冬
今は絶賛極寒で、今は絶賛…
「…うー…寒」
なんて、僕はいつもの様に文句を垂れながらもうそろそろクリスマス…
と言う中、一人で歩いていた
「あ、センパーイッ!」
と、聞き慣れたその声が耳に入る、ちら、と視線を向けると
案の定、僕の後輩は、まるでしっぽを振るかのようにして駆けてくる
…これが、女なら良かったが、生憎コイツは男だ、キュンのキの字もない
「え…なんでそんな嫌そうなんすか…俺泣くっすよ?」
「勝手に泣いとけや」
「辛辣ッ…てか、センパイなんでここに…?」
僕の話を気にもとめず、疑問を直球にぶつけて来る
「あー、仕事の帰りだよ、僕の家こっち方面だから」
「え?!マジすか?!俺もっす!一緒に帰りましょ!」
にこっっっと、まさしく陽キャスマイルを僕に向けてくる、
僕にはその視線が痛くて、少し目を逸らした
「…はぁ、なんで男なんかと…?」
僕が呆れたかのように言うと、彼はきょとん、と首を傾げながら
「駄目っすか?俺が男じゃ」
…そうじゃないんだ、でも…僕は…
「…わり、用事あったわ、母さんの誕プレ買わないと」
と、苦笑を漏らしながら、小走りで、彼から逃げるようにと立ち去った
…過去の恋に幸あれ
…夜はクリスマス本盤、街中にはクリスマスの音楽、カップル
俺には程遠いものが全て周りに渦巻いていた
「…う…さっさと、帰っとけばよかった…」
目まぐるしく廻る視界の中、俺はある人物を見つけた
「あ、センパーイッ!」
見つけた瞬間、俺の口が、脚が勝手に動き、彼の方へと自然に走る
…いつのまにか、目眩は消えていた
俺がどんな手を使っても、センパイは俺に振り向かない
…そりゃあ、そうだ、冬に咲く花なんて滅多にない、
冬に実る物なんて…
「駄目っすか?俺が男じゃ」
…その言葉を言った瞬間 駄目だ 本能がそう察した
彼の顔色が曇る、案の定センパイは逃げる様に立ち去って行った
「…あーあ、俺にも、チャンス下さいよ、なんて…」
贅沢な話、だ、と苦笑しながらおぼつかない足どりながら帰路を急いだ
…いつのまにか、目眩は復活していた
…実らない恋に幸あれ
屋上、僕は彼に呼び出しを食らった
ドアを開ける
クリスマス前夜、空気は冷えていて、吐き出した息は白くなっていた
そして、目の前では…
「ッ!おい、降りろ!」
僕は叫んだ、目の前の命が経った今、なくなろうとしているから
「お前は…僕に、これを見せたかった、のか?」
彼が手を離したら彼は死ぬ、そんな状況、これを、僕に見せたかったのか?
「違うっす」
彼にしては珍しく光のない声に僕は自然と目を惹かれる
「俺は…センパイが、好きなだけっす」
ッ_息が詰まる、つまりは…
「僕の…せいでッ」
「そうっすよ」
冷たく、冷徹な声で静かにそう言う
「僕にだって、チャンス下さいよ…過去の恋は…実らないんですから」
実らない、あぁ、そうだ、僕はずっと
「僕はずっと、幻影に恋をしてたんだ」
呟く、誰にも聞こえない声で
「それじゃあ、また、来世で」
「ッ…なんで…僕は…!」
ハッとし、僕は駆けた、彼の方に、目を逸らしたら、消えてしまいそうな
目の前の彼に、
「…元々…ッ、最後に、気持ち、応えてくれて、ありがとうございます」
センパイ
なんて、明るく、何時もの調子で言う彼に僕は
「やめて…くれ、2度も…僕の前で…ッ」
「…泣かないでくださいよ…センパイ」
その言葉に僕が顔を上げると、彼は
「大好きです、センパイ」
そう言って、視界から彼は消えた
「…大好きだったよ、僕も」
小さく、されど全力で僕は叫んだ、彼に届くよう、
そして…ドンッという何かが衝突した音が聞こえた
僕は泣き叫んだ、涙が枯れるほど
…そうして僕も_
…俺は、クリスマス前夜、センパイを屋上に呼び出した
…気持ちは伝わった、そう、だから俺は
飛び降りた、元々俺には持病があった、彼に会うと症状は消えていた
…もし、センパイと付き合えた、としても、俺は絶対センパイの前に死ぬ
…病気で死ぬくらいなら、俺自身で死にたかった
…そんな時、センパイとあって、生きたいと思ってしまって
…俺は、思いを告げ、俺の人生に、俺自身で、幕を閉じた
…最後の記憶は、彼が、センパイが、俺に振り向いてくれたことだった
おまけ
AI小説化してみた
寒い冬の夜、主人公はクリスマスの音楽が鳴り響く中、一人で歩いていた。そんな時、後輩の男性に声をかけられる。しかし、主人公は男性に恋心を抱いておらず、少し嫌そうな態度をとる。後輩の男性は、主人公と一緒に帰るように誘うが、主人公は用事があると言い逃げるように去っていく。
その後、主人公は再び男性に出会うが、男性には自分に対する恋心はないことを悟る。主人公は自分にとって実らない恋だと思い、贅沢な話だと苦笑する。しかし、男性の言葉に触れ、主人公は自分にもチャンスがあると思い始める。
ある日、主人公は男性に呼び出され、彼が屋上にいた。男性は主人公に自分の気持ちを告白し、自分の命を絶とうとしていることを明かす。主人公は男性を止めるために必死に説得するが、男性は自分にとって幻影のような存在である主人公に向けて、最後に自分の気持ちを伝える。
男性が屋上から飛び降りた瞬間、主人公は彼が生きている姿を想像する。主人公は自分が男性に対して抱いていた感情を認め、男性への愛を告げるが、男性はすでにいなくなっていた。主人公は男性への思いを胸に、自分自身の人生を終わらせることを決意する。
このように、主人公と男性の悲恋が描かれた。最後に、主人公が男性への愛を告げるシー
なんか後輩目線のとこ主人公目線になっとる…
なんで…と言うか伝えるの時まだ後輩君生きてます…
聞こえてますから!!
と、ということで、以上Kurobosi mizukiでした〜
ここでは季節にあった短編を描きます
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