※本作品とご本人様達は一切関係ありません。
※検索避けのため伏せ字を使用しています。
※本作品は時代パロとなっていますが、作者の個人的解釈が含まれています。
 「 ci 」 『 syp 』
● ci side
 
 ?? 「 この丘からが一番良く見えるんやで !! 」
 
 「 ちょっ 、 早いってぇ 〜 …」
 
 ?? 「 ci 、 早く 〜 ! 」
 
 「 はぁ … はぁ … 。 」
 
 ?? 「 ほら 、 見て 。 ci 。 」
 
 「 ん … ??
 
 … わぁぁぁ … ! めっちゃ綺麗 !! 」
 
 ?? 「 でしょ !!
 
 父さんが教えてくれたんだ 〜 。 」
 
 「 人生で一番綺麗かもしれん … !! 」
 
 ?? 「 いいすぎやろ 、 笑 」
 
 「 ほんまやって !
 
 … いいなぁ 、 こんなこと教えてくれるお父さん … 。 」
 
 ?? 「 なんで ??
 
 ciのお父さんは教えてくれへんの ? 」
 
 「 ん ー … 俺のお父さんは 、
 
 勉強しろしか言わへんからな … 」
 
 ?? 「 え ー … 。 」
 
 「 でもな ! 姉ちゃんはな !
 
 … 姉ちゃん 、 はな … 。 」
 
 ?? 「 … ci 、 なんで 、 泣いてるん 、 ? 」
 
 
 
 ″ ハッ !! ″
 
 「 ″ ツー … ″ 」
 
 「 姉 、 ちゃん … 。 」
 
 久しぶりに見たな 。
 
 sypとの夢 。
 
 ″ スー ″
 
 襖が開く 。
 
 召使 「 ci坊っちゃん 。
 
 朝御飯のお時間で御座います 。 」
 
 「 ん 、 分かった 。 今行く 。 」
 
 俺は寝巻きを脱ぎ 、
 
 着物を着る 。
 
 その上に星浦家代々に伝わる家紋入りの羽織 。
 
 それらを慣れた手つきで着ていく 。
 
 無駄に長い廊下を渡り 、
 
 居間に向かう 。
 
 ″ スー ″
 
 襖を開け 、
 
 御膳の前に座る 。
 
 母 「 お早う御座います 、 ci 。  」
 
 「 お早う御座います 、 母上 、 父上 、 」
 
 父 「 … 頂きます 。 」
 
 母・ci 「 頂きます 。 」
 
 広い部屋に 、
 
 父 、 母 、 俺 、 召使が2人ぐらいいるのに 、
 
 響くのは食器と箸がぶつかり合う音 。
 
 母 「 ci 、 1つのものばっかり食べてないで 、
 
 順番にお食べなさい 。
 
 行儀が悪いわ 。 」
 
 「 … はい 。 」
 
 母 「 今日は修術 、 算術の先生をお呼びしているわ 。
 
 しっかり学びなさい 。 」
 
 「 … はい 。  」
 
 母 「 ちゃんと聞いているの ?? 」
 
 「 聞いています 。 」
 
 母 「 … はぁ  。
 
 姉さんは神様の所に嫁いだのよ 。
 
 悲しむことなんてないわ 。
 
 この村の為なの 。
 
 貴方も 、 あと1年程度で姉さんと
 
 同じ所に行くのだから 、
 
 それまでしっかりとお勉強して
 
 神様に失礼のないようにするのですよ 。
 
 分かっているの ?? 」
 
 何回も聞いた言葉の羅列 。
 
 「 … 分かってるてば … 。 」ボソッ)
 
 母 「 なんですって ? 」
 
 「 ご馳走様でした 。  」
 
 母 「 ちょっと 、 ci ! 待ちなさい ! 」
 
 母の呼びかけには一切反応せず 、
 
 自室に戻る 。
 
 
 
 姉が、人身御供になってから4年 。
 
 厳しい母とは正反対な 、
 
 優しく 、 俺を可愛がってくれた姉 。
 
 最後まで綺麗で強く 、
 
 涙1つ見せなかった 。
 
 逆に泣いている俺を笑顔で慰めてくれた 。
 
 「 ciのこと 、 ちゃんと見てるからね 。 」
 
 と 。
 
 父と母は悲しむどころか 、
 
 喜んでいた 。
 
 村の皆も姉が人身御供で身を捧げたら 、
 
 「 安泰だ 」 と 、 祝杯を挙げていた 。
 
 俺はどうしてもそれが理解できなく 、
 
 したくなかった 。
 
 そんな俺もあと1年で 、
 
 姉と同じ場所へ行くらしい 。
 
 こんな村とお別れできるのは嬉しいが 、
 
 俺はあと1年でどうしてもやりたいことがあった 。
 
 それは、
 
 もう一度あの丘で 、  sypと星を見ること 。
 
 
 ● syp side
 
 『 あれはなんていう星なの ?? 』
 
 父 「 あれはね 、 ベガっていう星だよ 。
 
 こと座の星なんだよ 。 」
 
 『 へ ー ! すっごく綺麗だね … !! 』
 
 父 「 やっぱsypは父さんの子だな !!
 
