『なぁレトさん。何を持ってけばいいかな?』
「パンツ持ってけば助かるやろ。」
『テキトーだなぁ……』
俺は北海道に行くための準備を進めた。
レトさんはもう準備ができているらしい。
のろまだとか言われるけど、ただレトさんが早いだけなんだよなぁ……
「キヨくん。」
『ん?』
「んー……なんでもない。」
『なんだよw』
たまにレトさんはこういう事があったりするから余計気になる。
友達だからちゃんと言えよな……
友達……だから……
『てか、今何時だっけ?』
「10時だけど……。」
『10時……?』
「……ッ!」
「飛行機って何時から出発だっけ?」
『11時……』
「ヤバっ!遅れんじゃんッ……!」
「だからのろまは……」
『まじかよぉぉぉッ!』
俺はそこら辺に散らばった洋服をかき集め、赤色のスーツケースに思いっきり
詰め込む。
「レトさん走ろッ!」
『う、うん!』
ガチャ
俺らは重い荷物を持って、家を飛び出した。
『タクシー……タクシーを呼ぼ……』
走ってから20分。流石に無理だと気づいた俺らはタクシーを呼んだ
「最初からコッチの方が良かったじゃん」
『使うお金を少なくしたんだよ』
「そう言うことか。」
2100円でーす。
「「ありがとうございましたー」」
『ギリギリ着いた……!』
「ギリギリでもないけどなw」
「それより、やっぱりタクシー最高!」
今の時間は10時40分。20分も余った。
でも何もすること無いんだよなぁ……。
「キヨくん!キヨくん!」
『なに?』
「しりとりしよ」
『しりとり、?』
しりとりなんて小学生以来だ。
あ、でも最俺たちと、やったっけ……?
『いいよ』
「やったぁ!じゃあ俺からね!」
「り、り、りゅう!」
『「う」……か。』
『う……うっしー。』
「うっしー!上手い」
『本当か?w』
「てか、うっしーに連絡とらなくて大丈夫かな?」
『確かに。今気づいたw』
うっしーはずっと遊んでた友達だ。
急に家を留守にしてたら、アイツもビックリするだろう。
連絡だけはしとくか……。
ピコッ
「あ、!そろそろ出発だって!」
『乗れるみたいだし乗るか。』
「いこー!」
レトさんの満面の笑み。
昨日あったことがまるで嘘のようだ。
『レトさん。楽しみでしょ?』
「なんでバレてんだよw」
『見ればわかんのよw』
「恥ずかしw 」
いつものくだらない話をして、俺らは飛行機へ乗った。
『レトさんって飛行機初めて?』
「ううん。2回目。」
「俺、関西から引っ越してるから。」
『あ、そういえばそうだったわ』
『……でもなんでそんな楽しみなんだよw』
「なんでだろーね笑」
またそうやって俺に疑問を持たせて……
少しくらい言ってくれたっていいのに……。
「キヨくんは楽しみじゃなかったん?」
『どーだろうね?笑』
「うわッ!ずるぅ……」
そう言って口を膨らますと、キャビンアテンダントが持ってきたオレンジジュ
ースを口いっぱいに入れた。
「このオレンジジュース美味!」
『そうなんだ……。』
「キヨくん……いらないの?」
『うん。』
「いっただきぃー!」
嗚呼。本当に無邪気だな。
これから2人で行くってなると、ちょっと心配だけれど
少し楽しみな自分がいる。
コメント
6件
キヨレト神すぎる!ノベルでもちゃんと背景(?)とか色々わかって凄い!(語彙力)
皆さん、地震大丈夫でしたか? 千葉の方の方は、気をつけてください🙌