病室には、ジーニストさんが椅子に座っていて…
「やぁ、美姫さん。邪魔しているぞ」ピシィ
と前髪を整え言った。
あ…あの後…
私はジーニストさんの元へ行き
『あの後…!大丈夫でしたか…!?お怪我は…』
私が言うと
ジーニストさんはニッコリと笑い
「大丈夫だ、問題ない」
と。
聞くとジーニストさんは、繊維を自由自在に操ることの出来る個性で、
まとっている繊維が無くならない限り
命に別状はないらしい。
『よかったぁ…
あの後心配で…よかったです…』
ジーニストさんまで、あんな危険な場所に
行ってしまって
…
意識が戻らないヒーロー、
たくさんの戦ってくれたヒーローがここに
入院していると聞いた。
みんな重症だと聞いた…
啓悟くんが繋いでくれた…
啓悟くんが犠牲になって情報をくれて
1番の脅威になるであろうヴィランと戦ってくれた…
それなのに…
1人でも死んでしまった人がいるのなら…
もしなんかあったら…私はもう。
下を向き手をグッ…と握りしめる。
そんな私を見てジーニストさんは
「大丈夫だ…」
と頭を撫でてくれた。
____
あの後の話をジーニストさんからも聞いた。
聞くと、
あの戦争での死者は18禁ヒーローと言われているミッドナイト
だそうだ。
『そう…ですか…』
聞いた事ある名前だ。
ヒーローは命をかけて戦ってくれた。
みんな、みんな。
最高のヒーローだ。
私がまた泣きそうになり口をギュッとつむぐと
ジーニストさんが重い口を開く。
ジーニスト「…エンデヴァーだが…」
あっ!!!!
『ッ…エンデヴァーさんは!!!!』
生きてるの!?
大丈夫なの!?
啓悟くんが大好きで
尊敬していて
あんなに大切に大切に持っているぬいぐるみの…
ジーニスト「麻酔で眠っている、全身に大火傷…だが命に別状は無い」
『よ…よかったぁ…….』
ポロポロと涙が溢れる。
啓悟くんが笑顔で楽しそうに話す、エンデヴァーさんの話を聞く度私も一緒にエンデヴァーさんのファンになっていた。
〜
「ヒーローが暇を持て余す世の中にするにはエンデヴァーさんが必須ですから」
〜
そう、いつも啓悟くんは言っていた。
『よかっったぁ…』
ポロポロと涙を流すと
ジーニスト「君は、よく涙を流す素直で感情の真っ直ぐな女の子だな…ストレートジーンズのように…」
と、言い頭を撫でていてくれた。
____
ジーニスト「ホークスの様子は?」
『1度目を覚ましたんですが、すぐにまた眠ってしまいました…』
「そうか…」
すぅ…ッすう…ッ
と肩呼吸する啓悟くんを無言で見つめる。
ジーニスト「何か…しゃべっていたか?」
『はい…とても、苦しそうにですけど
僕生きてるんだ…って私がここにいるなんて天国かなんかと思ったって…』
ジーニスト「ははは、そうか…」
そう言ってまた、無言で啓悟くんを見つめた。
しばらくして
ジーニスト「美姫さんはホークスの過去は知っているか?」
ジーニストさんが言った。
『はい、本人から聞きました』
ジーニスト「そうか…やはり、あなたには話していたか。」
『どうか…したんですか?』
ジーニスト「ヴィラン側にホークスの過去の情報が漏れている。
その手がかりを掴んだんだ。
あなたも…
着いてきてくれるかい?」
そう言って、医師に外出の許可を経て
意識のない啓悟くんを担架で何人かで運んで
ジーニストさんの車に乗って
ある場所へ____
向かった。
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