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…その夜、俺は目を覚ました。
体が重い。
というより動かせない…?
(まじか…これ金縛りってやつ?)
時計を見ると午前2時…。
瞬時、俺の脳裏に昨日の昼の光景がよぎる。
(…まさかな。金縛りって疲れから来るって言うし…。)
だがそんな考えもすぐに打ち砕かれる。
。?・、!?☠︎☠︎☠︎☠︎
(…!?)
耳元で何かを囁かれる。
(は…!?何だ…!?)
目だけで周りを見渡すと視界の端に何か黒いのれんのようなものが見えた。
…髪の毛?
その瞬間、全身に鳥肌が立った。
見るな。絶対に見るな。
本能がそう必死に訴えかける。
だが瞼が閉じれない、目が離せない。
恐怖の絶頂に達したその瞬間…
「っ…。」
俺は気絶した。
「…ん。」
カーテンの間から差し込んできた光によって目を覚ます。
…夢?
(にしてはあまりにもリアルすぎる…。)
…やっぱ疲れてるんだな。
「…しっかり朝ごはん食べるか。」
そうしてベッドから起き上がった時。
「…ッ!?」
気づかなかった。
部屋の中に充満する鉄の匂い。
あの女と同じだ…って事は…あれは…。
(そんなわけないだろ…!何考えてんだ…!)
その日の朝はあまり食事が喉を通らず、講義にも集中できなかった。
『…先輩?』
ビクッ
「Aか…どうした?」
『どうしたじゃなくて…あの、お昼ですよ…?』
「え?あぁ…。行くか。」
気づけばお昼になっていたらしい。
(しっかりしろよ…俺。)
『あの…先輩。』
「ん?」
『どうかしましたか…?今日ずーっとボーッとしてましたよ…?』
「え、あぁ…少し疲れてるだけさ。すぐいつもの調子になる。」
『ふーん…私に出来ることがあったら言ってくださいね?』
「あぁ…。」
【先輩…。】
「うわぁっ!?」
【先輩酷いっすよ…自分も一緒に食べたかったのに…。】
「ビビらせんなよ…!」
【あぁ、すみませんw今日ボーッとしてたんで…。】
箸の紙を手で弄びながら適当に帰ってきた謝罪。
(…マジかよ、俺Bに気を遣われるくらいやばいのか…?)
(…こいつらに相談してみて…って無理か。)
Aはビビるだけ、Bは好きだからこそそんな話聞き飽きてる。どうせ面白がるだけで終わるだろう。
(…とりあえず午後はしっかり受けないとな…。)
そうして俺は食器を片付けに行った。