注意事項
・一話参照
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「…ごふ"ッ、ぉ"ッ。」
「shp!!」
吐瀉物を撒き散らすと同時に、shpは地面に倒れ込む。
傷が酷く、風邪をひいてしまったようだ。
tnはマフラーをshpに巻き、背中に背負う。
「よしゃ、もうすぐ山頂や、降りればW国に着くからな。」
と、言うがtnも凍えており息が上がっていた。
ここは雪山である。
W国と、A国の国境線にちょうどある雪山だ。
吹雪も凄く、標高も高い。
斜面も急で、崖も沢山ある。
それに加え、沢山の木が植えられていて迷子になりやすい。
ここを登り、降り切ることができるのは、W国かA国の軍人でなければ不可能だろう。
「…ッ、はッ、ふ、」
「…ぅ"、ごぷッ。」
tnは等々膝を着いて倒れた。
tnとshpはA国付近のB国に行っていた。
話をするだけのはずが、攻撃をされたので急遽帰ることになった。
帰還の車は時間がかかるため、走って帰ることにしたのだが、途中でshpが足を撃たれてしまった。
そんな中、この雪山を登るのはキツイのだ。
「…ッ、ぁ、ぇ??」
サクッサクッ。
と、雪を踏む音が近付く。
黒色のコートが目に入った。
gr?いやまさか。
彼がここに来るなんて危険すぎる。
黒色のコートの男は、tnに肩を貸して、歩き出した。
誰だか分からないし、知らない人に着いていくのは危険だが、今は体力の限界だった。
tnはshpを離さないようにしっかりと背負った。
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「うーん……、んはッ!?!?」
ホカホカと暖かい気がして目を覚ます。
布団の前には暖炉があり、パチパチと木が燃えていた。
黒色の毛布に身体を埋めて、周りを確認する。
隣にはshpが寝かされていた。
怪我部分には包帯が巻かれており、額にはタオルが置かれていた。
誰かが助けてくれた。
そう判断する。
部屋を確認すると、ライトはなく、カーテンから入っている日差しだけが光だった。
部屋はほとんど黒色で、まるで明るさを隠しているような部屋だった。
すると、かちゃり、と戸が開いたので咄嗟に布団に顔まで埋めて隠れる。
へたへた、とスリッパの音がした。
ちらり、と音の原因である男を見る。
鼻先まである長い前髪に、後ろ髪は束ねていた。
漆黒のような黒色髪、少しだけ毛先は跳ねていた。
口元は、服で隠されていた。
服もまた、長袖長ズボンの黒色の服だった。
shpの額のタオルを取り、バケツに入れると、パチャパチャと濡らし、ぎゅーっと絞った。
それから、額の暑さを確認し、タオルを置く。
「…ん、ぐぅ。」
shpのズレた毛布を肩まで持っていく。
男は無言のまま、tnに近寄った。
思わず目を閉じる。
彼は、tnの額を触った。
すると、ポケットからタオルを取りだし、額を拭った。
汗でもかいていたのだろうか。
それから、彼はtnの毛布を取り、薄い布団に変えた。
また、肩まで持っていくと静かに部屋を出て行った。
「…、なんや、あいつ。」
もぞ、と身体を起こす。
「…tn、さん、??」
「shp!!」
shpが目を覚ましたようで、こちらを見ていた。
tnは立ち上がり、頬に手を当てる。
「怪我は??熱も、」
「んー…、ちょっと楽です、それより、ここは??」
「さあ、分からへん。知らんやつに助けられたっぽいわ。」
「…そっすか、にしても暗いっすね。」
「ライトが全部取られとる。」
天井を指さすと、shpがつられて天井を眺める。
「困ったな、これからどうしようか。」
「…んー、ワイはまだ眠いっす、。」
と言って、毛布を頭まで被った。
tnが笑っていると、扉が開いた。
「…!!!」
男は驚いたように目を見開いた。
手には暖かいお茶の入ったカップが2つ。
「あー…っと、助けてくれてありがとうな。」
「…、」
ふるふる、と首を振る。
「…ここ、どこ??」
「…、」
男はカップを机に置くと、ポケットから地図を取りだした。
雪山の地図だ。
ちょうど、頂上を指さす。
そこには確かに、大きな建物のようなものがあった。
「えっと、この建物??」
「…。」
こくん、と頷く。
「じゃあ…お前の名前、教えてくれるか??」
と、問うと少し考えたように時間をかけたあと、tnの手を取って、人差し指で書いた。
ぺ、ぺ、と。
「pp…??」
「…。」
こくん、と頷く。
「ppさんか。俺は、pg(ピグ)や。こっちは、ct(キャト)。」
他人に本名を言うのは危ないため、tnは豚を英語に、shpは猫を英語に、pig、cat、から取って名前をつけた。
ppはしばらく固まったあと、こくんと頷いた。
カップをtnに渡した。
毒があるのではないか。
そう思い、戸惑っていると男は察したのかカップを取ってお茶を飲んだ。
「…、」
それから、小さく頭を下げた。
へたへた、とスリッパの音を立てて部屋を出ていく。
なんだか、傷つけてしまっただろうか。
「…tn、じゃなくて、pg、さん。」
「…ん、あ??ああ、どうした??」
「これから、どーしますか、??」
「一応連絡入れとくわ。場所も分かったし。」
「はーい。」
shpは布団に潜った。
「寝てていいっすよね??」
「ああ。」
「わーい」
tnは通信機を取り出し、連絡を入れる。
場所を送り、そのあとここにいる人のことを…
と思ったが、送る途中で電池が切れてしまった。
場所は送れたし、きっと大丈夫だろうが。
「…、」
こんこん、とノックがされる。
「どーぞ。」
と声をかけると扉が開き、ppが入ってきた。
ppは時計のような物を持っていた。
そういえば、この部屋に時計はなかった。
ppは時計を壁にかけて、針をいじった。
ああ、もうこんな時間か。
「あー、っと。夜ご飯はどーします??」
と、tnが尋ねるとppは部屋の外を指さした。
「…貰えるんですか!!」
「…。」
こくん、と頷く。
ppは部屋の外へ出ていった。
「…ct、飯やけど、」
「…んー、」
「…こっちに持ってくるわ。」
tnも部屋を出る。
長い長い廊下を歩くと、リビングのような場所に着いた。
ここもまあ、暗い部屋だった。
机にある小さなランプだけが明かりだった。
机には色んなご飯が並べられていた。
「わー!!こんな豪華な!!ありがとうございます!!」
「…、」
こくん、と頷く。
そういえば、ppは服で口元を隠しているけど、見れるだろうか?
