・🇧🇾×🇷🇺
・ポッキーゲーム
・旧国注意
・NL(女攻め)
部屋の空気が、張り詰めたように静まり返った。
「Umm…..3番と7番、ポッキーゲーム────
って、うわ!?マジかよ!!」
アメリカが思わず口に出す。
周囲の視線が集まる先には、無表情のまま手を挙げるベラルーシと、僅かに眉を寄せて、手元の棒を見つめるロシア。
「……冗談だろ、兄妹じゃないか」
ドイツが怪訝に言うと、フィンランドは肩をすくめる。
「でもルールだろ。やるしかなくね?」
ベラルーシがアメリカからポッキーを受け取る。
彼女が何も言わずに咥えたのを見て、ロシアは目を伏せる。
「…… くだらない」
そう言いながらも、
ロシアは渋々、もう一端を口にくわえる。
兄妹が真正面から向き合い、ついに始まってしまった。
顔の距離がじわじわと縮まっていく。
「いや………………でも、折れば終わる話じゃないのか?」
ナチスが低く呟いたその瞬間────
「────折ったら、キスする」
ロシアの動きが止まった。
発したのは、目の前のベラルーシだった。
「…何を言って──」
「ルールを破った罰。ちゃんと聞いてたでしょ」
ざわ……と空気が揺れた。
「……この場にいる全員に見られながら、キスされる」
ベラルーシの静かな物言いに、ロシアの目が僅かに揺れた。
「……………ふん、嘘をつくな」
バキッ
ロシアはポッキーを途中で折った。
だがその瞬間────
「…兄さん」
ベラルーシが手を伸ばし、ロシアの顎を掴む。
勢いよく唇が重ねられた。
「っ……….…!?」
不意を突かれたロシアが、ソファにどさっと押し倒される。
ぐちゅぐちゅと音が鳴る。
湿った、ねっとりとした音。
舌がロシアの口内に入り込んで、遠慮もなく動き回る。
「んぅ゛………っ、は、っ………………!?」
目を見開いたロシアが、手で突き放そうとする。
だが女性… 幼い子であるはずのベラルーシの腕は、なぜか鋼のように動かず、
左腕はソファの肘掛に押し付けられ、顎を固定されて逃げ場がない。
「ん゛ぐ…..ッ♡ふう、っ….ん゛あ…….♡」
ぐちゅぐちゅと音を立てながら、舌が這う。
歯列をなぞり、上顎を舐め、柔らかく、けれど容赦なく口腔を犯す。
…彼女はまだ幼いのに、だ。
才能だろうか、はたまた…
その間、ロシアの肩はびくり、ぴくりと跳ね、
情けなく腰が浮いてしまう。
「Oh…….ちょ、これ… やばくね?」
アメリカが思わず口元を手で覆う。
日本が「止めましょう……っ!」と動こうとするが、ナチスが制した。
「遅い。もう手遅れだ……見ろ」
日本が「止めましょう………………っ!」と動こうとするが、ナチスが制した。
「遅い。もう手遅れだ…… 見ろ」
全員が同じ方向に目を向ける。
普段は冷徹で、おそらく動揺を見せたことがなかったであろうロシアの瞳は、酷く揺らいでいた。
眉根は寄り、頬がうっすら紅潮し、涙が滲むような潤んだ目。
「はぁ゛っ………………やだ…..ぁッ♡ い゛や゛…….♡みん゛な゛…ッ…!」
弱々しい声が聞こえる。
「……初めて聞いた」
フィンランドがぽつりと言う。
「ロシアの…….あんな声、初めて聞いた」
ソ連が静かに目を伏せた。
「…見苦しいな。
…..だが、俺の息子だ、そう簡単には…」
が、
「ぉ゛え゛ッ……!.………ぐ…っ、!?
や゛あ゛…..ッ…!」
身を案じず、奥へ奥へと進む舌。
ロシアは、苦しいはずの喉奥から甘く高い声を漏らした。
「~~ッ♡………………ん゛は…っ、
こほっ、は…ッ…♡ふぅ゛…ッ……げほっ…!」
ようやく唇が離れた。
1分…いや30秒だろうか。10秒かもしれない。
とにかく、ロシアにとっては、窒息しかけるほど長かった
チカチカする視界の中で、一生懸命に酸素を取り込む。
「….兄さんのこんな顔、見るのは私だけで良かったのに」
ベラルーシが、ロシアの耳元で囁いた。
ロシアの背中がびくっと跳ねる。
顔を真っ赤にして、目を伏せ、口元を覆って俯いた。
しばらくしてロシアが視線を上げると、 他国と目が合う。
その誰もが、言葉を失いながら見つめていた。
「……ベラルーシ、やりすぎだ」
ソ連が一歩進み出る。
だがベラルーシは、わざとらしくロシアの唇をぺろりと舐め取り、口元の糸を指で拭って言った。
「折ったのが悪い。
…..次生意気したら、今度はもーっと教えてあげる…♡」
ロシアの耳元でそう言って、何事もなかったかのようにその場を離れた。
残されたロシアは、沸きあがる体の熱を必死に抑えながら、
ぐちゃぐちゃになった表情で、ただ他国から視線を背けていた。
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