この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体とは一切関係ありません。
「えっ……ここって?」
「僕が初めて葉山さんに声をかけたお店です」
英次に連れられて訪れたのは、
女装した英次と最初に遭遇したブランドショップだった。
思えば、あの日の出逢いがすべてを変え、
恵里菜の生活に彩を添えるようになった気がする。
恵里菜は甘酸っぱい記憶を辿りながら、
いつものようにクール系のシャツに手を伸ばした。
すると……。
「この花柄ワンピと、可愛いミュールを合わせてみません?」
英次は以前、恵里菜が熱心に眺めていた、
ヒラヒラ花柄のフェミニン系ワンピースと、
華奢なミュールを手に取ってみせた。
「あ……そういう服、絶対似合わないんで」
「いえ、そんなことないですよ。きっと似合います」
英次は強気にそう言い切ると、
傍に控えていた店員を優しく手**************************
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