そう思いながら、箸を持つ。
ちらり、とppを見る。
ppと目が合った。
ppは頬杖をついてこちらを見ていた。
「…あー、えと、いただきます。」
「…。」
こくん。
「ppさんは、食べなくてええんすか??」
「…、」
こくん。
「…毒とか、ないですよね、??」
「…??」
「し、失礼なこと言うたわ、ごめんなさい!!」
「…、」
ppは服を少し下げて、口を出した。
綺麗な口だった。
でも、横に裂けたような、赤色の切り傷があった。
もう治っているが、痛々しい。
ppは箸を持ち、tnの食べようとしていた目玉焼きの少しを取って口に入れた。
もぐもぐ。
「…。」
こくん。
「ありがとうございます、わざわざ。」
飲み込むと、また服で口を隠してしまった。
「改めていただきます!!」
目玉焼きを口に入れる。
ペペロンチーノ、とかいうやつだろうか?
パスタも口に入れる。
美味しいものだらけだ。
ふと、ppの頭の先が目に入った。
「…ppさん、髪の毛染めてるんですか??」
「…??」
「ほら、頭の上の方が水色やから。」
黒髪に混ざって水色の毛が見えていたのだ。
綺麗な水色だな。
いっそのこと、全部水色に染めればいいのに。
この暗い部屋も少しは明るくなりそう。
tnはそう思いながら見ていた。
「…、」
ppは水色の部分を隠すように手で覆った。
「俺、黒髪やけど毛先だけ赤色なんやで。」
豚の仮面を取って、髪の毛を見せる。
「俺も黒が地毛やけどな、とある人に赤色に染めろって言われて、少しだけ染めた。」
「…、」
「全部赤色は目立つやん??それはそれで大変やなぁって。」
「…、」
こくん。
「水色好きなん??俺もなぁ、水色髪の友人が……。」
……あれ?
水色髪の友人?
そんなやついただろうか?
なにを言ってるんだ。
「…すまん、なんでもないわ。」
「…、」
こくん。
「この残り、ctにあげてええか??」
「…。」
こくん。
「ありがとう。ごちそーさん。美味かったわ。」
「…。」
こくん。
tnはペペロンチーノを持って部屋に戻った。
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「ct~、ペペロンチーノ持ってきたで。」
「…ん、ぅ、」
「…!!」
shpは少し息を荒くしていた。
ペペロンチーノを置き、声をかける。
意識はあるが、顔色は悪い。
額は暑かった。
怪我による発熱だろうか。
「…、まってな。今タオル乗せるから。」
タオルを氷の入ったバケツに入れて冷やし、しっかりと絞ってshpの額に乗せる。
さっきは少し良くなったが、また悪くなってしまったか。
「…ぅ、う"ぷ、」
「吐きそうか!!」
tnは部屋を出て、周りを見渡す。
ちょうどppが歩いていたので声をかける。
「ctの体調が悪化した!!ビニール袋はないか!!」
「…!!」
ppは走ってビニール袋を持ってきた。
部屋に入ると、shpの背中を擦りながらビニール袋を近づける。
「…ッ、、ぅ。」
「よかった、寝とき。」
ビニール袋を縛り、ppがゴミ箱にいれる。
ppはshpの枕の下に氷枕を持ってきてくれた。
それから、乾いたタオルをtnに差し出した。
「…えと、これは??」
「…、」
困るtnからタオルを貰い、shpの頬を流れる汗を拭う。
ちらり、とtnを見た。
「ああ、汗を拭く用やな。ありがとうございます。」
「…。」
ふるふる、と首を振りタオルを渡す。
「shp、汗拭くからな。少し寒くなるぞ。」
と言って、服を脱がす。
コンコンッ。
と外から音が鳴る。
ppが首を傾げて部屋から出て言った。
この連載、一応没だったので次回で完結せずに終わる予定なんですけど、意外と好評なので続きを書こうか悩んでます
コメント
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やっぱり天才⁉︎ これはciが関わらなかった世界かな? とっても面白いし神作品なので,続き見てみたいです‼︎ でも,無理しない程度にお願いします‼︎‼︎
関わらなかった世界線かぁ、、出会ったのはciだよね。 死なせたくないからちゃんと助けたんだなぁ
好きです