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⚠注意⚠
このお話はクトゥルフ神話TRPGキルキルイキルのシナリオを元とした一次創作です。
そのためシナリオのネタバレを盛大に含みます。
キルキルイキルをプレイする予定の方、 配信を見る予定の方などは回れ右をお願いします。
また、本作品をTwitter(現X)等のSNSでの拡散は絶対にお止め下さい。
誤字脱字等が見られることがあるかもしれませんがそっと目を瞑ってやってください。
本作品は全てフィクションです、実在する人物や組織、事件とは一切関係ありません。
《登場キャラクター》
[嘉山翔命]18歳 男
少し前髪重めのナチュラルショートヘア、黒髪、つり目or細めでタンザナイトのような碧眼、大体は白シャツに紺色のカーディガンを着ている、常に冷静沈着(を装っている)、あまり大声を出すのが得意では無いタイプ、部活は陸上部(短距離選手)、好きなことは読書、誰かと一緒に静かに本を読んだり、一緒にいるのが好き(よく言う寂しがり屋。)
「新木紘也」18歳 男
右寄せのセンター分けで肩ほどの長さの髪をひとつに束ねている、ブルーブラック色の髪、ジト目で大きめのレモンクォーツのように透き通った黄色の瞳、大体は黒のシャツを着ている、どことなく騒がしく考えるよりも先に行動する(たまに度を越してうるさい)、部活はバスケ部(センター)、性格上嘉山との相性もよく、好きなことは嘉山翔命と一緒にいること。
《二人の関係》
小学の頃であった幼馴染、自分のことや趣味の話をしていくうちに趣味嗜好が合い、段々と中が深まっていった、中高同じ学校に通学、現在は2人でバイトをして、お金を程よく稼ぎ、ルームシェアをしている。
《ふたりの能力値》(一般男子高校生基準)
_貴方たちは、ルームシェアをしている。
ある日目を覚ますと、そこは2人で共有しているダイニングルームであった。なぜこんなところで寝ていたのか、全く見当がつかない。食卓に腰掛け、そのまま机に突っ伏して眠っていたらしい。どうしてこんなところで寝ているのか、まったく覚えていない。貴方たちが身を起こすと、卓上には見慣れぬ一枚の紙が置かれていた。 卓上のメモには、走り書きの文字でこう記されている。
「生き残りたければ、もう一人を殺せ」
嘉山side
〜ダイニングルーム
[……ん…]
「…ふわぁ……」
目を覚ます、前方からの大きな欠伸が聞こえ顔を上げる。そこから少し辺りを見渡してようやくここが2人で共有しているダイニングルームだということに気がつく。
室内は明るく、新築のようにピカピカだ、掃除も隅々まで行き届いており、使用感があまりない、この部屋はこんなに綺麗だったかな。ルームシェアを始めたのは最近の話では無いはず、でもいつ頃ルームシェアを始めたのか、記憶を掘り返そうとしても思い出すことができない、てかなんでここで寝てたんだっけ、寝る前、何してたっけ。
[あ、れ…..なんでこんなところで…..]
「んー?…変だね、?こんなところで寝てたら風邪ひいちゃうね…..」
薄く開かれた瞼の裏から除くレモンクォーツの瞳と目が合う、なんだその阿呆みたいに綺麗な目は
[あぁ…..お前か…]
「え…..存在否定?」
[なんでだよ…..そこまで言ってないだろ]
「よかった…」
まだ少し眠たそうにしている顔を少しだけへにゃっとさせ首を少し傾げて笑う
長い時間同じ姿勢で寝ていたのか、固まった体を解す、関節から小さく音が鳴る、そのまま腕をグッと伸ばす、少し肩がこっている気がする…..
腕を下ろし、視線を戻すと、ふと視界の隅に何か映る
[…..これ、なんだろ…]
そこにはクリップバインダーに挟まれたA4サイズの白い紙、用紙の下半分に走り書きの文字が書かれている
「えーっと…«生き残りたければ、もう1人を殺せ»…?って…」
[え…何それ物騒]
「こわぁ…..なんでこんなもん置いてあるんだろ…」
[え、なにお前じゃないの]
「疑わないで、?ふざけてもこんな物騒なことは書かないよ…」
少し困ったように眉を下げると、はは、と小さく笑う
[そう…..]
