テラーノベル
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ライブ会場のバックステージ。
歓声が、壁の向こうから響いてくる。
「やば……緊張する」
小さく呟いたのは
柔太朗。
手をぎゅっと握っている。
そんな柔太朗の後ろから声がした。
「またそれ言うてるやん」
振り向くと
舜太が立っていた。
「だって今日アリーナだよ」
「せやな」
舜太は平然としている。
「舜太は緊張しないの?」
「するで」
「嘘」
「ほんまやって」
舜太はそう言いながら、柔太朗の手をそっと取った。
「え」
指が絡む。
「舜太」
「落ち着くやろ」
「……誰か来る」
「来んて」
でも柔太朗の鼓動は速い。
ステージのアナウンスが聞こえる。
「次、M!LKです」
スタッフの声。
空気がピンと張る。
「舜太」
「ん?」
「失敗したらどうしよ」
一瞬。
舜太は柔太朗の額を軽く叩いた。
「アホ」
「え」
「じゅうちゃんがミスってもな」
舜太は少し笑う。
「俺がカバーしたる」
柔太朗は目を丸くする。
「……舜太」
「ほら」
舜太は手を引いた。
「行くで」
ステージへ続く通路。
歓声がどんどん大きくなる。
幕の前。
柔太朗はまだ少し震えていた。
すると——
舜太が耳元で小さく言った。
「じゅうちゃん」
「なに」
「ステージの上では」
一瞬間を置く。
「俺のことだけ見とき」
柔太朗の心臓が跳ねた。
「……無理」
「なんで」
「ファンいるから」
舜太はニヤッと笑う。
「ほな」
幕が上がる直前。
舜太は柔太朗の手をぎゅっと握った。
「ファンには内緒な」
そして——
幕が上がる。
大歓声。
ライト。
音楽。
その瞬間。
舜太は柔太朗にウインクした。
柔太朗は思わず笑ってしまう。
(もう大丈夫)
ステージの上で。
二人の距離は、誰よりも近かった。
コメント
5件
リクエストってしても大丈夫ですか?
3080と同じくらいやわしゅん好きです。 舜ちゃんはこれから可愛いからカッコいいにどんどん化けていくと確信してるですが、その変換期の両方楽しめる今もまた好きです! 可愛いとカッコいいに振り回されるのも良きです❤️🤍 もっと見たいです。