この作品はいかがでしたか?
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もらったスマホには
連絡はもちろん、
ポピーの本拠地や仕事の確認ができるようになっていて、
メンバーの偽名と顔写真が載っていた。
メンバーってたくさんいるんだなぁ、と思いながらスクロールしていると
気になる項目があった。
“パートナー“ ?
パートナーってなんだろう?
掟の項目には”1人でタスクをこなすこと”と書いてあった。
そう思い連絡アプリで早速質問する。
返信は思っていたよりも早くて、
すぐに通知バーをタップする。
薔薇「パートナーというのは、いわゆる相方だ。」
薔薇「互いに了承し合えばパートナーとなり、」
薔薇「タスクを共に行うことができる。」
薔薇「互いの位置情報などはすぐに分かるようになっている。」
薔薇「互いに助太刀に入りやすいような位置にいると良いだろう。」
相方ということは1人しかなれないのだろうか
誰にするかはとても大事なことだろうな。
きっと、命を懸けることになるだろうからな、、
そう思うとなおさら怖くなってくる。
1人じゃないというのは相当心強い。
もう一度メンバーのリンクに飛び、
試しに自分の住所を入れてみる。
そうすると4人ほどヒットした。
そのうちの殆どは少し年のいっている男性だ。
1人の女性を除いて。
その女性は同年代で経験豊富だと書いてあった。
経験豊富というのは安心だが
やはり少し怖い。
そう思いながらもDMをいれてみる。
『急なご連絡失礼します』
『イチイと申します。』
『〇〇市に住んでいる女子大学生です。』
『よろしくお願いいたします。』
ちょっと堅かったかな、なんて思いながら送信ボタンを押す。
思っていたよりも早く返信が来た。
あぁ、そうか、
緊急の仕事やパートナーからのSOSの可能性があるスマホだから
急いで確認するのも無理はない。と納得しながら返信を確認する。
シラユリ『うちシラユリ!』
シラユリ『そんなに堅くならんでいいよ!』
シラユリ『今電話ダイジョブ?』
軽っ、
ほんとに命の取り合いをしている人とは考えられないような明るさ。
そうじゃなきゃメンタル持たなかったりするのかな?
なんて思いながら電話に出る。
イチイ「もしもしー…」
シラユリ『もしも〜し!』
やっぱり声明るいな、
シラユリ『うちは、××学園のシラユリ!』
イチイ「ぇ、私は△△大です」
シラユリ『え!近いじゃん!』
イチイ「ですね…!」
最初は苦手なタイプかと思ったけど
案外話しやすい。
緊張も思っていたよりすぐに解けた。
シラユリ『あ、そうだ!会える?』
イチイ「え、今からですか?」
シラユリ『もち!新人なんでしょ?基礎教えてあげる』
イチイ「あぁ…」
そういうことなら、行く価値はありそう。
当たり前だけど、人を殺めたことなど無い。
“裏では”なんて言っていたけど
アプリを見ている限り、きっとそんな仕事ばかりだろう。
パートナーを申し込むかは置いておいて話を聞いてみよう。
イチイ「わかりました、どこですか?」
シラユリ『えっとねー、□□公園分かる?』
イチイ「わかります。すぐに向かいますね。」
シラユリ『おっけ〜!あ、家に果物ナイフとかあったら持ってきて!黒服でね!』
イチイ「わかりました」
シラユリ『も〜、堅いなぁ』
ピロンッ
「あ、切れた」
果物ナイフ、、か、、
あった気がする。
でもナイフって聞くと、
やっぱり恐怖心が煽られるような気がする。
まぁ、、、行くしかないか、、
そう自分に言い聞かせて出かける準備に取り掛かる。
××「あ、イチイって君?」
イチイ「あ、えっと、シラユリさん、?ですか?」
シラユリ「そう、うちがシラユリ」
想像してたよりも全然整っていた顔は
夜景色にギラリと反射していた。
シラユリ「イチイって、なんにも知らないの?」
イチイ「えっと、、アプリは大体見たんですけど、、」
シラユリ「ってか、敬語やめてよ」
シラユリ「うちのこともシラユリでいいし」
イチイ「え、でも年上、、」
シラユリ「いーの」
シラユリ「どーせ、パートナーいないんでしょ」
シラユリ「うちがなったげる」
イチイ「え、いいんで、、、いいの?」
シラユリ「いいって言ってるじゃん」
イチイ「じゃ、じゃあお願いします…?」
シラユリ「また敬語使った〜」
イチイ「ごめんごめん(笑)」
イチイ「ぁ、」
シラユリ「あ、じゃないよ!w それでいいの!」
イチイ「…そっか、そうだよね(笑)」
シラユリ「いいなぁ〜イチイの笑顔かわいい(笑)」
イチイ「え?//そんなことないよ//」
あまりに急に言われたので
照れてしまったが、
そういえば最近はあまり
笑っていなかったような気もする。
シラユリちゃん、?
やっぱ凄いな…
シラユリ「なんか、電話してたときもだけど、さっきまでは暗かったから」
イチイ「え、そう?」
シラユリ「うん、心の底から笑ってない感じ」
イチイ「そうゆうのってわかるの?」
シラユリ「人の事ちゃんと見てないと自分の身が危ないでしょ?」
イチイ「あぁ、、確かに」
シラユリ「じゃあ、、仕事…殺しについて説明するね?」
イチイ「っ、、うん、、」
胸がドクンッと強く波打った_.
<シラユリ>
・花言葉は「死」「死者に捧げる」
・ユリ科の、白色のユリ
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