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コメント
2件
ふむふむ🌟🌟どうなるんだろ😅😅 2人とも・・目覚めちゃったのかな⁉️⁉️
なになに?気になる👀✨
雨の日のスタジオ。
ドラマの撮影だったり、バラエティだったりと最近は個人の仕事が多かったので、今日は久しぶりのグループでの仕事だった。
楽屋の中は騒がしくて、誰かが話しだせばそれに誰かが突っ込む声が続く。
Snow Manの“いつもの空気”。
それは肌になじむ安心感みたいなもので。
久しぶりのメンバーとの会話に花を咲かせていると、ふいに隣にいた岩本くんが、席を立った。
「…あれ、岩本くん?」
名前を呼んでも、返事はない。
何気なく辺りを見渡すと、テーブルに置きっぱなしになっている岩本くんのスマホの通知が点滅していた。
他人のスマホなんて、普通は見ない。
けど――
通知が、思わず目に飛び込んできた。
「昨日の写真、確認しといて」
ファイル名:shibari_003.jpg
心臓がドクンと鳴る。
(このファイル名、なんだ? “shibari”…?)
(昨日岩本くん撮影あったっけ?いや、オフだったよな)
悪いと思いながらも、指が画面へと勝手に動いていた。
ロックはかかっていない。
ファイルを開くと、写真が何枚か表示された。
男の裸の上半身。
肌に張り付くように縄が巻かれ、肘の上で後ろ手に縛られている。
その肉体は、見覚えがあった。
何度もステージ裏で見た、あの研ぎ澄まされた肩と、しなやかな背筋。
——岩本くん、だった。
写真は明らかに、誰かが撮ったもの。
距離、構図、光の入り方。
そのすべてが扇情的で。
岩本くんの背中に浮かぶ汗の粒すら、興奮を煽るよう滴っている。
「なにしてんの?」
不意に背後から低い声がして、スマホを持つ手が跳ねる。
振り返ると、岩本くんがすぐ後ろに立っていた。
顔に感情はない。
「……ごめん、通知出てて。その、見るつもりなかったんだけど…」
言い訳にもならない言葉が口から滑り落ちる。
岩本くんは特に責めるような様子もなく、ただ静かにスマホを手に取った。
画面を閉じ、何事もなかったように言った。
「変なもん見せてごめんな」
「……いや、俺が勝手に見ただけだから、」
「できれば誰にも言わないでくれると嬉しい。」
「…それは、もちろん」
それきりだった。
周囲は相変わらずガヤガヤしていて、誰も俺たちのやり取りに気づいていない。
俺の中で何かが渦巻く。
その画像が脳裏に焼きついて離れない。
誰かに“縛られている”岩本くん。
俺の知ってる“リーダー”の顔じゃなくて。
それが、なぜだかたまらなく、興奮した。
「……岩本くん、そういうの……好きなんだ」
——あの姿を、自分の手で引き出してみたい。
そう思ってしまった時点で、もう元には戻れなかった。