北朝鮮×韓国♀のNL小説
⚠️中→韓♀の描写あり。
先に謝っておきます。ロシアorキューバ推しの方は誠に申し訳ございませんでした。
「無事か日本家。……話したいことがある」
日帝とにゃぽんを守ったのはロシアだった。
まさかの人物に、敵も味方も思わず戦いを辞めてしまった。特に敵サイドは大きなざわめきが起こっている。
「な、何でロシアが……?中国様の味方だったんじゃないのか!?」
「ターゲットである日本の女を守るなんて…信じられない」
「裏切り行為ということか….!?」
すると、ロシアの氷のように冷たい視線が敵達を射抜いた。
気温が五度ほど下がった感覚が、全員を襲う。
「悪いが、もうお前らに用は無い。
ここまでして中国の味方をする気は無いんでな」
それだけ告げると、ポケットから無線機のような物を取り出して誰かに連絡し始めた。
日帝は注意深く、耳をすませて会話を盗み聞いた。
「俺だ。準備が出来た。
─────────撃て。」
爆音。
あんなに居た敵の数が、一瞬で半数化とした。
近くにいたナチス達は何とか躱したようだが、その額には冷や汗が伝っている。
今のは一体……?そう思ったその時。
「……!ロケットランチャーか!!」
ナチスが叫ぶ。ロシアは一瞬だけ視線を寄越した後に短く「正解」とだけ呟いた。
どうやらまだ仲間がいるようだ、しかもまぁまぁ手練の。
それにしても……
「ロシア、どういう事だ?」
「どういう事とは?」
「聞きたいことは色々あるが、まずはそうだな…
貴様、にゃぽんが狙われていた理由を知っているのだろう?」
ロシアの表情が微妙なものへと変わった。にゃぽんもにゃぽんで、心当たりはある様だ。
でなければこんな都合の良いタイミングで助太刀に来れない筈だろうから。
「………..もう一つ質問するぞ。
私の可愛い娘を狙った不届き者は誰だ?」
ピキ、と日帝の額に青筋が浮かぶ。ロシアが少したじろぐが、逃がすまいと赤い瞳を歪ませて睨みつけてやるとそこで留まった。
娘を狙った挙句、他の国達にまで手間を掛けさせたクソ野郎。
見つけ出してぶちのめす以外に無い。
「….順を追って説明する。長くなるがそれでも良いか」
「さっさと話せ。あと嘘はつくなよ?」
「ちょっと待つんね!」
イタ王が日帝を後ろから抱きしめた。敵達を撲滅して戻ってきたナチスとイギリスも、疑念の混じった目でロシアを睨んでいる。
「io達にも話すんよ。暴漢の被害者への説明は当然だよねぇ?」
「イタ王の言う通りだ。
お気に入りの手袋はそこの愚図共の血で汚れてしまったしなァ?」
「はぁ…これを後処理するのは私なんですよ?
