午後12時13分
壁に掛けられた時計の針が
小さな音を立てて進んでゆく
昼休み開始のチャイムが鳴り早3分 、
教室の隅で1人机に突っ伏す
来る訳も無い彼を 、 先輩を 、
唯 、 待ち望む 。
1人で食べるという選択肢が浮かぶと同時に
廊下が黄色い声で溢れ始めた
「 ねえ 、 ! 」
其れと同時に嫌いな声が鼓膜を刺激した
酷く苛立った声に
此方も苛立ちを隠し切れない
「 アンタと先輩ってまじ何なの ? 」
汐 依 「 別に 、 只の知り合い 。 」
どうやら本当に先輩が廊下に来ている様で
自然と口元が緩んでしまう
羽 多 野 「 此れ羽希に迷惑じゃない ? 」
既に使われていない教室に入る也そう言われる
汐 依 「 ぁ ー 、 まぁそうですね 」
確かに迷惑だ 。
廊下は煩いし 、 彼奴らには質問攻めされる
正直に言ってしまえば 、
とても迷惑だった 。
でも
汐 依 「 じゃあ明日から私が行きますよ 」
でも先輩とのお昼ご飯は諦め切れないのだ
折角 、 誘えたというのに
折角 、 今も目の前に居るというのに
何より 、
先輩が好きだと言うのに
諦めよう 、 だなんて
1ミリ足りとも想えない
想える筈が無い 。
私は何時からこんなにも
人に執着する様になったのか
其れは恐らく先輩に出逢ってからだろうけど
羽 多 野 「 階段 、 面倒じゃない ? 」
面倒だ 、 凄く面倒だ 。
前の私なら
先輩の事すら避けていただろう
でも 、 今の私は
先輩の為なら何だってへっちゃらなのだ 。
汐 依 「 いえ 、 大丈夫です 」
羽 多 野 「 そう ? じゃあ待ってる 」
彼の優しい笑みに此方も安心する
其の笑みをずっと隣で見ていたい 、
だなんて叶わない夢を見る 。
汐 依 「 ダッシュで行きます ! 」
階段も 、 走るのも 、 其れも人の為なんて
本当は 、 大嫌いだ 。
羽 多 野 「 ゆっくりでい ー よ 笑 」
でも 、 もしも 、 其の先で
先輩が 、 大好きな貴方が 、
待ってくれているのなら
其れが例え夢だとしても 、
私は 、
全速力で駆けてゆく 。
コメント
4件
最初の12:13から好きです。 折角、ってところほんと先輩への想い溢れててすき 最後の駆けていくも羽希ちゃんの幸せが垣間見れてほんとに幸せ もう少ししたらこれも一年経つね あめちのノベルはこれが一番好き
稀すぎる朝投稿 学校あると浮上が難しくて 、 夜遅くになってしまうので偶には朝投稿にしてみました 此方の物語も割と久々ですかね 💭 毎話1000文字で頑張ってます 表現を増やすの大変 ( 黙