この作品はいかがでしたか?
2
この作品はいかがでしたか?
2
学年一の優等生様には
才能がないらしい。
# prsk夢小説注意
# 魔法学園パロ
2024-04-17
________
コンコン、と扉の方から音がしたのは、
放課後の4時半過ぎのことだった。
「はーい」
丁度僕しか居なかったので、
僕が対応した。
「あれ?朝比奈さん?」
扉を開けた先に居たのは、
つい1週間前に会った朝比奈さん。
「あ…白月さん、お久しぶりです。」
相変わらず丁寧な人だな、
と思いながら僕は手に持っていた手提げに
目を移した。
「…あ、これですか?」
僕の視線に気づいたのか、
朝比奈さんは横にあった机に袋を置いた。
より正確性を求めるのなら、
手提げと言うよりかは学生鞄だ。
シンプルな柄のない紺色に、
友達からもらったのか、
キーホルダーが着いていた。
この学生鞄は学園指定のもので、この
学園に通う全生徒はこの鞄を持っている。
「えっと…あ、ありました」
学生鞄の中からファイルを取り出し、
更にその中から何枚かの紙を出す。
「魔法祭のことなんですけど…」
魔法祭、と聞いて僕は思い出した。
「あ、そうだった。
考えてくれたんですか?」
「はい。私はいいですよ。」
「!ありがとうございます!」
「えっと…ただ、それについて
相談があって…」
「?なんですか?」
「私は全然大丈夫なんですけど、
ただシフトが入ってて…」
シフトというのは、まぁ簡単に言えば
魔法祭当日、会計したり
接客したりする時間のこと。
朝比奈さんは人に対して接し方が丁寧だし、
トラブル対応も上手だ。
少なくとも、僕よりかは。
「あぁ…」
手渡された紙を見て、
僕は考え込んだ。
その紙に書かれていたのは
魔法祭当日の予定。
朝比奈さんのクラスの出し物はカフェ。
当日朝の開店…つまり9時半から
昼の12時まで、朝比奈さんは接客だ。
昼休憩の40分を挟み、次は
調理会計の役割。
そしてこれも間にある10分休憩を除くと、
ほぼほぼ休憩無し。
しかもカフェということなので、
かなりの客足が来ることが予想される。
特に昼が終わり、客の目的は
食べることよりも休むことに変わる。
どちらにせよ、
客はかなり来るのは確実だろう。
「確かにこれは…やる暇が…」
「でも、この昼休憩の時に早く食べたら、
いいと思うんですけど…」
朝比奈さんは昼休憩を示す
時間の所を指差した。
「…でも、そうしたら
朝比奈さんが辛くならない?」
「昼ご飯を食べてすぐ動いたら
横腹とか痛くなるんじゃ…」
「…大丈夫ですよ。私に任せてください。」
「…分かりました。」
「朝比奈さん、
魔法祭当日はお願いします。」
僕は頭を下げた。
こうして、魔法祭当日の
ゴミ処理問題は(一旦)解決した。
NEXT
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!