せめて迷惑料と地面の修理費は貰わないと割に合いませんねぇ。
これではうっかり誰かに喋ってしまうかもしれません。例えば貴方のお好きな “アメリカ” とか」
流石ヨーロッパ、相変わらずのずる賢さである。
ロシアもこうなることは分かっていたのか、深いため息をついてお詫びを約束した。
「じゃあ話すぞ。実はな──────」
聞かされた真実はどれもが衝撃的なものばかりだった。
韓国を拉致監禁した真犯人は中国だったこと。
韓国の捜索に精を出している北朝鮮とにゃぽんを邪魔に思った中国が、情報統制などを行なって二人の邪魔をしていたこと。
さっきの連中は中国直属の特殊部隊で、
特殊な薬を使ってにゃぽんの頭から韓国との思い出を消し去ろうとしていたらしい。
アメリカが捜査協力に良い顔をしなかった理由も知った。
どうやら、中国がアメリカの上司の周りで韓国の悪い噂を撒き散らしていた為に、上司命令で捜索を禁じられていたらしい。
要注意人物への刷り込みも万全。抜け目のない完璧な作戦だった。
「…………….以上が事のあらましだ」
真実を知った四国は、全員凍りついた表情で固まっていた。
にゃぽんは特に酷い顔をしていた。一番の女友達がそんな酷いことになっていたなんて、まるで想像もつかなかった。
「…..そん、な」
「それを知っているということは….ロシアさんは中国さんの味方だったんですね?」
「あぁ。同志の頼みだったから手伝ってやったが….思った以上に彼奴はヤベェ奴だった。
これ以上は擁護しきれねぇな。俺も、キューバも」
ちら、とロシアが後ろに目を向けると、そこにはロケランを持ったキューバが立っていた。
先程の攻撃はどうやら彼らしい。
「幾ら中国の頼みとはいえ、日本家を直接敵に回すのはゴメンだ。
無駄な関係悪化は不都合だし….北朝鮮も可哀想だしな」
同じ社会主義の下っ端(?)同士、思う所があったようだ。キューバは続けてこう言った。
「それに、お前らも注意した方がいいと思うぞ」
「………..なに、どういうこと」
「中国が狙ってるのは韓国だけじゃない」
にゃぽんの瞳孔が一瞬で開く。そしてキューバに詰め寄って、胸ぐらを掴んで質問した。
「誰だよ…!!次は誰が狙われてんのッ!?!?」
「………..」
「答えてよ!!ねぇ!!!!」
「次のターゲットは…」
” お前らだよ、日本家。”
「………..は?」
〈北朝鮮side〉
夢を、見ていた。
それはとっても幸せな夢。
韓国と一緒に巡る日々を平和に過ごしつつ、たまに日本やにゃぽん、中国や台湾も巻き込みながら馬鹿騒ぎしていた。
にゃぽんや台湾と遊んでいる時の韓国の笑顔は、ムクゲの花が咲いた様よりも美しく、それでいて眩しかった。
いつもは嫌味で金に汚い中国も、その時ばかりは大輪の花の如くハツラツとした笑顔を浮かべていて、心が自然と温まった。
たまに欧州の奴らがちょっかい掛けにくるが、日本家やフランスが守ってくれるのでなんて事は無い。ちょっかいとは言っても、野次を入れたりする程度で本当に些細なことなのだが。
本当に幸せな夢。決して叶うことはない夢。
もう少しだけ、もう少しだけ。このままでいさせてくれ──────。
『北朝鮮。』
何故か息が止まりそうになった。虫の知らせというものだろうか、何だか胸がザワザワする。
『いつまでもこんな所に居ちゃダメだよ。
早く戻って』
何でだよ、そんなこと言うなよ。
ここならお前と笑っていられるんだ。誰も邪魔する奴は居ないんだ。
これはお前にとっても、良いことで……
『夢は見るものじゃない。叶えるものだよ』
そう笑った韓国は、背を向けて立ち去っていく。
「っ待て….!!!韓国!!」
『朝鮮民族の名に恥じぬ行いをせよ。北朝鮮』
………..あれ、こいつ韓国じゃない……?
そう思ったその時。韓国の姿がチマ・チョゴリを着た古風な女に変わった。
………なるほど、道理で見間違う訳だ。
だって、あの人は……
『自分の想いに素直であれ。…사랑하는 우리 아이
(愛しき我が子よ)』
可憐な笑みを浮かべた大韓帝国….
俺達の母さんは、再び前を向いて歩き出していったのだった。
「………..ん……?」
体を揺さぶられる感覚で目が覚めた。誰だ?俺以外には誰も居なかったはず……
「しっかりしなはれ!!!起きんしゃい!!」
「北朝鮮生きてる!?生きてるよね!?!?」
「あっ、目開けました!!大丈夫ですか!?」
目を開けると、そこには静岡達が血みどろの姿で北朝鮮を見下ろしていた。
……….いや京都の格好やべぇな?どした???
