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ルルア)さて、2人のところに戻らないと。……でもやっぱり珍しいわね、魔法の都なのに何故魔力を持たない者がいるのかしら…
ルルアはフードを再び被り、紅色に染まった部屋を後にする――
コツン…コツン…
ひとつの足音が店の中を響く
???)ふ〜ん、なるほどねぇ。店主は即死、かぁ。
—一方その頃…—-
ピクルは私を連れてウェルバリアから少し離れたところにある木のところへと向かった
ピクル)よーし、ここら辺にするか。おい大丈夫か?
ピクルはそう言っておぶっていた私をゆっくり地面に下ろし、木に寄りかからせてくれた
私)(まだ、なんだか意識がはっきりしない、頭が割れるような痛みが、)
私が苦しんでる姿を見つめるピクル
ピクル)まだ苦しそうだな、どうしたらいいんだか。こればっかりはルルアが来るまで待たないと。こういう時に本を読んでたらなぁ、
ピクルはどうしようもできない自分自身に呆れたように呟いている
ピクル)ごめんな、なんにも助けてやれない。ルルアが来るまでもう少しの辛抱だ
私)ゔっ、(頭がっ、痛い。)
どんどん痛みが増していき、周りの音もほとんど聞こえなくなっていく。正気を保つだけで精一杯だった。
ピクル)おい、大丈夫かよ?一体何されたんだか…。…ん?
ピクルは私の腕をとると、驚いたような顔をする
ピクル)??(…こいつの手にこんな傷あったか?)
私の腕には以前までなかったはずの大きな傷がついていた。先程の脱出の際にできたものにしては傷口が新しく、つい今できたような見た目である
傷口の様子は少し大きめに開いており、血が出ていたしかし血液の色は紅色ではなく、それはそれは感動するほどに綺麗な蒼白い血液だった
私)あ”っ…ゔぅ
ピクル)これはっ?!まずい…まずいぞ。
ピクルは恐れおののき、地面に尻もちをつく
顔は青白く、手足は震えていた
サッサッ—
その時、背後から足音がする
ピクル)るっ、ルルアかっ?!戻るの早かったな、そっ、そんなことより大変だ!こいつ血が紅色じゃないぞ!
ルルア)……
ルルアからの返事はない
ピクル)すっ、すまねぇ。俺、初めて蒼色見たもんだから、おっ、驚いて。とっ、とにかく、治さねえと。俺何したらいいか、わっ、わかんなくて。頼んでもいいかっ?
ルルア)…………
またもや返事はない
ピクル)おい、ルルア。さすがに無視は酷いじゃねぇか、ごめんって、これに懲りてちゃんと本読むから、
ルルア)………………
ピクルは疑問に思った
ピクル)(なんであんなにお喋りなルルアがこんなに黙ってるんだ…?蒼い血を見て恐怖のあまり声を出せないのか?)
ピクル)(いや、あいつは沢山の本を読み返しているから血に関しては免疫があるはず………まさか)
様々なことを考え、ひとつの答えにたどり着いた
ピクル)お前、さてはルルアじゃないな?
後ろの人物は両手を広げ、大きな声で叫んだ
ルルア?)……ふふふっ!!だいせいかーいっ!
力のこもった声が響き渡る
ピクル)くそっ、通りで反応しないわけだ!!
ピクルは震える足を叩いて立ち上がり、私を抱えては後ろにいる人物と距離をとった
後ろにいた人物はゆっくりとこちらに近づいてくる
ルルア?)うっハハハハハッ!さっすがにバレちゃいましたか〜。いやはや、後ろを見られるかと思ってご丁寧に変装までやってやったんですけどねぇ〜
ルルア?)後ろを見ずに”僕”の反応で判断するとは思わなかったやぁっ!!面白い面白い!
背後にいた人物は腹を抱えて笑っている
ピクル)何がおかしいんだ?貴様、一体何者だっ!
ピクルは私を強く抱き抱えている
???)あ〜、そうだったそうだった!自己紹介がまだでしたね〜!!
その者は言葉を発しながら羽織っていたマントを脱いだ
そこには少し小さな青年がいた
髪は紫色で肌は色白く、しっかりとした体でその場に立っていた
???)ど〜もっ!ウェルバリアバウンティハンター所属のカレドニアと、申します。今後お見知り置きを〜!
カレドニアと名乗った男は深くお辞儀をした
ピクル)バウンティハンターだと?あんたみたいな賞金稼ぎがこいつになんの用だ?
少し怒り混じりにピクルは問いかける
カレドニア)いや〜そんなに怒らないでくださーい。彼女は私たちの界隈だとそ・れ・な・り・に有名なんですよ?なんせ、”青い炎が出る少年”ですから
ピクルの顔が少し驚いたようになり、すぐさま元の怒りまじりの顔に戻る
ピクル)……一体どこでその情報を手に入れた、?
カレドニアは満面の笑みで話しをする
カレドニア)そうですね〜、お話したいのは山々なんですが、**企・業・秘・密**です
ピクル)あ”〜もうっ、イラつくなぁ!俺はお前みたいな丁寧に侮辱してくる野郎がだいっきれぇなんだよ!
カレドニアは表情を変えずに話続ける
カレドニア)やだなあ〜そんなに言わなくてもいいじゃないですか〜。
カレドニアは先程より少し真剣な顔つきになる
カレドニア)さてっ、お話はこれくらいにして。今のでわかったでしょう?貴方様のお手元にいらっしゃる少年をこちらに渡して欲しいのですが?
ピクルが嘲笑うような顔をする
ピクル)ほんっとおもしれぇ野郎だな
カレドニアが少しムッとする
カレドニア)…と、言うと?
ピクル)俺の態度で分からねえか?渡すわけねぇだろうが!
カレドニアは深くため息をつく
カレドニア)やれやれ、さっさと渡せば無事で済むというのに。そちらがその気ならば、喜んでお相手を致しますよ。
ピクル)ふん、やってやろうじゃねぇか。
ピクルは呪文を言って小さな水の壁を作り出し、そこに私を寄りかからせて、私に話しかけた
ピクル)少しだけここで待っててくれ、すぐに終わる
そう言ってピクルはカレドニアの方を向き深呼吸をする
カレドニア)いつでもどうぞ
ピクル)じゃあお言葉に甘えてッ!
お互いが近づき、まさに今1人の少年をかけた戦いが始まった―――