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考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる
マーガレット・サッチャー
現在
艦内には至るところにラップトップがある。艦内を歩いているとそんな共用のラップトップに向かっているミゲルを見つける。
「おはよう、ミゲル。家族への連絡は終わったかい?」
「ええ、みんな元気そうでしたよ。」
「確か君はタンジェリンの端末を持っているだろ?その通信費をうまく節約する方法があってね。少し借りても?」
「もちろん。」
「宇宙艦同士を接続する通信環境にフリーライドする方法がある。端末毎に与えられたコードは本来は書き換えられないけど実は強制的にコードを書き換える方法があってね。今から実演するよ。」
俺はそう言ってラップトップ前に椅子に腰掛ける。艦内のラップトップと彼の端末をケーブルで接続。ラップトップの中の隠されたファイルを強引に開く。そのファイルにはこのラップトップに与えられたコードが記載されている。このコード情報をタンジェリンの端末にコピーする。
「無事できた。これで無制限の通話ができる。そしてこの接続は全てトラッキング履歴上はラップトップからの接続になる。そもそも軍上層部は俺よりもセキュリティに脆弱だからもっと手軽な方法でもバレることはないんだがな。少し早い誕生日プレゼントとしてこれを受け取ってくれないか、ミゲル?」
「ありがとうございます。」
「それにしても君とこんなに長く接することになるとは思わなかった。人生は予想外のことに満ちているな。」そう言って俺はミゲルを見上げる。
「そうですね、アル。」ミゲルは嬉しそうな顔を見せる。ミゲルは俺にとって大事な人間だ。それはお互いに本音で言い合える関係だからかも。
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