これは俺が阿部ちゃんを意識し始める前のこと──。
🩷「阿部ちゃん!あざとい警察です!」
俺は勢いよく指を指した。
いつものことで、阿部ちゃんがあざといことをしたら、逮捕するのだ。
💚「え、俺まだ 何もしてなくない?」
🩷「今の動きは、絶対確信犯!」
💚「ははっ、佐久間といると自然にこうなるのかな」
🩷「ほら、そういうとこ!」
そう言いながらも、阿部は笑いながら俺の頭を撫でた。
💚「じゃぁ、あざといお詫びにカフェでも行く?」
🩷「え、行きたぁーい」
しばらくして、カフェに着き俺の分のドリンクまで注文をしてくれた。
窓際の席に並んで座った。
💚「佐久間、それ一口ちょうだい」
🩷「いいよん、は〜い」
カップごと差し出すと、阿部ちゃんは俺のストローを咥えて普通に飲む。
🩷「ねぇ、毎回思うけどさ」
💚「ん?」
🩷「自分の飲み物あるのに、なんで俺の飲みたいがんの〜?」
💚「えー? 佐久間の方が美味しそうに見えるから」
ケロッとした顔で言った。
ほんとこういうとこだよ阿部ちゃん!
💚「だめ?」
少し首をかしげて佐久間を見た。
🩷「あざと……っ」
阿部ちゃんは、またか笑と微笑みながら、今度は俺の方に身を寄せてきた。
🩷「どしたのぉ?」
💚「俺のも飲んでいいよ」
🩷「やったぁ〜!」
阿部ちゃんのカップを奪って、遠慮なくストローを咥える。
💚「ははっ、意外と乗り気じゃん笑 」
🩷「いや、こういうのは遠慮したら負けだかんねぇ〜」
軽口を叩きながらコーヒーを飲み、満足げに息をつくと、阿部ちゃんはクスクス笑いながら俺の肩にもたれかかってきた。
💚「ねぇ佐久間」
🩷「なにぃ〜?」
💚「俺たちさ、”共通点ゼロの両思い”って言われてるじゃん? 」
🩷「そだね、実際にも仲良いしね」
💚「……このまま付き合っちゃえば、ファンも納得するかな?」
サラッとそんなことを言うから、一瞬だけ思考が止まる。
🩷「……もぉー、ドキッとしたじゃん笑 冗談やめてよ〜 」
💚「うーん、どうかな?」
阿部ちゃんは俺の手を軽く握りながら、俺をじっと見つめ微笑んだ。俺は、逮捕するよ!などツッコミを入れ誤魔化したが、その目は妙に本気だった──。
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