???「おなか空いたぁ〜」???「お昼食べてませんでした?」
???「まぁもうすぐ夕方だし仕方ないんじゃないんかしら?」
???「俺もお腹空いたな」
???「何か食べたいよなぁ」
ここは、生徒会室。
「雨花」、「橙」、「桃時」、「兎白」、「瑠璃人」はご飯について話し合っていた。
雨花「誰かとびっきり美味しいハンバーグ作ってくれないかな〜」
兎白「ハンバーグ……そういえば今日の夕飯はハンバーグだったな」
桃時「そうなのね。作ってくれるの?」
兎白「あぁ。母さんが作ってくれる。いつも沢山の量を作ってくれるんだ。だから、しばらくハンバーグだろうな。つい最近、クリームシチュー百人前を食べたばっかりなんだが……」
瑠璃人「オレも食いてぇ〜」
兎白「じゃあちょっと母さんに聴いてみよう。まぁ十中八九「良いわよ〜!」って言うと想うけど」
橙「そんな!悪いですよ!」
兎白「気にしなくて良い。少しでもハンバーグの量を減らして欲しいからな」
桃時「前にあんたんち行った時……凄かったわ……量もすごいけどめちゃくちゃ美味しいの。すごくあったかいというか……」
橙「へぇ……」
橙は微笑む。
雨花「私も食べ行きたい!」
瑠璃人「オレもオレも!」
桃時「ま、まぁ?あんたたちがどうしても食べたいなら?行ってあげても良いけど?」
橙「何だか申し訳ないですが……私も食べたいです……!」
兎白「分かった。聴いてみる」
数分後
兎白「良いだそうだ」
瑠璃人「ホントっすか!?やったぜ!」
橙「じゃあ早く仕事を終わらせて行きましょう」
桃時「よぉし!やりましょう!」
雨花「やるやる!」
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兎白「ここだ」
桃時「いつみても綺麗な家よね」
橙「ここが兎白さんの家……!」
雨花「大っきいな……」
瑠璃人「早く食いに行こうぜ!」
瑠璃人はもう待ちきれない様子。
兎白「じゃあ行くか」
兎白は鍵を開け、扉を開く、
兎白「ただいま。母さん」
???「兎白。おかえりなさい」
橙「うわぁ……!」
瑠璃人「め、」
「「めっちゃ美人!!!!」」
桃時「ご無沙汰してます。桃時です」
???「桃時ちゃん。いらっしゃい」
兎白「みんな、この人が俺の母さんだ」
兎白の母親は、透き通った水色の瞳に、月のように白く、時に黄色く輝く美髪で容姿もとても美しい女性だった。声も鈴を転がすようで優しいことがとても伝わってくる。
???「可愛い子たちねぇ。ふふっ。私は虎月(こげつ)と申します。お名前聴いても良いかしら」
橙「あ、すみません。橙と言います。」
瑠璃人「瑠璃人っす」
雨花「雨花です」
雨花、橙、瑠璃人は自己紹介した。
虎月「そんなに固くならなくて大丈夫よ?みんなご飯食べに来てくれたのよね!あと少しで準備終わるから待っててくれる?」
雨花「分かりました」
兎白「じゃあリビングで待とう」
桃時「あれ?あんたの部屋じゃないの?」
兎白「俺の部屋には特別なやつしか入れない」
桃時「え?あっそう////」
瑠璃人「もう惚気は良いんでサッサっとリビングに案内して下さいよ〜」
雨花「あははっ!本当にラブラブだね!」
橙「それを人までやるのが恥ずかしいと想わないんですかね……?」
兎白「では、リビングに案内しよう」
兎白の家のリビングは、とても広く、窓ガラスが天井に付いており、気持ち良く日光が入ってくる。
瑠璃人「すんげぇな。兎白さん家」
桃時「でもあんたんちもこれくらいあるでしょ?」
瑠璃人「おう!」
橙「即答……」
雨花「みんなお金持ってるんだねぇ〜」
兎白「別に俺の家はお金持ちじゃないぞ?瑠璃人以外もこれくらいあるだろ?」
橙・桃時「はい・えぇ」
雨花「それはみんなお金持ちってことだよ!それに自覚してないだけで。あはは〜」
ガチャン
橙「誰かいらしましたね」
雨花「兎白くんのお父さんじゃない?兎白くんと気配似てるし」
兎白「初めて会う人の気配も分かるのか?すごいな」
瑠璃人「すごいというか恐くね?」
桃時「まぁこれが雨花だから」
???「ただいま〜母さん、兎白」
