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ぽつんっ_


水溜まりに一滴の雨粒が落ちた


其れは まるで泣けない僕の涙を表しているかのように感じた


ゆっくりと空を見上げると

そこには、澄み切った虹が掛かっていた

「……ははっ…これが虹か……」


蚊のようにか細く 自信の無い声に また呆れる


これが僕の”声”


感情の一欠片も感じさせない

硝子細工が割れて結晶品になったのと同じで


僕は、他の人より顔に感情を表すのが苦手で


涙を流せた事なんて 指で数えれるくらいしか無い


病院に行った際は、「シェ-グレン症候群」だと診断された


その病名一つで その病気が治るわけじゃないし…

簡単に自由になれるわけでもない

そんなこの世界が僕は、少し憎らしいのだろうか

それとも…ただ単に 黒ずいてしまったこの世界の本当の輝きというものをこの目で見てみたいのか

それすらも最近は、分からなくなってきた


「……僕は……無色透明なのかな」


僕自身は、障害に近い様な病気を患っていて他の人とは、違う存在


それは、まるで自分が居ないのと同じようなもので 無色透明な海月のような気分


もうどうせなら消えられた方が良いのに

この世界は、それすら許してくれやしない


「……はぁ…僕…いつになったら 」

太陽が眩しいスポットライトの様に 僕に光を当ててくる

「……色付けるのかな…」

それは、一つの言葉であり

僕の本心を表した 一つの色だった


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