※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File96:フィクションの棺〉
「ああ。君の背骨は今日も美しいな、カグヤ」
たっぷり間を置いて、息を吹き返した。
絶佳の眼差しに私の姿を見つけて、歓喜が血液に乗って全身を巡る。
言葉を眩しく感じたのも、ただ手を引かれただけで震えるほど嬉しいのも、初めてだった。
智世にぶつけたい言葉の群れが我先にと喉元に迫ってくるのに、どれひとつ音にはならない。
微苦笑を浮かべた智世は、握ったままの私の手の甲を親指で撫ぜた。
「君が言ったんだぞ。3階からでも飛び降りられると」
「……2階からも飛び降りられないって言ったくせに」
智世の手首に巻かれた包帯や擦りむいた掌は、炎と煙から逃れるために3階から飛び降りたことを裏付けている。
服の下にはひどい打ち身が隠されてるはずだ。
きっと昨晩***********
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