第43話 アヤメの過去 2⁄4
前回までのあらすじ
お母さんが錠剤を6個貰った。以上。
※ここから下もアヤメ視点になります。眠い…
「皆さん。部屋に入りましたか?」
部屋の中にあるスピーカーから声がする。私たちのいる部屋は「104号室」だ。
「その錠剤は、水がなくても飲めるタイプです。でも、どうしても飲めない、という人の為に、そちらに水、お茶、ア◯エリ、コーラなどが入ったドリンクバーがあります。無料なので、喉が渇いたらぜひ飲んでください」
意外と豊富だな。
「また、3食の間に『小腹がすいたな』と、思ったらお近くのスタッフにお声掛けください。簡単な軽食を出してくれます」
あれ?意外と優しい?
「そして、『退屈だな』と思ったら、お近くのスタッフにお声掛けください。テレビゲームやボードゲーム、音楽プレイヤーを出してくれますよ」
不思議なポケットかよ。・・・。どういうツッコミだよ。
「室内の説明は以上になります。今後不明な点がありましたら、スタッフに知らせてください」
スタッフ頼りすぎだろ。
「それじゃ、美涼よ」
「な、なに?そんな覚悟を決めたような目をして」
「私、この錠剤飲んでくる」
「水は…流石に使うよね?」
「梨だ」
無しだろ。
「無しだ」
言い直した。
「喉に詰まらせないようにね」
「あぁ。マカセロリ」
さてと、私はこっちで飲みますか。私は一つだけだからね。一応水使うか。
ゴクンッ
よし。…。別に変わったことは無いな。
「お母さん、飲めた? 」
「ブクブクブクブク」
「オマッお母さん!?」
「み、水…」
「もー!水なしで飲むって言ったから!」
「梨の果汁でどうにかなると思ってた…」
「持ってたのかよ!」
ゴクゴクゴク
「あ、ありがとう美涼」
「も〜。そんな無茶するから…」
「あはは、心に刻んどく…」
バサッ
「え?ま、待って!スタッフー!」
そうして、お母さんは会場内の医務室に運ばれた。一気に飲むから…。
にちのうcv.白衣を着た科学者
「お母さんは気絶しています。あと数分もすれば起きるでしょう」
「ありがとうございます」
なんでお母さんはこんなに見栄張りなんだろう?
「美涼…ごめんね。心配かけさせて」
「ところでお母さん。もう錠剤は飲まないよね?」
「流石にもう懲りたよ」
「ねぇお母さん。なんか変わったところとかある?」
「変わった…ところ?そういえば…」
スゥ… シュッ
「壁に物を埋め込めるようになったよ」
「えー!?」
あまりの驚きに腰を抜かしてしまった。流石にびっくりする。何だこの能力は…。
「おぉ。ついに出ましたか」
「なにが?」
「私たち、『固有力』の研究をしているのです。そこで今回、『固有力』を発現する薬を作ったのですが…皆怪しがって誰も飲まないのです。そこで、お金を払えば飲んでくれるのではないかと踏んで、今日に至ります」
「固有力」?なんだその厨二病全開ワードは。
「あなた達は『固有力』を発現させた貴重なデータです。少し調べさせて頂きますね」
パチンッ
バサッ
なんだ?急に…意識…が…。
・・・。
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