「っっ……!!起きろ言うてはるやろ!!!!」
バチィン!!!!!と、物凄い速度のビンタが北朝鮮を襲った。
「ッ痛ぇええええ” エ!!!!」
「ほっ….何や起きれるやないか!」
ニッコリ良い笑顔の京都を恨めしく睨むと、静岡が手を差し伸べて起こしてくれた。
埼玉は後ろでドン引きしているが、幸い京都には気づかれていないようだ。
「北朝鮮、どうしたの?血まみれで倒れてたから本当にびっくりしたよ…」
「……実は、その事について聞いて欲しい事がある。」
俺は今まであったことを包み隠さず、全て吐き出すように語った。
韓国を攫ったのは中国だったこと。此方に協力するフリをして俺達の情報を盗み出していたこと。そして、近々 “結婚式” なる忌まわしき “何か” を開催するということ。
話を進めるごとに、三人の顔色が青ざめていくのがひしひしと伝わってきた。
特に京都は拳を握りしめてわなわなと震えていた。
もう耐えられなかった。
仲間も、俺も、韓国も。
皆泣きそうな顔をしているのが、耐えられない。
どうすることも出来ない現状が、酷く憎らしかった。
「………..これが、全部の真実だ。」
最後の方は言葉にもならなかった。声の掠れが悪化したのだろうか、喋る度に喉が僅かに痛む。
笑える程に何もかもボロボロだ。
この先、俺は一体どうすれば….
「………..悪かった。お前らが見つけてくれた希望を無下にして、本当に申し訳ねぇ」
恐らく、またここからアイツを探すのは不可能だろう。
探し出せたとしても、”結婚式” とやらに間に合うかどうかは未知数だ。その時に状況がどれほど厳しいものになっているかは分からない。
だから、今回の失敗はもう取り返しが───
「項垂れるな!!!!!!」
雷のような怒声に全員の肩が跳ねる。
見上げると、静岡が真剣な眼差しで皆を見据えていた。
「韓国さんが無事だったってことは、まだ終わってないんですよね!?
また会いに行くって宣言されたんですよね!?だったら今は、その時のための対処法考えなきゃ駄目でしょ!!!!!」
あの温厚な静岡が声を張り上げて呼びかけている。
京都と埼玉もハッとしたような表情を浮かべ、そして光溢れる目でうなづいた。
「せやねぇ、静岡に言われて気付くなんて我ながらたるんどったわ」
「マジそれなっす。しっかりしなきゃな」
三人が立ち上がって、北朝鮮を見つめる。
そして手を差し伸べてこう言った。
「「「行こう、あの子を助けに。」」」
北朝鮮は、迷いなく手を取った。
ロシアside:
「どういうこと……?私、狙われてるの…?」
キューバの爆弾発言に、にゃぽんは驚きを隠せず立ち尽くしてしまった。
どういうこと?アイツが欲しいのは韓国ちゃんじゃないの?私のことなんて好きじゃないハズだよね??
「キューバ、どういう事です?」
「言葉のまんまだよ。
……アイツは大規模な計画を練っていたんだ。それこそ、世界がひっくり返っちゃうくらいの激ヤバ計画を。」
世界がひっくり返る大規模計画。中国。日本家。そして朝鮮半島。
とんでもない大事の予感を感じて、共産組以外の三国が息を飲む。
「……内容を説明しろ」
絞り出すような声で、ナチスは問いかける。
「中国は韓国を正妻として、台湾や日本家をはじめとする東アジア内の西側諸国を併合…
つまり “ファミリー” の一員にしようとしてる。
所謂、大東亜共栄圏みたいなものだよ。」
最後の一文を聞いて、日帝は苦い思い出を思い出したかのように顔を顰めた。
それもそのはず、元々大東亜共栄圏は日帝が現役時代に追い求めていた “理想の植民地像” であったからだ。
まさか過去の遺物がこんな最悪な形で出てこようとは、夢にも思わなかった。
「…………………なんで」
にゃぽんは拳を握りしめる。何で、何でこんなことになったのかと。
韓国は何も悪くないのに、いきなり拉致されて北朝鮮と引き離されて。
挙げ句の果てにファミリーだって?巫山戯るな!!
