなかったみたいだ。
横から突っ込んでくるトラックに気づかず、私は道路を飛び出した。
「あ」
やばい、と思った時にはもう遅くて、私の視界はシャットアウトした。
「ん・・・」
目を覚ますと、紺と白で統一された煌びやかな部屋と、豪華な装飾が施された天蓋が間に入る。
は？
病院・・・ではない、絶対に。日本のものじゃない・・・。
「おめざめですか。レオン殿下。」
「え」
急に、見覚えのある顔が視界に入る。
このメイド・・・。
私の大好きな乙女ゲームにでてくる、レオン付きのメイド・・・！！
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