リビングに現れたのは、透き通った青色に白髪の男性だった。
???「おぉ。兎白。友達か?」
兎白「あぁそうなんだよ。雨花と橙、瑠璃人だ」
雨花「よろしくお願いします!」
橙「よろしくお願いします」
瑠璃人「よろしくっす」
桃時「お久しぶりです。龍雪さん」
???「桃時ちゃん久しぶり。そして君たち。よろしく。私は兎白の父親で、桃時ちゃんの言う通り、龍雪です。いつも兎白と遊んでくれてありがとう」
龍雪は、暖かく笑う。
瑠璃人「おいっ!美人母ちゃん次はイケメンパピーじゃねぇか(ボソッ)」
桃時「アタシも最初はびっくりしたわよ。こんなにみた目も中身も暖かい人たちなんだもの(ボソッ)」
橙「この空間だけキラキラ度がとうに一定を超えている……」
雨花「…………」
兎白くんのご両親
優しそうだな
きっと喧嘩しても気持ちよく終わらせて
夫婦同士の仲も良いんだろうな
兎白くん昔は明るかったみたいだし
このご両親の影響もあるんだろうな
やっぱり
親って必ず関わってくるんだな
親からは逃げられんだな
わたしの親は……
雨花「…………」
橙「……めかさん……雨花さん!」
雨花「!、ん?何?」
橙「ご飯ができたみたいですよ?」
雨花「そっか!今行くよ!」
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「「いただきます!!」」
瑠璃人「ん!?激うま!!めちゃくちゃ美味しいっす!」
虎月「そうかしら?ふふっ。ありがとう」
龍雪「うん。美味いな。すごく美味い」
兎白「美味い。作ってくれてありがとう。母さん」
虎月「いえいえ。沢山食べてね」
雨花「兎白くん。偉いね。ちゃんと「ありがとう」って言えるの」
兎白「そうか?みんな言うような気がするが……」
瑠璃人「オレの家は、大体黙って食ってるから言わないっすね。気まずいし」
桃時「アタシの家は気まずい訳じゃないけど、黙って食べてるわね。でも話しかけたらちゃんと応えてくれるわよ」
橙「私も前まではずっと黙ってましたが、父と暮らすようになってからは、沢山話すようになりましたね」
雨花「親も色んな人がいるんだね〜」
瑠璃人「お前の親はどんな人なんだ?」
橙「ちょ……それは」
桃時「あんたって本当に空気読むの苦手なのね……」
兎白「まぁそこが良いところでもあるんだがな」
雨花「わたしの親?わたしの親は……ありふれた親だね」
橙「あ、ありふれた?」
桃時「普通の親ってこと?」
兎白「意外だな。もう少し厳しい親だと想っていたが……」
雨花「いや。ありふれた親だよ?」
今どきの世間からしてみれば……ね
雨花は心の中で呟く。
顔を見せないように、
体を、心を
塗りつぶすように、
黒く、黒く、
無くすように、亡くすように、
そうやって、心に言葉を落としていく。
虎月「みんなそれぞれ、事情があるのね。でも、桃時ちゃんたちには申し訳ないけれど、嬉しいわ」
橙「嬉しい?」
虎月は、少し淋しそうに笑う。
虎月「一時期の兎白は、すごく暗くて、どこか遠くへ行ってしまうんじゃないかと想うほど、心細そうな男の子だったの。でも兎白が徐々に元気になっていって、笑顔をみせてくれるようになった……雨花ちゃんと橙ちゃんと桃時ちゃん、瑠璃人くんに出会えて……ありがとう」
兎白「母さん……」
雨花「わたしも、兎白さんには助けられています。兎白さんがいるから楽しく過ごせてます。」
橙「そうです!兎白さんはとても優しい人ですし」
桃時「私にとって兎白さんは特別な人です。とっても大切な人です。これからも仲良くしていきたいです」
瑠璃人「オレも兎白さんのこと尊敬してますっ!オレの目標みたいな存在でもあるんで!もっと関わっていきたいです!」
兎白「…………ふはっありがとう」
龍雪「私からも……兎白と仲良しでいてくれて本当にありがとう。兎白を一人にしないでいてくれて、ありがとう」
雨花「いいえ。あはは!」
雨花たちはケラケラ笑う。
兎白「じゃあもうこの話は終わりにしよう。ハンバーグどんどん食べてくれ」
雨花・橙・桃時・瑠璃人「はーい!・はい!・っす!」
雨花たちは兎白の家でご飯を食べて、お腹を満足させて帰って行ったそうな。