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色鮮やかな記憶… モノクロームの未来…。

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色鮮やかな記憶… モノクロームの未来…。

9 - 第9話僕達がいる場所は森の奥深くにある小さな洞窟の中だ

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2022年10月11日

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利私欲のために他者を利用し、傷つける行為を指す。犯罪用語として使われる場合は特に、詐欺罪のことを指す場合が多い。また、私腹を肥やすために権力を振るう者を比喩して用いられることもある。

私利私欲……自分の利益のためだけに行動するということ。

自己中心的な考えから他人を利用する。

権力を振りかざし、他人の意見を無視する。

他人の不幸を利用して自分が利益を得ようとする。

他人のものを盗んで売りさばく。

自分だけが得をしようとする。

他人の邪魔をして自分が一番になりたいタイプ。自分の利益のためなら他人を犠牲にしても構わないと思っている。また、他人の不幸は蜜の味という性格でもあり、自分の敵だと認識すれば容赦しない冷酷さを持つ。

病名:人面瘡病 人の顔の形をしたイボのようなものができてしまい、それが顔の表面から徐々に広がっていき最終的には全身を覆うことになる。そうなると、痛みを感じない代わりに体が動かせなくなるほどの激痛に襲われるようになる。しかも、体を動かすためにエネルギーを使うのでどんどん痩せていき、最後には死に至るという恐ろしい奇病である。

この病気の原因は不明とされているが、一説には寄生虫が原因ではないかと言われている。

「……ッ! おい、お前ら大丈夫か!?」

「お兄ちゃんこそ!」

「あぁ、俺達はなんとか無事だけどよ……まさか、こんなところで足止めを食らうなんてな」

「そうだね……このままじゃ、本当にまずいかもしれない」

今、僕達がいる場所は森の奥深くにある小さな洞窟の中だ。そこは少し肌寒く感じる程で、湿度が高いのかじっとりとした空気が漂っていた。

僕は今から起こるであろう事に緊張しているせいか汗ばんでいる手で握りしめている剣を鞘から抜いた。

隣にいる少女も同じように緊張していたのだろうか、手に持っている杖をギュッと握っている。

目の前には、人型ではあるが明らかに人間ではない生き物がいた。

そいつらはまるでゾンビのように足を引き摺るようにしてこちらへと近づいてきていて……

――ドクン 心臓が大きく跳ね上がる。僕の意識とは別に体が勝手に動き出したのだ。

(え!? ちょっ! まっ!!)

自分の意思に反して動く体に戸惑いながら声を上げようとしたが上手く口を動かす事が出来ない。

そのまま僕は勢いよく走り出し、向かってくる敵に向かって斬りかかった。

「うわぁあああ!!」

情けない叫び声と共に振り下ろした剣だったが、 俺の攻撃は、空を切るだけだった。

背後から聞こえる嘲笑うような笑い声とともに、 奴らの足音が遠ざかっていった。

くそっ! 俺は苛立ちながらも、その場から離れようと走り出す。

しかし……

「ぐわぁ!」

次の瞬間には地面に叩きつけられていて、背中を強く打ち付けてしまった。

痛みに耐えながら顔を上げると、そこにはニヤついた笑みを浮かべる男たちがいた。

三人の若者が、山道を歩いていた。

彼らはみな、この国の人間ではないようだ。

先頭にいる男は二十代半ばほどに見える。黒髪で黒い瞳、整った顔立ちをしているが、目つきがやや鋭いせいか、冷たい印象を受ける。

彼は腰から剣を下げているが、鎧などの装備はない軽装だった。


彼のすぐ後ろについて歩く青年は十代の後半くらいだろうか。短い金髪に青い目をしていて、人懐っこそうな笑みを浮かべている。服装はこの国でよく見るものだが、あちこち傷んでいるのか少しくたびれた感じがあった。

二人の間に挟まれて歩いている少女は、彼らよりも年下らしい。艶やかな長い銀髪に、人形のように整った顔立ちをしている。白いワンピースから伸びる手足は細く華奢で、胸元を飾る青いリボンがよく似合っている。

しかし、その表情からは幼さを感じない。どこか大人びていて、まるで聖母像のような慈愛に満ちた微笑を浮かべている。それがかえって痛々しく感じられた。

彼女もまた、自分の意思とは無関係に命を奪われた被害者なのだと思うと、やりきれない気持ちになる。

「…………」

三人の間に流れる空気が一瞬凍った気がしたが、それは気のせいではなかったらしい。

「……え?」

最初に口を開いたのは真琴だった。

「えっと……それってつまり、どういう意味なんですか?」

真琴は困り顔を浮かべながら首を傾げる。

「だからさぁ~! あんたら三人とも『恋人』だって言ってんの!」

「そ、そうなんですか!?」

「あー、そうだよ! 悪いかよ!」

「いえ、悪くはないですけど……。どうしてそういうことに?」

「別に理由なんてないわよ! ただ単に見ててイラつくから早くくっつけようと思っただけ!」

「へぇ~……」

「なんだよその目は! 文句あんのかコラァッ!!」

「べ、べつに文句とかじゃないですよぉ~……ただ……」

「ただ? はっきり言えやこら!」

「お兄ちゃんのことが好きな人がこんな近くにいたんだなって思っただけですぅ~♪」

「うぐっ……」

「あっ! 今照れたでしょう! やっぱりお姉さんもお兄のこと好きなんでしょう!」

「……」

「……えへへぇ~」

「……」

「あー! また無視されたぁ! ひどいよぉ! うわあああん!!」

「うるさい」

「ひぐぅっ!?」

「黙らないと怒るからね?」

「あうう……ごめんなさいぃ」

「よろしい。さて、次はどこに行きたい?」

「あのねぇ……」

「ん? なに?」

「お兄ちゃんのこと好きじゃないのぉ?」

「なんでそうなるのかな?」

「だってぇ、二人とも顔真っ赤だよぉ」

「そ、それはほらあれだから。そう、夕日のせいじゃないかな?」

「ふぅん……じゃあさっきのお兄ちゃんとわたしみたいに手を繋いでたら赤くならないんじゃないのぉ?」

「……なるほど」

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