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2件
フフフ、今後の展開、ご期待下さい😁
2人は一体何を話していたんだ...?!「あぁ..幸せ」の台詞はゾクゾク展開ですね。透子ちゃん...これは厄介なことになるぞ...逃げっ...逃げれませんねフフッ..。なので見届けます🙄
放課後、帰ろうと立ち上がって振り返ると、環と雅彦が二人で何かを話していた。
「・・・さ、もういっそアレを囮にして、証拠を掴めば・・・」
「・・・万が一の・・・だろ。透子が・・・たら」
何話してるんだろう?
私はそう思いながら近づいた。
「ねぇ、なっ・・・!」
話し掛けようとした所で、後ろから誰かに羽交い締めにされて口を塞がれた。
びっくりして暴れると、耳元で「シーッ」と言われる。横目で見ると宮本先輩だった。
「透子ちゃん、ちょっと話があるの。あの2人に内緒でちょっと来て。お願い」
耳元で小声で囁かれるのが凄くくすぐったい。
「すぐ済むからちょっとだけ。お願い。いいかな?」
かかり続ける息と声に、体中がムズムズしてくる。一刻も早く止めて欲しくて、私は力一杯頷いた。
早く離して欲しいのに、先輩は後ろから私を抱き締めたその姿勢のまま私を廊下に連れて行く。
廊下に出ると、口を塞ぐ手だけを離して、改めて背中から私を抱き締める。
「あぁ、幸せ・・・」
耳元でそう呟く。背筋がゾクゾクとしてくる。やだ。
「先輩、離してください。これじゃ、痴漢ですよ」
「あ、そうだね。ゴメンゴメン」
パッと手を離す先輩。ようやく解放された私は、荷物を抱き締めて先輩から距離を取った。
「ゴメンね、嬉しくてつい・・・」
「それで、何ですか?お話って」
「あのね、透子ちゃん土日暇かな?もしどっちか空いてたら一緒に出掛けたいなーって。駄目?」
「・・・お誘いですか?」
「うん。デートしよ?」
・・・どうしよう。両方とも空いてる。暇だけど・・・。
「・・・2人で、ですか?」
先輩の事は嫌いじゃ無いけど(というかほとんど知らない)、怪我をさせたお詫びとかだったら、申し出を受けてもおかしく無いのだろうけど、でも、2人だけだと、何かされそうで怖い。
「勿論、デートだから2人」
うーん、怖いなぁ。
迷っていると、先輩は教室の中の様子を気にして少し慌てた。
「あっと、取り敢えずLINE交換しよ?ね?」
「え、はい」
LINE交換して、後でどうやって断るかゆっくり考えて答えよう。そう思い、私は宮本先輩とLINE交換をした。
「じゃ、後でLINEするね!」
そう言って、宮本先輩は逃げる様に走り去った。
「あれ・・・透子なんか・・・変わった?」
久し振りに放課後、和樹の家に来た。
感染されたとは言え具合が悪そうだったし、私の足の怪我も治ったのだ。来ない理由は無かった。
そんな私に向かっての第一声が、それ。
「え?そう?足は治ったけど。そんな事より風邪どう?学校帰りだから何のお見舞いも持って来てないけど。ゴメンね」
勝手知ったるで和樹を押し退けて上がり込む。リビングに荷物を置かせて貰ってキッチンに向かった。
スウェット姿の和樹は、寝起きの顔でフラフラと私の後をずっと付いてくる。まるでまだ夢の中みたい。
「・・・熱下がった」
ボソリとそう言う。
「良かったね。寝てたんでしょ?横になってて良いよ。お茶入れるね」
流しで手を洗って振り返りながらそう言うと、目の前に和樹の顔。どんどん近付いて来る。
「え、何よ。近いって」
「前より可愛い・・・」
「はい?」
私は、和樹に顔を両手で挟み込まれた。ずっとシャワーも浴びれてなかったんだろう。近付くと少し汗臭い。
「どうしたの透子、今日凄く可愛く見えるよ?」
「それはどうも有難う。やっぱりまだ熱あるんじゃない?」
「熱は下がったって。透子、何かあった?何でそんなに可愛くなったの?俺の為?俺の為だと思って良いの?」
グイグイと和樹が迫って来る。ヤダなー、絶対熱でおかしくなってるじゃんコレ。
「もー、煩い。別に何も無いよ。気のせいでしょ?近い、離れて」
和樹の胸を力一杯押すと、呆気なく引いていった。ブツブツ呟きながら。
「照れてる?俺の為か・・・」
「ハイ!もうソファで良いから座って休んで!」
私が大きい声でそう言うと、大人しくリビングに戻ってソファに座った。
「緑茶で良いよね」
「ん。透子が入れてくれるなら何でも」
嬉しそうな声で返事が帰ってくる。お茶と薬飲ませたら、とっとと退散しよう。
そこで、私の鞄の中のスマホが鳴った。
「透子、なんか鳴ってる」
多分宮本先輩だろう。行動が早い。
「後で見るから放っておいていいよ」
「・・・」
和樹の家も、お母さんが用意したのだろう、家と同じ銘柄のお茶があった。薬缶でお湯を沸かしてティーポットに入れた茶葉に注ぐ。しかしながら急須や湯呑みは無かったので、マグカップに半分ずつ位の量を注いだ。
多分私かお母さんが使わない限り、この緑茶は使用される事は無いのだろうな、と思った。
お盆にマグカップを二つ乗せてリビングのテーブルに運んだ。
和樹はテレビも付けずに静かにしている。やっぱり調子が良くなっていないのかな?
そう思って和樹を見て、私は驚いた。
和樹が手に持っているのは私のスマホ。勝手に見ている。
「ちょっと!何勝手に・・・」
私はそこまで言って固まった。
スマホを取り返そうと出した腕を強く掴まれる。
「・・・ダレコレ・・・」
温度の無い声。
「・・・え?」
「宮本ってダレ?透子のナニ?透子、コイツの事好きなの?」
「宮本先輩は、昨日怪我した時の・・・」
「怪我?コイツの所為で怪我したの?」
ギロっと睨まれる。凄く怒ってる。
ああ、ダメだ。これダメなヤツだ。
「・・・違うよ。私が怪我した時に、助けてくれた人」
私は、咄嗟に嘘を付いた。
「好きな人じゃないよ。私は、誰も好きじゃないよ」
和樹の目を見ながら、ゆっくり説明する様に言った。
私の腕を掴む和樹の手に、私は反対側の手を重ねた。