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甘くて苦いチョコレート。
※百合※
ばーかっ
貶してくるのは同級生の夜桜弥生だ。
はぁっ?!お前だって……お前だって……
言い返す言葉がない、だって彼女は、性格に難はあるものの、とても優秀だからだ。
私の居るクラス、A-5は1部の生徒から『優秀なものが集うクラス』と噂されている。
私は音楽に優れていて、夜桜は様々な事が出来る。クラスメイトの夏代はセンスがとても良い。夏代の母は昔、人気のある女優のコーディネートをした事があるそうだ。
はい、じゃあ春ー。ここの問一答えてみろー。
はっはいっ!!えーとっ……A……?
くすくすっと嘲笑う声が聞こえてきた。間違ったのだろう。
んん、惜しいな、じゃ夜桜。
はい、Cでーす。
正解。
あぁ、あいつほんと、頭良いんだよな。そんなことを考えていた時だった。
ううっ……
悶え苦しむ声と共に、ガタンッという音が聞こえてきた。夜桜だ。
ガヤガヤとする室内で私は、友達と思ってもいないようなあいつに駆け寄り、すぐさま指示を出した。こう見えても父と母は2人で医者をやっているからだ。
っ……?
目が覚めるとそこは、保健室の天井だった。
あっ、目覚めたか。
春だ。あいつはいつも勉強が出来なくて、本当に笑える。でも、淡く残っている記憶には、彼女が率先して僕を助けていた。
……悪かったな。
あ?はっ。お前でもお礼くらい言えるんだな。
あぁ?!
……待ってろ、今熱測ってやる。
こいつ、そういや親が医者なんだったか。ってどうでもいい。今はとにかく、ここから出たい、その一心だった。
ピッという通知音で体温が出た。
わっ?!?!39.5?!?!
うるせぇバカ!!
あっすまん……じゃねぇよ測ってやってんだろーがっ!!
あぁ?!測れなんて誰が言ったんだよっ!!
ハイハイうるさいですよー。
……。
何故だろう、いつもよりモヤモヤしている気がする……。
んじゃ私先生呼んでくっから、大人しくしてろよっ!
ガシ………
あ?んだよ
……わかんねぇ
はぁ?
わかんねぇ……けど……行って欲しくない。
……!!お前、可愛いとこあんじゃん……。
いきなり掴まれてなんだと思ったら……コイツっ……
少し弄んでみるか。と思い、キスをしてみた。
っ何すんだよ……
あ?嫌かよ。
……嫌じゃねぇけどっ……。
はっ、面白ぇな。コイツの弱点、見っけたぞ。
クチュッ……チゥッ……
口の中で舌を絡める。
あぁ、そうだ。
朝ごはんの後に食べようと思っていたチョコレートの存在を思い出した。
カプッ……グチュッ!!
何をするかと思ったらコイツ……っ!!
チョコレート……??なぜポケットに入っているかも謎だが、1番は今何故出したかだった。
んぐっ……!
強引に口の中に入れられたチョコレートは、初恋のように、甘くて、苦かった。
甘くて苦いチョコレート。 終