「え、そんな怪しい?」
[別に、お前に限ってそれは無い、なんかのイタズラだろ、空き巣でも入ったのかな、それか紘也のストーカー]
「ストーカーがいるかは置いといて、空き巣は怖いなぁ..一応部屋…私物取られたりしてないか見てみる?…」
[あぁー…そうしよ]
「おっけー」
椅子を引き立ち上がり、自分の部屋に向かう
紙に書かれていたあの文字に、どこか見覚えがあった。
ガチャ
空振り、ドアを押しても開かない、 鍵を開けるのを忘れていた、少々雑にスボンのポケットに手を突っ込む
少し漁ると鍵を見つける、手に持った鍵を鍵穴に差し込み捻る、 部屋の扉を開け、中に入る
〜自室
6畳程度の部屋、カーテンは閉めきっていて部屋は暗い
電気をつけ、違和感を覚える
[…..?]
_こんなに、物少なかったっけ?
まずは本棚、漫画や小説、参考資料やアルバムなどで埋め尽くされていた棚は、約半分ほどに減っている。 でも、どれが無くなったのか思い出せない、好きで集めていたはずのものだったのに、なぜ思い出せないのだろう
次に衣類棚、そこまでファッションには興味がないから服の数は少なかったものの、さらに減っている、ここも約半分程度。 これも、数少ない服だったが、どの服が無くなったのか思い出すことはできない
ベットは特になし。
最後に机、机の上には充電されたままの端末と、開かれたまま電源が落とされたPCが置いてある
時間を確認しようと、スマホを開く
19:34、うん、夜だ、いつ眠ってしまったのだろう、思い出せない…..
いつも300件くらい溜まっているはずのメールの通知が1件も来ていない、これはかなりの異常事態
あ、電波が切れて圏外になっている
PC….と思ったが繋がらないか…..電源自体は問題なく付くのだが、やはり電波が繋がっていない
紘也の前では冷静を保とうと必死ではあったがさすがにちょっと焦る、 少し外の空気でも吸いに行こう
そう思い、一旦深呼吸をしてからカーテンを開ける、いつもの夜景だ
鍵を開け、窓に手をかける
[え…..?]
_開かない、窓があかない、どれだけ力を加えても。
嫌な汗が頬を伝う、心臓の音がやけにうるさい、少しは落ち着いていたはずの体が強張る
いいや、きっと立て付けが悪くなっているだけのはず…紘也に話して大家に、…..
あ、圏外になってるんだった…..
..と…とりあえず部屋は一通り見終わったし、一旦声掛けに行くか、俺がこんなに焦っていたら紘也に心配をかけてしまうから、落ち着いて、深呼吸、大丈夫、大丈夫…
[ふぅー…..]
〜紘也の部屋
カチャ
あ、開いてる
[入るよ]
「んー」
[ひろ、部屋どう?]
「部屋見終わった感じ?」
本棚に入っていたであろうアルバムを手に取って見ていたのか、アルバムを閉じるとこちらに目線が向く
[うん]
「そっかそっか、僕んとこは全体的にものが半分づつ減ってたな、あと…スマホが圏外になってるみたい通信障害でも起きてるのかなぁ…」
[物の状態は俺も同じ感じ、スマホもPCも使えない、あ、あと窓、ベランダの、確認した?]
焦って言葉が繋ぎ繋ぎになってしまう、落ち着け
「いや…まだだけど何かあったの?」
[その、鍵は開けたんだけど、窓が開かなかった、立て付けが悪くなってるからかと思ったけど…電話しようにもできないから]
「ま…じか、おっけー試してみる」
[お願い]
そう言って本棚にアルバムを仕舞うと、カーテンを勢いよく開け、鍵を開ける
カチャ
「………..」
[開かない…..?]
「…うん…..ビクともしない…」
[一緒に引いてみる?]
「やってみよ」
2人でドアの縁を掴んで力を込める
中々の馬鹿力が揃っているのに開かないのは立て付けの問題では無いのだろう
「…..だめかー…..」
[ダメっぽいなぁ…..]
[どうしよう、ね]
「あ…あとさ、これ、机の上に置いてあって」
そう言って、机に置かれていたのであろうスクラップを渡してくる、どれもこれも行方不明事件に関する記事を切り取ったもの、記事自体は大層古く、もう何年も前のもののようで。
「この、記事……」
[……]
〈_昨日未明、福島県××市に住む、10歳の児童2名、嘉山翔命 くん、新木紘也 くんが行方不明となった、彼らは2人で外出したあと、行方が分からなくなっている、2人が訪れたとされている山には何者かの血液が残されており、誘拐・殺人事件の両面で捜査を進めている〉
[…..え?]
[じゃあここにいる俺はなんだ…..??]
「いや…..わかんない…..同姓同名…..なのかな……」
[..はー…だったらいいんだけどな]
「まぁね…」
「んーそうだ…一旦…玄関見に行ってみよ?」
[だね、行こ]
〜玄関
玄関の鍵を開け、チェーンを外す
[……..]
