いつも通り色んな女と連絡を繰り返す。『また会おうね』『今日はありがとう』『そろそろ付き合おうよ』等など、付き合ってるやつもいればセレフの奴もいる。
「あーあ、このセレフもそろそろかねぇ」
安い家に薄っぺらい敷布団 こんな所に女なんか連れ込めねぇよ、ま、女がホテル代出してくれるからいいんだけど
ドン…ドン ドアの方から大きい音がしだした
「は、?」
ドンドンドンドン
『ユウさ〜ん、居るんでしょ〜?』
女じゃない、男の声だ
嫌な予感がした、逃げなきゃと思った。
「くそッ」
幸い1階だったからベランダから飛び出して走った
裸足で走った足は傷だらけで血と土で汚くなっている。でも止まれない、止まったら、
「はぁッ…はぁッ」
ここまで来れば、
「ハーイ、どこ行くのかな?」
鬼ごっこは終わったかな?と座り込んだ俺の上から覗いてきたのは、男?
「キミは〜、ユウクンであってるよね?」
「なん、な」
「気づかなかったの?ずっと後ろにいたよ」
男は正面に回って顔をズイっと近づけてきた、驚いて俺は後ずさった。
「キミすごい恨まれてたね〜」
「は、なんなんだよ」
「ユウクンにはうちの所来てもらう事になってるから、大人しく来てね」
「ひっ、」
逃げようとしたが腰が抜けたようで動くことが出来なくなっていた。
少ししたら眠気が襲ってきて、そのまま意識を手放した
「ひゅ、」ガバッと勢いをつけて起き上がる、起きたら俺の家の敷布団とは思えないほど、ふかふかで白くて綺麗なベッドにいた。
「ん?起きたかな?」パタン、手に持っていた本を閉じた、この男がいる場所は俺が今いるベッドの横にある椅子に座っている。
「なん、だよ、ここ」
「イライされたんだよ」
「依頼…?」
「依頼人と要件は言えないけど、少しだけヒントあげるー」
「君を恨んでいて、ああ女性だよ」
「くっそ、」いすぎて分からないッ
「いっ、」傷だらけになった足が立ち上がった時に傷んだ、よく見たら包帯が巻いてある
「?どこいくの?」
「帰るんだよ」
「…帰れると思ってたんだ」
「は、?」
ゆらりと立ち上がったと思ったら俺の腕を上に掴んでベッドに押した。
「は?」
「これは、依頼と言うより僕自身なんだけどね」
何かをボソリと呟いていた
「は?どうい、」
いきなり言葉が止まった、キスをされて口が塞がった。
「んなッ」
ぢゅる、ちゅ と音を立てながら吸って、軽くキスをして、下唇を噛まれた、俺は、キスなんてしたことも、されたこともねぇんだよッ
「?初めてなの?」
「あ”、?ちげーし」熱くなった顔を背ける。
「カワイーネ〜」
「僕はリンだよ、好きに呼んでね」
リン、と名乗る男は片手で俺の両手を上に押さえつけもう片方の手で俺の顎を掴んで前を向かせた。
「これからよろしくね、ユウくん」
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