 父さんの星の話を聞いてくれるのは
 
 sypしかいないからなぁ 。 」
 
 『 俺 、 父さんの星の話大好きだよ ! 』
 
 母 「 2人とも ー 。
 
 そろそろお夕飯の時間ですよ ー 。 」
 
 『 今行く ! 』
 
 
 
 ″ ガシャン !! ″
 
 ″ ガバッ !! ″
 
 『 … 父さん 、 !
 
 もう 、 お酒飲まないでって言ったやろ … ! 』
 
 幸せだった夢とは打って変わり 、
 
 大きな音で起きた俺の目に飛び込んできた光景は 、
 
 酒瓶を片手に家の食器を割る 、
 
 俺に星を教えてくれた優しかったはずの父だった 。
 
 父 「 うるさい !
 
 お前には何も分からないんだ !! 」
 
 『 ッッ …  ! 父さんッ !
 
 母さんが死んで辛いのも分かるけどッ 、
 
 もう立ちなおってや … 。
 
 もうすぐで10年やで … !? 』
 
 父 「 うるさい 、 うるさいうるさい !!
 
 指図するな俺に !! 」
 
 ″ ドンッ !! ″
 
 父に振り払われ 、
 
 尻もちをついてしまう 。
 
 ″ バンッ !! ″
 
 扉を勢い良く開けて 、
 
 出ていく父 。
 
 『 … はぁー … 』
 
 俺は床に散らばった食器を片付ける 。
 
 母さんが病気で死んで10年 。
 
 母さんが死んだ時 、
 
 俺は食べれないくらいに辛かったが 、
 
 父の方が面を喰らっていた 。
 
 最初の頃は俺を世話できないほど衰弱し 、
 
 父は医師に引き取られた 。
 
 年月が経ち  、
俺の面倒を見ていた祖母が死に 、
 
 父はこの家に戻ってきた 。
 
 精神的には回復していたが 、
 
 夜になると悪化し 、
 
 寝るために酒を飲み始めたのが原因だ 。
 
 父が酒を飲みすぎるので 、
 
 貯金はいつもギリギリで 、
 
 父の面倒を見ながら
 
 繁華街で草履の修理の仕事をしている 。
 
 ″ ガラガラ ″
 
 俺は食器を片付け終え 、
 
 仕事に向かう 。
 
 父はこうやって家を出ていった後は
 
 山かどっかで昼寝をして返ってくるので 、
 
 あまり気にしない 。
 
 『 … 』
 
 家から出た後に見える大きな家 。
 
 他の家より高い位置にあり 、
 
 あの丘からも近い 。
 
 『 … ci 、 元気かな … 。 』ボソッ)
 
 つい 、 口から出た言葉 。
 
 ciは 、 昔 、よく遊んだ子 。
 
 ciに 、 お父さんから教えてもらった星について話すの
 
 楽しかったなぁ … 。
 
 まぁ 、 住む世界が違うから
結局長くは続かなかったけど 。
 
 そんなことを思いながらついた俺の職場 。
 
 朝から人通りが多く 、
 
 様々な人が通る。
 
 皆同じ顔をしてる村の人達より 、
 
 色んな人がいるから
 
 正直ここは好きだ 。
 
 ここは村から少し離れた 所だから 、
村から比べたらとても栄えている 。
 
 いつものように看板をぶら下げて 、
 
 客を待つ 。
 
 そして 、 いつものように草履を見て
 
 修理する 、 はずだった 。
 
 俺の前に1人の男が来る 。
 
 ?? 「 すいません 。
 
 草履の紐が取れてしまって … 。 」
 
 『 紐の修理ですね 。
 
 少し見せてもらってもいいですか ??  』
 
 俺は客の足の方を見る 。
 
 確かに 、 草履の紐が壊れている 。
 
 … にしても 、 ええ着物やな 。
 
 どこの家のやつや 。
 
 そう思い 、 顔を見る 。
 
 『 … ci 、  ? 』
 
 「 … え 、 ? syp … !? 」
 
 すいません !
訂正が一つあります … 💦
鎌倉時代パロ ➛ 大正時代パロ
古典は得意なんですけど 、
歴史が苦手で … 😅
 
 
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コメント
5件
主様のノベルで初めて人身御供って単語知りました‼️生贄とかより神聖だけど残酷って感じで好きすぎます🫶🫶 ふたりが遊んでたのめっちゃ前のはずなのに2人ともしっかりお互いのこと覚えてるの最高すぎました🫶🫶