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羅依のいい子なんかいいよね〜🤭 それにしてもこの香さんは…めんどくさいねぇ。初対面なのにまるで知り合いみたいな、あっ香さん「は」羅依のこと知ってるんだった!キングだもんね。本名初めてしったくせに😆 警察は西河京子さんの証言からただの事故として見てないんだね。でも羅依じゃないけだチッだよ!( ¯ ⌳¯ )チッ!!!なーんで才花ちゃんが疑われるのよ!ありえないわ😤
「競技復帰のために診てもらうんじゃない。レベルの高い診療を受けるのは日常生活にも重要なこと」
「藤堂さん。ご紹介頂けるなら、こちらで才花ちゃんを連れていきます」
「いや…木村さんの向こうに大切な人を見て、才花が自分の気持ちを吐き出せてないので、距離が必要かと思います」
「でも、それって…羅依さんが、才花さんの面倒をみるってこと?」
「初対面の人に名前を呼ばれるのは不愉快です」
「ぁ…ごめんなさいっ。えっと…藤堂さんが才花さんの面倒を?」
「まだ何も言っていませんが?話の順序が違います」
ひどく冷ややかな羅依は怖くも見えるけれど、香さんは怖そうにすることなく興味津々という感じだ。
「退院するな?」
「うん」
「いい子」
その時、コンコンコン…扉がノックされたけれど開かないので、ナースではなさそうだと洋輔さんが‘はい’と言いながら扉をスライドさせた。
「失礼します。○○署の吉井です」
「田村です。大島さんはおやすみ中ですか?」
「いえ、どうぞ」
ケガをした日、検査の合間に少し話をした警察の方なので、姿は見えないけれど入ってもらうよう返事する。
吉井さんは男性、田村さんは女性だ。
「あ、お見舞いの方がたくさん…って、藤堂さんと緑川さん」
「ご苦労様です、吉井さん。警察が才花ちゃんに何か用事?」
「はい。でも…」
吉井さんは羅依とタクを知ってるようだけれど、ここで話してもいいのかと私を見た。
「かまいません。何か?」
あのときは、誰かとトラブルはないかと聞かれて‘ない’と応え、スーツケースの主である西河京子49歳を知っているかと聞かれて‘知らない’と応えただけだ。
「大島さんのスマホを見せて頂けますか?」
「任意だとちゃんと言え」
「藤堂さん、厳しいですね。実は、西河京子が駅の階段から転落して骨折、入院しました」
「ニシカワキョウコって誰ですか?」
「この方は部外者でしたか。田村、連れて出て、待ってもらって」
「はい」
「ちょっと、私は家族のようなものよっ!」
瘤に響く大声を出した香さんに驚いてビクッとしてから
「居てもらっていいので話を進めてください」
と私が言うと、羅依が私の頭を一度ポンとしてからクルクルと撫でる。
さっき洋輔さんが羅依たちにいろいろ説明する中で、西河京子ってことまで言ってたと思うけど、彼女は聞いていなかったのだろう。
「西河京子本人が‘誰かに押された’と証言しているので、タイミング的に申し訳ないですが…」
「チッ…才花が誰かに指示していないか、任意で協力しろってことだな?」
「才花ちゃん、そんな余裕ないけどねぇ。疑われた鬱憤ばらしに拒否していいよ。警察がデータ集める手間をかけてやれば?」
「…タク…面倒くさいこと考えるんだね。どうぞ」
私はここに来てから一度も発信も送信もしていないスマホを、吉井さんに差し出した。
「失礼します」
そう言ってその場で私のスマホを見る吉井さんと、香さんの身分証明書を見せてもらうという田村さん。
ここで聞いた話を外部でするな、ということを言っている。
「バイト先への事故連絡以降、全く何も…ですね。不審なものも受け取ってもないですし。ご協力ありがとうございました」
吉井さんが丁寧に両手でスマホを返してから
「木村香さん。大きな声で家族のようなものだと叫ばれた割には、一度も連絡が入っていませんでしたけど?再度お願いしますが、今日ここで見聞きしたことは口外しないようお願いします」
と念押しして帰って行った。
「才花さん、何かの事件の渦中の人?」
「まさか。何てこと言うんだ、香」
洋輔さんの声と同時に、私の足の上のスマホが音もなく……光で着信を告げる。
「…はい、大島です」