扉を押しても微塵として動かない
「…嘘でしょ…..やばいな…」
[…流石に、可笑しいよな…..]
少し停止して頭を抱えていると
「……あれ、」
紘也がドアスコープを覗いて首を傾げていた
「…..ここって、覗いたら…街並みとか… 見えるよね」
[そのはずだけど…俺も見ていい?]
「あぁ、見て見て」
ドアスコープを覗き込むと、少し先に薄汚れた白い壁のようなものが見える、いつもだったらここから覗くと街の風景が見えるはずなのだが…謎の白い壁に覆われているようで何も見えない
「…..なんか、見覚えあるんだよなぁ……」
[…..見覚え?]
「…うん、少しだけね?」
見覚え、か…そうだな、俺には全く覚えのない景色だ、だいたい、そこに壁なんてなかったはずだし
[まぁ…..気の所為だろ]
「気の所為…なのかな」
少し俯き、顎に手を当て考え込む紘也を横目に郵便ポストを漁る
ガスの請求書だ、まぁ5000円前後、契約人名義には俺の名前が書いてある
[うん…..ガスの請求書な、よし]
[一旦ダイニング戻ろ?お腹空いた]
「うん..そうだね…僕もお腹空いた、何かあったっけな…..」
そう言うと、ふたり同時に腹から空腹を伝える音が聞こえる
[…..んふっ]
「ブフッ….. 」
思わず顔を見合わせ、声を出して笑う
〜ダイニングルーム
「か、翔命…」
[ん?]
「飾り棚に…こんな金庫あったっけ…..?」
飾り棚の一番下に身に覚えのない 約50cm四方程度の金庫が置いてある、金庫には鍵穴がついている
[なに…これ、いや…..まっったく記憶にない…..]
「…僕も、」
[癖の強い…空き巣だなぁ…..]
「まさかの空き巣が置いて帰った説」
「…..なんか入ってんのかな」
[鍵…部屋のだけど刺してみる?]
「やるだけやってみるか」
[うん]
双方の部屋の鍵を試したが全く形が合わなく、刺すことすら出来なかった
[…ダメっぽいな]
「みたいだね…」
「持ち…上げてみる?」
[めっちゃ重そうじゃない?]
「2人の力で…」
[やってみるか]
「よし」
せーのっ、と2人で声を出して、精一杯に力を込める
少しだけ金庫が持ち上がり傾くと、中で大きな何かがゴロンゴロンと転がる音が聞こえる
「ッア゙!おんッッッッッも!!」
腕の限界が来て、ガタンッと金庫は手から離れる
[腕がぁ…..]
[あ、でも…なんか中に入ってたっぽいな]
「うん、なんかゴロゴロ言ってた」
[円筒状の?…かなんか..が]
「そうっ、ぽい…」
[はぁ…..わかんないや、ついでに棚も調べちゃお]
「じゃあその間にキッチン見て特になかったら飯作っとくわ」
[お、まじ?ありがと]
「はいよー」
金庫の次に目を引く写真立て
俺らが10歳頃の写真、夏に2人で遊びに行った時親に撮ってもらった写真だ、遊びに行く前、家の前で親に撮ってもらったものである、虫捕りをして、その日は日が落ちるまで外で遊んでいたことを覚えている
[…懐かしいな…..]
そういえば、俺はこの日、遊びに出かけたその帰り、親から「危ねぇから近づくんじゃねぇぞ」と言われていた町の裏手にある山へこっそり2人で 遊びに行ったことを思い出す、なぜだか今の今までそのことをすっかり忘れていた
[あれ、でも…山..に、行って…..それで…?]
一瞬、ズキっと頭に痛みが走る
思わずこめかみに手を当てて少しだけ俯く
[…っ…….]
最後は2人で共有して使っている救急箱、棚から取り出し中を開けると、1箇所不自然に空いている空間がある、ちょうどなにかの薬箱が収まる程度の空白、ここ、なに入ってたっけ……
〜キッチン
[ひろ、なんか無くなってた?]
「…まぁまぁ無くなってる……」
[まじか…..]