「それで、あんた達二人はそんなアホ計画に加担してたって訳?」
「!?」
にゃぽんの変貌ぶりに、ナチスとイギリスが少したじろいだ。
あのふわふわしてて元気っ子な乙女がこんなことを言うなんて……
そう思った刹那。
“バチィン!!!!!!”
「っ……」
「ふざっけんなや!!!!!」
ロシアの頬に向けて凄まじいビンタが打ち込まれた。じんじんと痛む頬を押さえていると、今度はキューバに矛先が向いた。
「あんなイカレポンチ野郎に協力するとかほんま馬鹿ちゃうん!?!
ちっとは頭使って考えんかい!!この腐れ外道共がァああ” ッッ!!!!!!」
「お、おい落ち着け!!日帝も突っ立っていないで止めろ!!」
怒り狂ってロシアとキューバの胸倉を掴むにゃぽんを、ナチスが羽交い締めにして何とか押さえている。
イギリスとイタ王も頑張って宥めているが、全くと言っていいほど効果がない。
そして……
「ほんま、アホちゃうんか」
涙混じりの一声に、その場の時が止まる。
「韓国ちゃん、なんも悪ぅことしてへんやないか。それなのにむりやり引き離すとかあんまりやぁ….っ」
赤い瞳からポロポロと涙がこぼれる。
あどけなさの残る顔立ちはくしゃっと歪められ、猫耳はぺたんと伏せたままだ。
「もう嫌やぁっ…(泣) 私の友達泣かす奴なんか知らへん~~~~~ッ……うぅっ、ひっく………..」
「にゃぽんさん….」
彼女の気持ちを想像すると、胸が張り裂けそうな思いだった。
一番信頼している大好きな親友が、とんでもなく強大で厄介な奴に連れ去られて。
アメリカのせいか、黒幕のせいなのかは分からないが取り戻そうとしても上手くいかず、その最中でかけがえのない兄と喧嘩して….
おまけに自分までも身柄を狙われた。
この件で一番辛いのは韓国という事実すらも彼女を苦しめる。
メンタル崩壊しなかったのが不思議なくらいだ。
「はやく、韓国ちゃんに会いたいっ….会わせてよぉ…ッ」
「………..にゃぽん。」
しゃくりあげる少女の背中に手を回して、日帝は優しく抱きしめた。
「……?」
「今までずっと頑張ってたんだな。
友達の為にここまでやるなんて、お前はとっても偉い子だぞ」
家族以外には見せない優しさ。
ポンポンと背中を叩かれるうちに、にゃぽんの心に平穏が戻ってきた。
「おとぅさぁん……」
「いっぱい泣いていいからな。ここでお前を咎める者はいない」
「大丈夫なんよにゃぽん。
悪いのはベッラを二人も泣かせた共産野郎共なんね!」
「それについては、本当に申し訳ない」
ナチスとイギリスに拳銃を向けられているロシアが口を開いた。
「おや、喋っていいとは一言も言ってませんが」
「俺は過去に甘えてたんだ。
今の中国と、親父の下で共に話していた中国は違う」
「次に口を開けば貴様の脳天に穴が空くことになるのだが」
「ナチスさん、イギリスさん。ロシアの話聞いてくれはる?」
「「仕方ないな/ですねぇ」」
「……だから、過去とはもうおさらばだ。」
グダグダな会話は、次の一言で締めくくられた。
「俺とキューバは、お前らに協力する。」
嘘偽りのない、心からの言葉。にゃぽんは強引に涙を拭って向き合った。
返事は二つ。
「………..うん!」
ハッピーエンドが、近付く予感がした。
to be continued……?
コメント
5件
中国、、、、 ってかお母さんが出てくるの最高に熱い!!
ちょっと私のオリカンヒュ北京の隣だから侵攻しようかなぁ共産主義なんだけどなぁ