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「今日から働く会社はここか」

俺はダルそうにため息を吐いた。

「今日から一緒に働く梶原翔さんです。

挨拶どうぞ」

第一印象は大切だ。これから仕事を教えてもらう先輩達に悪い印象を与えては後々面倒だ。

だから俺は笑顔で

「分からない事が多く皆さんにご迷惑をかけるかもしれませんがよろしくお願いします」と深々頭を下げた。

キャラで得をしたり猫を被って人から好かれたりする事をよく思わない人もいるだろが俺はそうは思わない。それで自分を優位に立たせたり面倒な事に関わらない様ならそれでいいと思う。

そして、数ヶ月が経ち仕事にも慣れ、 俺にはイジられキャラが定着した。

「梶原君、志保ちゃんって可愛いよね」

と同期の男中尾が俺に話しかけてきた。

中尾が見ていた方を見ると女の子2人が談笑していた。

正直言って俺は志保さんが嫌いだ。

他人の容姿を馬鹿にしたり自分よりも出来ない人間を見下したり性格の悪い奴だから。

「そうやね。可愛いと思うけど俺は隣の佳奈ちゃんの方が好きかな」と返す。佳奈さんは優しく愛嬌のある子だが色々な男と遊んでる噂があり本当は好意なんてない。

「内緒やけど俺は志保ちゃんと付き合ってるんだよね」と自信満々に俺に言ってきた。

中尾と志保さんが付き合っているのは社内のほとんどが知っている。ちなみに俺も知っていた。けど面倒ごとを避けたかったから

「えっ!そうなん、知らんかった〜」と驚いた表情を見せた。

「それはそうと今日梶原君予定ある?皆でご飯食べ行こうと思ってるけどくる?」

「いいけど何時から?」

「仕事終わってからだから19時頃!」

「分かった」

「じゃあまた後で」

俺は正直乗り気じゃなかったが人付き合いも大切だから行く事にした。

18時ぐらいには俺は集合場所付近に着いたが集合場所には行かず見晴らしのいい場所でみんなが来るのを待っていた。

それから30分後ぐらいに佳奈さんがやってきた。男に送ってきてもらった様だ。そして10分後に中尾と志保さんがやってきたが何故か中尾だけが立ち止まり志保さんだけが集合場所に向かっていた。恐らく付き合ってる事がバレない様の工作だろう。無駄なのに。

そうして俺はタバコを一本吸って集合場所へと向かった。

「梶原君こっち〜」

「時間ギリギリにきてごめんね〜」

「全然大丈夫!私たちも今来たところだから」

「じゃあ行こうか」と居酒屋へ向かった。

「もう少ししたらもう1人来るから」と志保さんが俺に言ってきた。

「じゃあその人来るまで待っとく?居酒屋予約とかはしてないなら」と答えると

「いいのいいのあの人なんしても怒らないから」と鼻で笑った。

(この人のこういう所がマジで嫌いなんだよ)と思いつつ「分かった」と言い皆で居酒屋に入った。居酒屋で小一時間ほど皆と談笑していたが中々もう1人の人が来ない。

俺は志保さんに

「もう1人の人遅いけど何かあったの?」と聞くと「さぁね」と笑いながら言われた。すると「ごめん遅くなった」と声が聞こえた。

声の方を振り向くとそこには同じ会社の麻衣子さんがきていた。

あまり一緒に仕事した事がなかったのでほぼ初対面っと言っても過言ではなかった。

「初めまして、梶原さん。川城麻衣子です。」

「こちらこそ初めまして。梶原です。」

それから麻衣子さんも交え食事を再開した。

「梶原君は佳奈ちゃんの事好きだよね」と中尾が急に言い始めた。

「急にどうした?なんのこと?」と聞くと

「今日好きって言いよったやん!」

俺はすっかり今日の事を忘れていた。まぁ好きという事にしてたら話の話題になるかと思い

「好きっていうか可愛いと言ったけどね」と

顔を赤ながら言った。

「え〜嬉しいけど私に見合う男になって告白とかしてきてね」と笑いながら言ってきた。

(誰がお前なんか好きになるんだよ。お世辞って分かれよ)っと思いつつ

「佳奈ちゃんに見合うってなったらスペック高いやないですか〜」と笑いながら答えた。

その話の間俺は麻衣子さんの行動に違和感を覚えた。

話の会話で笑ってはいるけどどこか遠くを見つめている様子だったからだ。

まぁこういう場が苦手だけど人付き合いの為に来たんだろうと思う様にした。

カタクリは咲く場所が分からない

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