キッチンを隅々まで見たところ、キッチン専用の蓋付きのゴミ箱、食器棚にしまっていた、カレー用の大きめの皿2枚といつも使っているガラスコップが2つ、戸棚にしまっていた包丁が数本無くなっていたらしい
それはそれとして、何かあるもので料理をしようとした時、コンロの上に置かれていた寸胴鍋の蓋を開けると、カレーが入っていたらしい、昨日、晩御飯にしようとカレーを作っていた、らしい、でも、カレーなんて食べたかな
「とりあえずカレー温めたから食べよ?」
[うん、そうだね]
そう言って米をよそって置いてくれた少し大きめの丼皿にカレーをよそう、カレーの熱が皿を通って手に伝わると、ほんの少し、心が落ち着くような気がした
カレーを机の上に置いた後、嫌に静かな雰囲気を紛らわそうとテレビをつける、定番のニュース番組が流れている、その番組に既視感がある、再放送なのだろうか、昨日の朝同じ内容のニュースを見た気がする、まぁ、でも、気の所為だろ
「いただきます」
[いただきます]
スプーンでカレーライスをすくい、口に運ぶ
[…..ん…]
口の中に入れて、咀嚼した瞬間、 直感的に美味しくないと感じた。 味がしないのか、まるで練った小麦を噛んでいるようだった。
「やっぱ2日目のカレーだな…でもちょっと濃すぎるかなぁ…..」
まるでキランッと効果音が入りそうな謎のキメ顔でそう言ったあと、少しだけ心配の表情が見える、喜怒哀楽が分かりやすくて、なんだか可愛いなぁと思う
[あぁ…そう、だね、大丈夫、濃すぎないよ?うん、美味しい ]
「ん、美味しい?よかったぁ」
安堵したような顔をした後、口角を上げて微笑む、 この笑顔を守るためなのだ、本当の事なんて言えない、言いたくない、言わなくていい、しゅんとした悲しい顔はさせたくないし見たくもない。
なんとも言えない気持ちでカレーを食べ終えた
[ごちそうさまでした]
「ごちそうさま〜」
[洗い物、俺するから、テレビでも見てゆっくりしてて]
「お、まじ?ありがと」
[準備してもらったから]
「言うてあっためただけだけどね…頼んだわ」
[おう]
蛇口を捻ると水は普通に出た、よかった、冷蔵庫にも材料は入っていたし、数週間は持つだろう
泡立てたスポンジで皿を洗う、温水になるまで時間がかかるなぁと思いながら諦めて冷たい水で洗う、冷たすぎてぬるく感じてくる!
手に付いた泡を水で落とし、タオルで手を拭く
[終わったよー風呂入る?]
「ありがと、入る〜」
「一緒に入る?」
[絶対狭いからやめとく]
「おけ」
[じゃそのついでに水場の散策もしよ]
「あーいいねそうしよ」
そう言って2人で水場に向かう
〜水場
スキンケアやオーラルケアなどのアイテムが二人分置いてある、特に共有して使用しているものがないため割とごちゃごちゃとしている。そういえば自分の歯磨き粉が減っている、外に出れるようになったら買いに行かないとな
ふと鏡に映る自分の顔を見る、 自分の額、額と髪の生え際あたりに小さな見慣れぬ傷跡を発見する。傷跡はずいぶん昔のもののようで、今ではすっかり桃色の肉に覆われ少しだけ盛り上がっている、こんな傷、いつつけたっけ、まぁ塞がっているし大丈夫か。
「あ、洗濯カゴがない」
ぼーっとしていたせいで、声をかけられ思わず少しだけ体が跳ねる
[ま?]
「ま、」
洗濯機の辺りを見ると、確かにいつも置いてあった脱いだ服を入れておくカゴがない、癖の強い…空き巣だな
[ほんとだ]
「トイレは特になしだな」
さしあたって変哲のないトイレ。
「風呂は〜」
こいつ行動早すぎだろ
「あ、そういや昨日特売で買ってきた入浴剤使ったらね、結構効いた気がする」
[お、よかったやん]
風呂…入ったっけ?でもまぁ、匂わなしいいか
「じゃあ風呂…..」
入るわ、と言葉を紡ごうとしたのかもしれないが、その言葉を最後まで聞くことは無かった
〜ダイニングルーム
気がつくと、さっきまで水場にいたはずの俺たちは再びダイニングルームに戻ってきていた。何かが腐ったような異臭を覚える。新築のようにまっさらだった室内は一瞬で数年の時が経ってしまったかのように色あせ、至る所が劣化している。
✂︎————————-あとがそ—————————✂︎
ちっすども作者です。書き納めっす
なんか突発的にキルキル書きたくなって…..いやクリスマスプレゼントと言ってキルキルのルルブ(PDFの)買ってもらったんすよ!BOOTHで!!ありがとうMyMother…
いやー男の子キャラも書くの楽しいね、あ、これキルキル知ってる人だったら既にどっちが脳移植されて生きた側がわかりそう、しらんけど
一次創作だから伸び悪かったら第2フェーズとかは出さんわ、多分、僕が虚しくなるだけだから( ᷇࿀ ᷆ )
てか思ったけどあとがきって何書くの
まぁいいわ、ここまで読んでくれてありがねん
ばいばぁい